異世界極道 ~ドタマ弾かれたら勇者になりました~

怜悧(サトシ)

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「ッ、かしらっ、危ねェ!!」

敵の撃鉄の音が響いた瞬間、身体が勝手に動いていた。自分より大きく逞しい体にぶつかり、飛んでくる弾が目の前に迫る。
いきなりの襲撃だ。
「ーー若頭ァァァ!!!」
「バッカ野郎、佐賀!!!!」
まるで、スローモーションのように周りの動きがゆっくりと動いて見える。
組長の怒号と、周りの奴らの声が響くがオレにはこの弾を避けることはできない。

ああ、コレで終わりなんだな。

やけに周りが静かで、鉄の弾が目の前ではじけ飛ぶ音が聞こえて目を見開く。
思えば、馬鹿ばかりしてきた人生だった。
笑えてしまうくらい、何も無い。
ああ、そうだ、嫁と子供が居たな。
多分アイツなら、充分1人でやっていけるし、そもそも何故オレと結婚したのかすら分からないし、理解できないし。
夫婦生活に不満があったわけでもない。
女として見たことすらない。
政略結婚、だったのか。それすらもよく分からない。


周りがぶわわとオレンジ色の光に包まれる。
身体が焼けるように熱い。
撃たれたのだなと、客観的に思う。火花が散るように全身が痺れて動かなくなる。

これが、死か?
べしゃっと硬く冷たい床に叩きつけられ、目を開けると今まで居た組の和室ではない。
組長も近くにはいない。

天国、にしてはやけに薄暗い。

まあ、オレが天国に行けるなんてありえないが。
肌寒くて震える身体を起こして、床を見ると、幾何学模様がほの薄青に光り、周りにはまるでアニメか何かの魔法使いが持っているような、杖を掲げたフードを被った男達が取り囲んでいた。 

「天女の証を背に刻みし勇者」
「召喚成功か」

知らない言葉を話しているはずなのに、まるで翻訳機能が頭に内蔵されているかのように、直接意味が流れこんでくる。
「屈強そうだが、歳がいっているな」
フードの男は、オレに近づき顔を覗き込む。
「いや失敗だ。悪魔の花の証も腕に刻まれている」
男はオレの腕を掴み
美しく彫られた牡丹の花を指さした。

「なんと!淫魔か」
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