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しおりを挟む我に返った時には、精魂尽き果てたのかオレは眞壁の体に凭れかかるようにして、だらりと力の抜けた体を抱きしめていた。
ゆっくりと体を起こして眞壁を見やると、ぼんやりと焦点の定まらない目で天井を見上げている。
「大丈夫、か?…………眞壁」
顔を覗き込むが、返事もなくてピクリとも動かないのですっかりトんでしまっているようだ。
「なんだよ………。意識、トんでんのか……。……士龍」
暖かい眞壁の中は、まだヒクッヒクッと痙攣してオレの欲にきゅうとしがみついている。
このまま眞壁を抱いていたかったが、流石に時間がねえよな。
ゆっくりと肉竿を引き抜いて、乾いてカピカピしている汚れを持っていたウエットティッシュで拭ってから便器に捨てる。
子どもみたいな八つ当たりみたいなことをしてしまったなと思ってため息をつくと、目の前で体を放り出したまま、焦点の合わない目を虚空に向けている眞壁を見下ろす。
用意していた携帯ビデをバックから取り出して、ノズルをはめると、ぽっかりと開いたままのアナルにノズルを挿しこむ。
「……く…………ッ……ッ?」
ノズルの異物感に驚いたようにオレを見返した眞壁と視点が合い、漸く意識を取り戻したのが分かった。
「ちっと、つめてえかも。中洗うから……。肩に掴まってろ。ほら……大丈夫か」
早くこの場所から立ち去りたい気分だったので、眞壁が正気に戻ったことに安堵してボトルの中の水を押し込んだ。
「ンンン……ッふ……あ、な、に」
ボトルをぎゅっと握り込んで水を全部注ぎ込んで引き抜くと、孔に押し込んだ指を横に拡げて、下腹部を掌で押して中身をばしゃばしゃと吐き出させる。
「…………ッ、な、なんか…………はずい…………」
排泄を見られているような気分なのか、眞壁が耳まで赤く染める様子が珍しくて思わず頬が緩んでしまう。
「アンタでも恥ずかしがるのな」
全裸のままの眞壁を見やってシャツを脱いで着せてやる。一回り眞壁の方が大きいので、きつそうだが精液まみれのシャツではこのまま学校で過ごせないだろう、
「オレ、もう帰るし。アンタのシャツ汚しちまったから、後で交換しようぜ」
まだ動ける状態ではない眞壁の下着と服を棚から降ろして着せてやる。このまま動けるようになるまで放置したら、一月の寒さの中じゃ風邪をひいてしまうだろう。
「なあ…………。もう…………便所はやめよう」
眞壁がぼんやりと口にした言葉に、オレはぐっと眉を寄せた。
どこでやるかなんて、眞壁には拒否権はないはずだ。
「オレの好きなところでするし、アンタには決定権はねえよ」
人に聞かれたのを思い出して嫌だと言ったのかと思ったが、眞壁はちょっと困ったような表情で便座を指さした。
「便座、割れてっから……。これは、俺が力みすぎたってセンセに謝っておく……」
「あ、便座?……っぶはッ、マジで言ってんの……?ホント、アンタって。じゃあ、別の器物破損しねえとこ考えとくわ」
自分の重みに耐えられなかったんだという様子に思わず吹き出してしまい、眞壁の思考回路は本当に自分の思考よりも外れたところにあるのだということが思い知らされた。
「オレは先に出るぜ。アンタは休んでから、教室もどんなよ。あと、これ。口直しにやるよ」
すっかり時間がたって温まってしまって、絶対不味いだろうなとは思ったが、オレは買ってきたいちごミルクのパックをぼんやりとしたままの眞壁の手に握らせた。
こんなのは、手に入れたなんて言えない。
オレが欲しいのは、こんなんじゃない。
オレは、このまま眞壁と一緒にいるのが辛くて個室を出ると、帰宅するために駐輪所に向かった。
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