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密月陽炎
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「士龍さ、昔、オレの家にきた?」
唐突に問われて、俺は少し目を見張る。
そういえば、日本に来たばかりの頃、父の後をつけていったことがあった。
庭に入り込んで、その家の男の子に会った覚えはある。
「あんま憶えてねえけど、行った気がする」
なんか話したけど、内容は憶えてない。
くちゃくちゃと耳を食べられて、頭が追いつかなくなる。
「日高さんが見せてくれたアルバムの写真見て確信したけど。やっぱ、あの時の天使は士龍だったんだな」
嬉しそうに低く笑うと俺のパンツを下着ごと降ろして、ソファの隣に腰を降ろす。
「天使?」
「だと思ったんだよ、雪が降ったクリスマスイブに、天使が空から落ちてきた」
顔に似合わずファンタジーなことを言い出す虎王に、俺は少し意外だなと思いながら視線を向ける。
父を見つけて庭に入ろうと塀を登って、降りようとしたら足を滑らせて落ちた記憶はある。
空から降ってきた……とか。
「塀から落ちたんだよ、確か」
「オレの初恋だったんだよ。凄く可愛い天使。だから、前にアンタに妹はいないのかって聞いたんだけどさ。何のことはない、アンタだったんだな。初恋は叶わないっていうけど、オレの場合はかなったな」
万感の思いで俺を押し倒してくる虎王に抱き寄せられて、複雑なキモチで見上げる。
あんまり覚えてなくてなんだか申し訳ないきもちで、俺は虎王をそっと抱き返した。
ドイツから日本に帰ったばかりで、まだ、日本語は上手くはなせなかったから、なんて話したのかも覚えてない。
もしかしたら日本語しゃべってないかもしれない。
いまでも、ドイツ語の方がうまいと思う。
くちゃくちゃと耳を傾けしゃぶられ、熱くなってくる脳みそが気だるくて、虎王の体温に頭を埋めていると、ゆっくりと指先が髪を撫でるように梳く。
「髪、地毛の方がいいんじゃね」
脱色したほうがまだ日本人ぽいし、ただのヤンキーだと思われた方が良かった。
だから、髪が痛むけど定期的に脱色してた。
「……たけおが、そっちが好きなら、脱色しないよ」
「なんだよ、そりゃあ」
昔は天使とか美少年とか言われて、好奇の目で見られたし、そんな記憶は全部消したくて、髪も痛めつけた。
「俺は好きじゃねーんだ、あのころの姿とか」
トール君に助けてもらうまでは、見た目でのイジメにはよくあってたし。
ガキのころのイジメはトラウマになる。
力もなくてイジメられてテンパッてた俺は、クラスの男子には格好の標的だった。
「じゃあ、オレだけのために、キライな姿になってくれるっての?」
「違うよ。たけおが好きって言うなら、なんだか俺も好きになれそうだからさ」
そう言った瞬間、強く抱き寄せられる。
勃起したままのちんこを握られて、俺は体をキュッと硬直させる。
「ほんと、シロウは天然のタラシだよな」
「ち、っと、たらされてンのは俺の方だろ、、っは、ァ」
乳首も柔らかく唇で挟まれ、ペニスを擦る指の動きにぐつぐつ体の中から煮溶かされてちまうように沸騰してしまう。
「でも、逃げられちまわないかって、心配で仕方ないから、士龍がオレから離れられねえようにしなきゃって……俺の方がずっと焦ってる」
唐突に問われて、俺は少し目を見張る。
そういえば、日本に来たばかりの頃、父の後をつけていったことがあった。
庭に入り込んで、その家の男の子に会った覚えはある。
「あんま憶えてねえけど、行った気がする」
なんか話したけど、内容は憶えてない。
くちゃくちゃと耳を食べられて、頭が追いつかなくなる。
「日高さんが見せてくれたアルバムの写真見て確信したけど。やっぱ、あの時の天使は士龍だったんだな」
嬉しそうに低く笑うと俺のパンツを下着ごと降ろして、ソファの隣に腰を降ろす。
「天使?」
「だと思ったんだよ、雪が降ったクリスマスイブに、天使が空から落ちてきた」
顔に似合わずファンタジーなことを言い出す虎王に、俺は少し意外だなと思いながら視線を向ける。
父を見つけて庭に入ろうと塀を登って、降りようとしたら足を滑らせて落ちた記憶はある。
空から降ってきた……とか。
「塀から落ちたんだよ、確か」
「オレの初恋だったんだよ。凄く可愛い天使。だから、前にアンタに妹はいないのかって聞いたんだけどさ。何のことはない、アンタだったんだな。初恋は叶わないっていうけど、オレの場合はかなったな」
万感の思いで俺を押し倒してくる虎王に抱き寄せられて、複雑なキモチで見上げる。
あんまり覚えてなくてなんだか申し訳ないきもちで、俺は虎王をそっと抱き返した。
ドイツから日本に帰ったばかりで、まだ、日本語は上手くはなせなかったから、なんて話したのかも覚えてない。
もしかしたら日本語しゃべってないかもしれない。
いまでも、ドイツ語の方がうまいと思う。
くちゃくちゃと耳を傾けしゃぶられ、熱くなってくる脳みそが気だるくて、虎王の体温に頭を埋めていると、ゆっくりと指先が髪を撫でるように梳く。
「髪、地毛の方がいいんじゃね」
脱色したほうがまだ日本人ぽいし、ただのヤンキーだと思われた方が良かった。
だから、髪が痛むけど定期的に脱色してた。
「……たけおが、そっちが好きなら、脱色しないよ」
「なんだよ、そりゃあ」
昔は天使とか美少年とか言われて、好奇の目で見られたし、そんな記憶は全部消したくて、髪も痛めつけた。
「俺は好きじゃねーんだ、あのころの姿とか」
トール君に助けてもらうまでは、見た目でのイジメにはよくあってたし。
ガキのころのイジメはトラウマになる。
力もなくてイジメられてテンパッてた俺は、クラスの男子には格好の標的だった。
「じゃあ、オレだけのために、キライな姿になってくれるっての?」
「違うよ。たけおが好きって言うなら、なんだか俺も好きになれそうだからさ」
そう言った瞬間、強く抱き寄せられる。
勃起したままのちんこを握られて、俺は体をキュッと硬直させる。
「ほんと、シロウは天然のタラシだよな」
「ち、っと、たらされてンのは俺の方だろ、、っは、ァ」
乳首も柔らかく唇で挟まれ、ペニスを擦る指の動きにぐつぐつ体の中から煮溶かされてちまうように沸騰してしまう。
「でも、逃げられちまわないかって、心配で仕方ないから、士龍がオレから離れられねえようにしなきゃって……俺の方がずっと焦ってる」
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