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番外編:予備校にいこう
5(司サイド)
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眞壁君から住所と地図を交換したメールでもらって、僕とアツヤは日本邸宅のすごい豪邸に恐る恐る入る。
脇にある別宅の方と書いてあるが、それでも普通の一戸建てのようだ。
「なあ、眞壁君って、相当なおぼっちゃま?」
「まさか、ヤクザの家ってわけじゃないよな」
アツヤは周りを気にしながら、インターホンを押すと、いつもの制服ではなくてラフな格好をした眞壁君がガラガラと扉を開けて出てくる。
制服の時は威圧感ばかり感じたが、ラフでかなりオシャレな服のせいか、まるでファッション誌から出てきたようなモデルみたいで、すごくイケメンに見えた。
いらっしゃいとにこやかな笑顔とどうぞと中に通され、二階の部屋に案内される。
どこをどうとっても、あの東高の生徒とは思えない。
部屋も綺麗に整頓されていて、本棚には受験用の教本やら赤本やらが整然と並んでいる。
「マジかよ、シローってば医学部狙い?!」
並んでいる赤本をガン見して、アツヤは驚いてわめく。
「そうそう。医学部いきたいんだよ。だから、理数はかなり底上げしないとなんだよね」
座卓を取り出して組み立てながら、眞壁は今日勉強したいといっていた解析の本を取り出す。
「数学は司の得意分野だからね。俺も一緒に教わろうっと」
アツヤは場所を確保して、教科書をバッグから引っ張りだす。
「東高の人たちって、部屋に鉄パイプあると信じてたけど、シローの部屋にはそういう物騒な武器はないね」
アツヤは堂々と失礼なことを言いながら、教科書のページをめくっていく。
眞壁は笑いながら、同じページを探して知りたいところにチェックをつけながら、少しも気を悪くした様子もなく、
「んー、鉄パイプは重いからね動きにくいし邪魔だもん。俺は昔から拳一筋だよ。重くないし荷物にもならないし。たまーに骨折するくらい」
ていうかマジレス過ぎる。
どこまで本気かわからない口調でこたえて、僕にむきなおる。
やっぱり、ケンカとか本当にしているんだな。
そう思うのと、世界が違うような気がする。
「なあ司、この問題すっごく解くのがめんどくさいんだけど、これにも定理とかってあるのか?」
真剣な顔で問いかける様子に、教本を見やって指された式を読むと、1から全ての式を出して解いている。
これじゃ、いつまでたっても答えはでないんじゃ、と思いながら解をみると、合っている。
「これ、何時間かかったの?」
「30分くらいだけど、なんか、スゲーめんどくさいからさー。1問解いたら頭がヘロヘロになっちゃう」
ケロッとした顔で言われて、思わず目を見張る。
1からって計算早すぎるだろ。
「これは、この定理に当てはめたらすぐにでるんだけど」
さらさらと定理の公式を書くと、真壁はすぐに隣の問題をときはじめて解を出す。
「マジで、か。うわ。やべー、見ただけで解けるじゃん。スゲーな!ありがとう、司!!カッコイイ!」
僕からすると、見ただけ答えが出る、眞壁君の方がスゲーんだけど。
トントントン
ドアのノックが聞こえる。
「お母さん?」
勉強会といえば、オヤツをもってくるお母さんは定番だ。
眞壁は、あーっと言って首を振る。
「かーちゃんは、いつも仕事だから。えーと、ね、俺のおとうと」
ちょっと答えにつまりつつも、眞壁は答えてすぐに部屋のドアを開ける。
「ちわ。……ジュースとお菓子もってきたぞ」
軽く頭を下げて定番のお盆に載せた飲みものを運んでくる。
真壁に負けずとも劣らないくらいの長身と、真っ赤な髪。
どっかでみたことが、あるような。
僕が思い出す前に、ガタンとアツヤが腰を浮かして震える声を絞り出した。
「と、富田、さん?!」
脇にある別宅の方と書いてあるが、それでも普通の一戸建てのようだ。
「なあ、眞壁君って、相当なおぼっちゃま?」
「まさか、ヤクザの家ってわけじゃないよな」
アツヤは周りを気にしながら、インターホンを押すと、いつもの制服ではなくてラフな格好をした眞壁君がガラガラと扉を開けて出てくる。
制服の時は威圧感ばかり感じたが、ラフでかなりオシャレな服のせいか、まるでファッション誌から出てきたようなモデルみたいで、すごくイケメンに見えた。
いらっしゃいとにこやかな笑顔とどうぞと中に通され、二階の部屋に案内される。
どこをどうとっても、あの東高の生徒とは思えない。
部屋も綺麗に整頓されていて、本棚には受験用の教本やら赤本やらが整然と並んでいる。
「マジかよ、シローってば医学部狙い?!」
並んでいる赤本をガン見して、アツヤは驚いてわめく。
「そうそう。医学部いきたいんだよ。だから、理数はかなり底上げしないとなんだよね」
座卓を取り出して組み立てながら、眞壁は今日勉強したいといっていた解析の本を取り出す。
「数学は司の得意分野だからね。俺も一緒に教わろうっと」
アツヤは場所を確保して、教科書をバッグから引っ張りだす。
「東高の人たちって、部屋に鉄パイプあると信じてたけど、シローの部屋にはそういう物騒な武器はないね」
アツヤは堂々と失礼なことを言いながら、教科書のページをめくっていく。
眞壁は笑いながら、同じページを探して知りたいところにチェックをつけながら、少しも気を悪くした様子もなく、
「んー、鉄パイプは重いからね動きにくいし邪魔だもん。俺は昔から拳一筋だよ。重くないし荷物にもならないし。たまーに骨折するくらい」
ていうかマジレス過ぎる。
どこまで本気かわからない口調でこたえて、僕にむきなおる。
やっぱり、ケンカとか本当にしているんだな。
そう思うのと、世界が違うような気がする。
「なあ司、この問題すっごく解くのがめんどくさいんだけど、これにも定理とかってあるのか?」
真剣な顔で問いかける様子に、教本を見やって指された式を読むと、1から全ての式を出して解いている。
これじゃ、いつまでたっても答えはでないんじゃ、と思いながら解をみると、合っている。
「これ、何時間かかったの?」
「30分くらいだけど、なんか、スゲーめんどくさいからさー。1問解いたら頭がヘロヘロになっちゃう」
ケロッとした顔で言われて、思わず目を見張る。
1からって計算早すぎるだろ。
「これは、この定理に当てはめたらすぐにでるんだけど」
さらさらと定理の公式を書くと、真壁はすぐに隣の問題をときはじめて解を出す。
「マジで、か。うわ。やべー、見ただけで解けるじゃん。スゲーな!ありがとう、司!!カッコイイ!」
僕からすると、見ただけ答えが出る、眞壁君の方がスゲーんだけど。
トントントン
ドアのノックが聞こえる。
「お母さん?」
勉強会といえば、オヤツをもってくるお母さんは定番だ。
眞壁は、あーっと言って首を振る。
「かーちゃんは、いつも仕事だから。えーと、ね、俺のおとうと」
ちょっと答えにつまりつつも、眞壁は答えてすぐに部屋のドアを開ける。
「ちわ。……ジュースとお菓子もってきたぞ」
軽く頭を下げて定番のお盆に載せた飲みものを運んでくる。
真壁に負けずとも劣らないくらいの長身と、真っ赤な髪。
どっかでみたことが、あるような。
僕が思い出す前に、ガタンとアツヤが腰を浮かして震える声を絞り出した。
「と、富田、さん?!」
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