149 / 169
番外編:衆人環視
1
しおりを挟む
「は、何考えてんの」
呆れた表情を浮かべて虎王は俺の顔をじっと見返す。
年が明けたが、受験勉強ばかりでどうも欲求不満とストレスが溜まっている。ついでに、色々溜まっている。
男だからね、仕方ないよね。自慰とか面倒だし、ほっといたら溜まるんだよ。貯金と違って溜まり過ぎるとムラムラが収まらなくなる。
「だから……すっげえエロいことしたい」
「……ってもなあ、こんな真冬に公園とか行ったら、試験前なのに風邪ひくだろ」
優しく諭してくれる虎王は、本当に気遣いのたまもので、普通に嬉しいのだが今俺が欲しいのはそれじゃない。
「……だめ?」
ちょっとキモいかもしれないが、首を傾げて問いかけると、ギリギリと奥歯を噛んで虎王も眉を寄せる。
怒ったのか。
たまには我儘いってみたのだが、まずかったかな。
夏に公園でいたした夜の青姦が気持ち良すぎて、もう一度したいとねだってみたのだ。
「……人がいりゃいいのか」
不機嫌そうな面をして、虎王は俺の顎先を掴んで問いかける。
「怒るなら、別にしねえでいいし」
「怒ってはいねえけど……、ちょっとエッチいシュチュエーション考えるけど……とりあえず、さみいからここに人呼ぶよ」
はーっとため息をつく虎王は、ノリ気なのか怒っているのかイマイチ判断出来ず、俺は頷いた。
虎王のマンションだが、ここに人を呼ぶ気なのだろうか。
スマホで何やら連絡をしている後ろ姿を見る眺めて、自分で言い出したのに不安になっている。
公園なら知らない奴らだろうし、後には響かないだろうけど、虎王の知り合いなら自分の知り合いの可能性もあり、何だか落ち着かない。
なんだか、やっぱし止めようとか言えないし。
などと柄にもなく怖じ気づいていると、通話を切って虎王がこちらに戻ってくる。
「……呼んだけど」
「知ってる人か?」
「まあ、オレあんまし顔は広くないし、自分が呼んで来てくれる人なんて限られてるだろ」
言い方に棘を感じるので、やっぱりあまり機嫌は良くないなと思う。
ちらっと携帯を眺める様子に、やっぱり知り合いなのかと迷いが生じる。確かに、あまり羞恥心はないが、知り合いなのはやはり少し躊躇いがある。
「……あのさ、たけお。やっぱナシとか、あり?謝るからさ」
聞き返すと軽く眉をあげて、ぐいと背中に腕を回されて抱き寄せられる。
「駄目。バカなこともう言わないように、ちゃんと言葉に責任とらせないとな」
前言撤回は不可能なようで、横に首を振られて身体を離される。
「あと10分でくるから、とりあえず裸になりなよ」
自分から頼んだので、やっぱりヤダとは言えずに俺はソファーから立ち上がると上着とシャツを脱いで、ズボンのベルトに手をかける。
イヤだとは思っていても、溜めに溜めた欲求にかすでに下半身は準備万端である。
からかわれるだろうな。
「やっぱり怒ってるんじゃねえか」
「まあ、オレだけのセックスじゃあ物足りないっていわれたわけだし……ちょっとはな」
「そういう意味じゃねえよ」
虎王はすっかり拗ねてしまっているようで、簡単には許しては貰えなそうだなと思い、諦めてズボンを脱いで全裸を晒した。
「嫌がる割には、びしょびしょじゃん」
思っていた通りに虎王にからかわれて、腕をとられて背中に回される。
「逃げないように紐で縛るな」
親指だけを合わせてぐるぐると拘束するが、痛くはないがそれだけで自由がきかない。
「逃げないし。……なんか、顔が怖えぇよ」
「怒ってるからな。あたりまえだろ。ほら士龍、体育座りして」
言われる通りにリビングのフロアに腰を落として、足を曲げて座る。
「後で痒くなるかもしれないけど、いいよね」
問いかけられて頷くと、膝を折った体勢のままガムテープで脛と太ももをぐるぐると巻き付ける。
「よし、じゃあそのまま床に腹ばいになってね」
背中をぐっと押し倒されて、尻を突き出すような格好にされる。
「ちょっ、と、くるしい」
「なかなかエッチな格好だぜ。見てみるか?」
虎王はニヤと笑いスマホを構えるとシャッターをきって、俺にその写真を見せた。
そこには、既に下半身を勃起させて拘束されて欲しがる顔をした俺が俺を見ていた。
呆れた表情を浮かべて虎王は俺の顔をじっと見返す。
年が明けたが、受験勉強ばかりでどうも欲求不満とストレスが溜まっている。ついでに、色々溜まっている。
男だからね、仕方ないよね。自慰とか面倒だし、ほっといたら溜まるんだよ。貯金と違って溜まり過ぎるとムラムラが収まらなくなる。
「だから……すっげえエロいことしたい」
「……ってもなあ、こんな真冬に公園とか行ったら、試験前なのに風邪ひくだろ」
優しく諭してくれる虎王は、本当に気遣いのたまもので、普通に嬉しいのだが今俺が欲しいのはそれじゃない。
「……だめ?」
ちょっとキモいかもしれないが、首を傾げて問いかけると、ギリギリと奥歯を噛んで虎王も眉を寄せる。
怒ったのか。
たまには我儘いってみたのだが、まずかったかな。
夏に公園でいたした夜の青姦が気持ち良すぎて、もう一度したいとねだってみたのだ。
「……人がいりゃいいのか」
不機嫌そうな面をして、虎王は俺の顎先を掴んで問いかける。
「怒るなら、別にしねえでいいし」
