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愛裸武勇
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漸く意識を取り戻した時には、すでに虎王は俺の後始末やら布団の入れ替えやら全てをすませて、俺の惚けた表情をずっと眺めていたようだ。
声はガラガラだし、全身の脱力感が半端ないが、胃のムカムカはとれていて、心地のいいだるさだけが残っている。
「……たけお、…………あのさ……」
「ん?なんだよ、士龍。まだ、足りない?」
足りないなんてことはない。心も身体も満タンになっている。
「いや、さすがに充分。声もおかしくなってっし……」
「士龍はひんひん鳴き過ぎだぜ。まあ、すげぇ可愛かったけどさ。顔真っ赤にしてるから、おねだりかと思った」
顔をくっつけてマジマジ言われると、流石に羞恥心がお出かけ中でもひょっこり帰ってくる。
ずっと傍にいてくれるなら、俺は、きちんと約束をしなおしたいと思った。これからのことや、今後のこともきちんと話をしなきゃいけない。
「俺、橘の家に戻るよ。だから、一緒に、きてくれないか?」
「……どういう意味?」
声のトーンが少し低くなって、不審がるような目を向ける。
ちょっと話が単刀直入過ぎたかもしれない。
「オマエをもらうわけだから、病院もちゃんと継ぎたいと思う。もちろん、オマエの弟が一人前になるまでだけど。そのためには、オマエと一緒の苗字を名乗りたい」
「別に、橘じゃなくてもいいだろ。オヤジにでも頼まれたのかよ、そういうのイヤなんだけど」
虎王の声が、冷たく尖って響く。
「いや、俺の考えだ。名前なんかどうでもいいかもしれないけど。オマエとずっと一緒にいたくて、その証が欲しい」
虎王は目を閉じて葛藤しているのか、しばらく黙り込んで俺の肩に頭を載せる。
「なんで?オレが眞壁の苗字になるんじゃ駄目なの」
「オマエを俺の養子にとかも考えたけど、それはオマエの母親の反対があるだろう。俺だけ橘に戻っても、オマエの母親は警戒するだろ?オマエは医者にならないだろうし」
虎王はしばらく黙り込んだ。
名前の話は、別に重要なことじゃない。虎王の言うように、父から頼まれたっていうのは少しはあるが、気持ち以外の繋がりも欲しいとは思ったのだ。
「オレはバカだから、手伝えない」
「看護士とか、してくんないかなあ」
虎王の甲斐甲斐しさは、看護士向きだと思う。
「これは、プロポーズだからな」
「あんまり色気ないな」
「なんて言ったらいいかわからなくてさ。二十歳になったら、俺は橘に復籍するから、先にたけおが入ってて欲しいなって」
「復籍とかできんのか?」
「二十歳から一年間は出来るって話。来年の話だからそろそろ考えたかった。揉めずに誰も傷つかない方法だと思ったんだ」
いろいろ考えたが、たぶん未成年のうちは無理だろう。
「別になりたい職業もない。オヤジの病院なら、就職浪人もしねえだろうし、看護婦に囲まれてるアンタが心配だ」
虎王は俺の体にギュッと密着してくる。
「その心配はないだろ。俺は、たけおにゾッコンなんだぞ。あ、でも、看護士は資格とるのに専門学校に入らないとだぞ」
「ああ。優秀なおにーちゃんが、勉強教えてくれんだろ?」
すりすりと体を寄せられて、ふうと俺は吐息をついた。
こんなに体を密着していると、匂いだけでたまらなくなる。
「やっぱり、足りなかった?」
違うと言いたかったが、俺の下半身はすっかり勃起していて、思わず頷くしかなかった。
「ケガ人は無理しちゃ駄目だぞ」
虎王は笑いながら、既に硬くなった俺のペニスを撫でて、唇をちゅっと吸い上げると、そのまま第二ラウンドへと突入したのだった。
声はガラガラだし、全身の脱力感が半端ないが、胃のムカムカはとれていて、心地のいいだるさだけが残っている。
「……たけお、…………あのさ……」
「ん?なんだよ、士龍。まだ、足りない?」
足りないなんてことはない。心も身体も満タンになっている。
「いや、さすがに充分。声もおかしくなってっし……」
「士龍はひんひん鳴き過ぎだぜ。まあ、すげぇ可愛かったけどさ。顔真っ赤にしてるから、おねだりかと思った」
顔をくっつけてマジマジ言われると、流石に羞恥心がお出かけ中でもひょっこり帰ってくる。
ずっと傍にいてくれるなら、俺は、きちんと約束をしなおしたいと思った。これからのことや、今後のこともきちんと話をしなきゃいけない。
「俺、橘の家に戻るよ。だから、一緒に、きてくれないか?」
「……どういう意味?」
声のトーンが少し低くなって、不審がるような目を向ける。
ちょっと話が単刀直入過ぎたかもしれない。
「オマエをもらうわけだから、病院もちゃんと継ぎたいと思う。もちろん、オマエの弟が一人前になるまでだけど。そのためには、オマエと一緒の苗字を名乗りたい」
「別に、橘じゃなくてもいいだろ。オヤジにでも頼まれたのかよ、そういうのイヤなんだけど」
虎王の声が、冷たく尖って響く。
「いや、俺の考えだ。名前なんかどうでもいいかもしれないけど。オマエとずっと一緒にいたくて、その証が欲しい」
虎王は目を閉じて葛藤しているのか、しばらく黙り込んで俺の肩に頭を載せる。
「なんで?オレが眞壁の苗字になるんじゃ駄目なの」
「オマエを俺の養子にとかも考えたけど、それはオマエの母親の反対があるだろう。俺だけ橘に戻っても、オマエの母親は警戒するだろ?オマエは医者にならないだろうし」
虎王はしばらく黙り込んだ。
名前の話は、別に重要なことじゃない。虎王の言うように、父から頼まれたっていうのは少しはあるが、気持ち以外の繋がりも欲しいとは思ったのだ。
「オレはバカだから、手伝えない」
「看護士とか、してくんないかなあ」
虎王の甲斐甲斐しさは、看護士向きだと思う。
「これは、プロポーズだからな」
「あんまり色気ないな」
「なんて言ったらいいかわからなくてさ。二十歳になったら、俺は橘に復籍するから、先にたけおが入ってて欲しいなって」
「復籍とかできんのか?」
「二十歳から一年間は出来るって話。来年の話だからそろそろ考えたかった。揉めずに誰も傷つかない方法だと思ったんだ」
いろいろ考えたが、たぶん未成年のうちは無理だろう。
「別になりたい職業もない。オヤジの病院なら、就職浪人もしねえだろうし、看護婦に囲まれてるアンタが心配だ」
虎王は俺の体にギュッと密着してくる。
「その心配はないだろ。俺は、たけおにゾッコンなんだぞ。あ、でも、看護士は資格とるのに専門学校に入らないとだぞ」
「ああ。優秀なおにーちゃんが、勉強教えてくれんだろ?」
すりすりと体を寄せられて、ふうと俺は吐息をついた。
こんなに体を密着していると、匂いだけでたまらなくなる。
「やっぱり、足りなかった?」
違うと言いたかったが、俺の下半身はすっかり勃起していて、思わず頷くしかなかった。
「ケガ人は無理しちゃ駄目だぞ」
虎王は笑いながら、既に硬くなった俺のペニスを撫でて、唇をちゅっと吸い上げると、そのまま第二ラウンドへと突入したのだった。
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