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番外編:予備校にいこう
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とりあえずどうにか受験生らしい授業を受けて、ざっと渡された授業の時間を確認する。
21時まではしっかり通常授業があるようで、それ以降の時間で補講をするらしい。補講は受けたいけど遅い時間になると色々大変だ。
3年間勉強をサボったブランクは、やっぱり細かいとこにでてきてる。
スケジュールをスマホに打ち込んで、教科書を片付ける。
北高の教科書を、大学生になったダチのヤッちゃんからもらったので改めて買いたさないですんで助かった。
受験に役に立つ教科書なんか、うちのガッコじゃ使わないしな。
「あ、司、さっきの3番の問題のとこって分かったか?なんか考えれば考えるほど深みにハマっちまってさ」
仲良くなった隣の席の司に聞くと、ちらちらと司は周りを気にしているようだ。
んー、やっぱり目立つのがイヤなんかな。
話しかけるのも控えたほうがいいかな。
「あ、それは僕も難しかったよ。そこは。区分求積法を使っていけば、解けるはずだよ」
「くぶんきゅーせきほ?」
俺は、小学の半分はドイツで過ごしたので、新しい言葉とかは苦手である。
わせーえーごとか、カタカナも苦手だ。
「定理とか使わないの?」
「まだ教わってねーから、これから定理覚えないとだな。ありがとう、探してみんよ」
「2年で定理くらいは覚えてないと、間に合わないよ。何してたの、いままで」
びっくりしたような顔をする司に、まあ、そりゃそうだなと思う。
「まあ、うん。なんもしてなかったし、勉強始めたのも2週間前だし。一気に追いつかないとなぁ」
「2週間で、このクラスって。…………なんていうか、とんでもないね」
驚かれるが、俺としては授業についてくのがやっとな感じなんだけどな。
こりゃ、必死こかないとな。
俺はでかいバックを肩にかけて立ち上がる。
「なあ、加藤、その人クラス間違えじゃなかったの?」
司の友達らしい奴らが、まとまってこっちにやってくる。
「あ、うん。Aクラスのカード持ってるから、間違えじゃなかったよ」
「いきなり、教えてあげてくるっていっちゃいからビビったよ」
わらわらとくる奴らに俺は軽く頭をさげた。
「うわ、マジで金髪なんだ。すごいな」
司と話していることで、俺へのハードルが下がったのかそいつらは俺の頭を見上げてくる。
「クォーターだから、これは地毛なんだよ。目もちょっぴり緑でしょ」
教えてあげるとなんだ地毛なのかと、少し場がなごむ。
あんまりビビられてもやりにくいし、初日が大事だよな。
「帰国子女?あんまり高校詳しくなくて、間違えて東高に入った感じなのか」
「いや、小学生の時に日本に帰ってきたよ。あまり、日本語はうまくねーけどね。やっぱり、東高の制服ってこわいイメージ?」
まあ、確かに、この3年間は乱闘しかしてないし。よく考えても、基本乱闘しかしてないよな。うん。
普通の高校とは違う気がする。
「まあ、確かに怖いけど。目があったら、カツアゲされそうだし。だけど、アンタは違う気がする」
その中の中心らしい快活そうな男が、俺を見て笑って言った。
「もしかして、いじめられてない?大丈夫?」
元いじめられっ子のオーラを感じ取られたのか、そいつは笑いながら呟く。
「え、わかる?じゃあ、東高に助けにきてよ」
笑いながら返すと、そいつは面白がるように笑い、
「ムリムリ、しんじゃう!!名前、教えて。俺、新庄あつや、司の幼なじみ。南高生、クラスはBだけどね」
「俺は、眞壁士龍。シローって呼んで」
「シローね。東高で進学とか珍しいんじゃないの?」
面白いものでも見つけたように、寄ってくるクラスメイトに、なんだか久しぶりに嬉しくなる。
「そうだね。みんな、俺が頑張って勉強するのを邪魔するしなー。あ、でも、いーやつばっかだよ」
遊びたいさかりだから、ノリが悪い俺にみんな拗ねてたりもする。
「大丈夫?それって、いじめられてるんじゃないのかよ。はは、いーやつとか。なんだよ、シローちゃん、見た目と違いすぎで可愛いーなー」
アツヤはぽんぽんと気安い態度で俺の肩を叩く。
「へへ。明日の予習しなきゃだから、そろそろ帰るわ。司、また、明日よろしくね」
司とアツヤとその周辺のひとたちに、手を振っで俺はウキウキしながら原付のカギを振り回して部屋を出ていった。
21時まではしっかり通常授業があるようで、それ以降の時間で補講をするらしい。補講は受けたいけど遅い時間になると色々大変だ。
3年間勉強をサボったブランクは、やっぱり細かいとこにでてきてる。
スケジュールをスマホに打ち込んで、教科書を片付ける。
北高の教科書を、大学生になったダチのヤッちゃんからもらったので改めて買いたさないですんで助かった。
受験に役に立つ教科書なんか、うちのガッコじゃ使わないしな。
「あ、司、さっきの3番の問題のとこって分かったか?なんか考えれば考えるほど深みにハマっちまってさ」
仲良くなった隣の席の司に聞くと、ちらちらと司は周りを気にしているようだ。
んー、やっぱり目立つのがイヤなんかな。
話しかけるのも控えたほうがいいかな。
「あ、それは僕も難しかったよ。そこは。区分求積法を使っていけば、解けるはずだよ」
「くぶんきゅーせきほ?」
俺は、小学の半分はドイツで過ごしたので、新しい言葉とかは苦手である。
わせーえーごとか、カタカナも苦手だ。
「定理とか使わないの?」
「まだ教わってねーから、これから定理覚えないとだな。ありがとう、探してみんよ」
「2年で定理くらいは覚えてないと、間に合わないよ。何してたの、いままで」
びっくりしたような顔をする司に、まあ、そりゃそうだなと思う。
「まあ、うん。なんもしてなかったし、勉強始めたのも2週間前だし。一気に追いつかないとなぁ」
「2週間で、このクラスって。…………なんていうか、とんでもないね」
驚かれるが、俺としては授業についてくのがやっとな感じなんだけどな。
こりゃ、必死こかないとな。
俺はでかいバックを肩にかけて立ち上がる。
「なあ、加藤、その人クラス間違えじゃなかったの?」
司の友達らしい奴らが、まとまってこっちにやってくる。
「あ、うん。Aクラスのカード持ってるから、間違えじゃなかったよ」
「いきなり、教えてあげてくるっていっちゃいからビビったよ」
わらわらとくる奴らに俺は軽く頭をさげた。
「うわ、マジで金髪なんだ。すごいな」
司と話していることで、俺へのハードルが下がったのかそいつらは俺の頭を見上げてくる。
「クォーターだから、これは地毛なんだよ。目もちょっぴり緑でしょ」
教えてあげるとなんだ地毛なのかと、少し場がなごむ。
あんまりビビられてもやりにくいし、初日が大事だよな。
「帰国子女?あんまり高校詳しくなくて、間違えて東高に入った感じなのか」
「いや、小学生の時に日本に帰ってきたよ。あまり、日本語はうまくねーけどね。やっぱり、東高の制服ってこわいイメージ?」
まあ、確かに、この3年間は乱闘しかしてないし。よく考えても、基本乱闘しかしてないよな。うん。
普通の高校とは違う気がする。
「まあ、確かに怖いけど。目があったら、カツアゲされそうだし。だけど、アンタは違う気がする」
その中の中心らしい快活そうな男が、俺を見て笑って言った。
「もしかして、いじめられてない?大丈夫?」
元いじめられっ子のオーラを感じ取られたのか、そいつは笑いながら呟く。
「え、わかる?じゃあ、東高に助けにきてよ」
笑いながら返すと、そいつは面白がるように笑い、
「ムリムリ、しんじゃう!!名前、教えて。俺、新庄あつや、司の幼なじみ。南高生、クラスはBだけどね」
「俺は、眞壁士龍。シローって呼んで」
「シローね。東高で進学とか珍しいんじゃないの?」
面白いものでも見つけたように、寄ってくるクラスメイトに、なんだか久しぶりに嬉しくなる。
「そうだね。みんな、俺が頑張って勉強するのを邪魔するしなー。あ、でも、いーやつばっかだよ」
遊びたいさかりだから、ノリが悪い俺にみんな拗ねてたりもする。
「大丈夫?それって、いじめられてるんじゃないのかよ。はは、いーやつとか。なんだよ、シローちゃん、見た目と違いすぎで可愛いーなー」
アツヤはぽんぽんと気安い態度で俺の肩を叩く。
「へへ。明日の予習しなきゃだから、そろそろ帰るわ。司、また、明日よろしくね」
司とアツヤとその周辺のひとたちに、手を振っで俺はウキウキしながら原付のカギを振り回して部屋を出ていった。
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