「怒ってはいねえけど……、ちょっとエッチいシュチュエーション考えるけど……とりあえず、さみいからここに人呼ぶよ」
はーっとため息をつく虎王は、ノリ気なのか怒っているのかイマイチ判断出来ず、俺は頷いた。
虎王のマンションだが、ここに人を呼ぶ気なのだろうか。
スマホで何やら連絡をしている後ろ姿を見る眺めて、自分で言い出したのに不安になっている。
公園なら知らない奴らだろうし、後には響かないだろうけど、虎王の知り合いなら自分の知り合いの可能性もあり、何だか落ち着かない。
なんだか、やっぱし止めようとか言えないし。
などと柄にもなく怖じ気づいていると、通話を切って虎王がこちらに戻ってくる。
「……呼んだけど」
「知ってる人か?」
「まあ、オレあんまし顔は広くないし、自分が呼んで来てくれる人なんて限られてるだろ」
言い方に棘を感じるので、やっぱりあまり機嫌は良くないなと思う。
ちらっと携帯を眺める様子に、やっぱり知り合いなのかと迷いが生じる。確かに、あまり羞恥心はないが、知り合いなのはやはり少し躊躇いがある。
「……あのさ、たけお。やっぱナシとか、あり?謝るからさ」
聞き返すと軽く眉をあげて、ぐいと背中に腕を回されて抱き寄せられる。
「駄目。バカなこともう言わないように、ちゃんと言葉に責任とらせないとな」
前言撤回は不可能なようで、横に首を振られて身体を離される。
「あと10分でくるから、とりあえず裸になりなよ」
自分から頼んだので、やっぱりヤダとは言えずに俺はソファーから立ち上がると上着とシャツを脱いで、ズボンのベルトに手をかける。
イヤだとは思っていても、溜めに溜めた欲求にかすでに下半身は準備万端である。
からかわれるだろうな。
「やっぱり怒ってるんじゃねえか」
「まあ、オレだけのセックスじゃあ物足りないっていわれたわけだし……ちょっとはな」
「そういう意味じゃねえよ」
虎王はすっかり拗ねてしまっているようで、簡単には許しては貰えなそうだなと思い、諦めてズボンを脱いで全裸を晒した。
「嫌がる割には、びしょびしょじゃん」
思っていた通りに虎王にからかわれて、腕をとられて背中に回される。
「逃げないように紐で縛るな」
親指だけを合わせてぐるぐると拘束するが、痛くはないがそれだけで自由がきかない。
「逃げないし。……なんか、顔が怖えぇよ」
「怒ってるからな。あたりまえだろ。ほら士龍、体育座りして」
言われる通りにリビングのフロアに腰を落として、足を曲げて座る。
「後で痒くなるかもしれないけど、いいよね」
問いかけられて頷くと、膝を折った体勢のままガムテープで脛と太ももをぐるぐると巻き付ける。
「よし、じゃあそのまま床に腹ばいになってね」
背中をぐっと押し倒されて、尻を突き出すような格好にされる。
「ちょっ、と、くるしい」
「なかなかエッチな格好だぜ。見てみるか?」
虎王はニヤと笑いスマホを構えるとシャッターをきって、俺にその写真を見せた。
そこには、既に下半身を勃起させて拘束されて欲しがる顔をした俺が俺を見ていた。
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
反抗期真っ只中のヤンキー中学生君が、トイレのない課外授業でお漏らしするよ
こじらせた処女
BL
3時間目のホームルームが学校外だということを聞いていなかった矢場健。2時間目の数学の延長で休み時間も爆睡をかまし、終わり側担任の斉藤に叩き起こされる形で公園に連れてこられてしまう。トイレに行きたかった(それもかなり)彼は、バックれるフリをして案内板に行き、トイレの場所を探すも、見つからず…?
俺たちの××
怜悧(サトシ)
BL
美形ドS×最強不良 幼馴染み ヤンキー受 男前受 ※R18
地元じゃ敵なしの幼馴染みコンビ。
ある日、最強と呼ばれている俺が普通に部屋でAV鑑賞をしていたら、殴られ、信頼していた相棒に監禁されるハメになったが……。
18R 高校生、不良受、拘束、監禁、鬼畜、SM、モブレあり
※は18R (注)はスカトロジーあり♡
表紙は藤岡さんより♡
■長谷川 東流(17歳)
182cm 78kg
脱色しすぎで灰色の髪の毛、硬めのツンツンヘア、切れ長のキツイツリ目。
喧嘩は強すぎて敵う相手はなし。進学校の北高に通ってはいるが、万年赤点。思考回路は単純、天然。
子供の頃から美少年だった康史を守るうちにいつの間にか地元の喧嘩王と呼ばれ、北高の鬼のハセガワと周囲では恐れられている。(アダ名はあまり呼ばれてないが鬼平)
■日高康史(18歳)
175cm 69kg
東流の相棒。赤茶色の天然パーマ、タレ目に泣きボクロ。かなりの美形で、東流が一緒にいないときはよくモデル事務所などにスカウトなどされるほど。
小さいころから一途に東流を思ってきたが、ついに爆発。
SM拘束物フェチ。
周りからはイケメン王子と呼ばれているが、脳内変態のため、いろいろかなり残念王子。
■野口誠士(18歳)
185cm 74kg
2人の親友。
角刈りで黒髪。無骨そうだが、基本軽い。
空手の国体選手。スポーツマンだがいろいろ寛容。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる