竜攘虎搏 Side Dragon

塞翁之馬

※79

　イッている俺を見下ろして、虎王はニヤッと人の悪い笑みを刻む。
「はええよ、士龍…………まだまだ先はなげーからな。覚悟しとけよ、おにいちゃん」
　虎王は括っていた指の代わりに亀頭の下あたりをコンドームを紐状にしたので、キュッとしめあげる。
「先にイッたペナルティだ」
「ッや、あ、あ……ああ、あ……たけ、お、っ、…………たけおの、……はやく…………ちょうだい」
「まだ、だあめ。おにーちゃんのもっとやらしいとこみて見たいな」
　虎王がふざけたような口調で言うが、視線が熱をもっていてかなり興奮しているのが分かる。
　俺が兄ちゃんと呼ばれるたびに、虎王は呼ぶたびに背徳感のようなものを味わっているのだろう。
　虎王は俺の手をとると軽く口に含んで、まるでペニスを咥えるようにぴちゃぴちゃと音をたてて舐め、唾液を絡ませる。
「気持ちいい？指先まで感じちゃう？」
　指を舐められた後に、その指をゆっくりと俺のアナルへと押し込んで、前立腺のあたりを擦らせるように動かす。
「あっ、あっ、ああ、きもひ、…………ッく、きもちイイっ、、あ、、ひっ、ひあっ」
　自分の指先だというのに、虎王にコントロールされて脆い箇所を抉る度にびくんびくんと震えて達してしまう。
「おにーちゃん、弟の前でのオナニーは気持ちイイ？」
　意地悪く問いかけられて、兄なのに弟にこんなはしたない姿を晒しているのだということを意識させられるのがなんとなく辛くなってきていた。
「っは、あ、くッ、…………ッあ、んっ、たけおの…………ッ、ちんこはめて、ほしい」
　必死にねだると目の前にすっかり勃起して湯気が出るほど熱をもったペニスを差し出し、俺の唇を顎を掴んで開かせ、無理やり押し込む。
「ンぐ……っんんっふ」
「弟のちんぽ、しゃぶって美味いか？淫乱にーちゃん」
　頭の裏を押さえ込むと咥内をぐいぐいとえぐるように腰をいれて、喉奥の柔らかい箇所をとんとんと叩くので、あまりの苦しさにえづいてしまう。
　こんなに酷い扱いは久しぶりのような気がして、そこに虎王の怒りがあるようで苦しさが辛くて仕方がなかった。
　ぐいと頭を押さえ込まれて無理矢理ぐぷぐぷと突き上げられて、喉の奥へと生ぬるい液体がかけられた。
「ほら、にーちゃん、泣いてねえでしっかりしろよ？指で淫乱な穴を、おっ拡げてやらしくおねだりしてよ」
　ずるっと唇からペニスを引き抜かれて、思わず嗚咽を漏らしてしまうと、虎王は俺の顔を覗き込んでくる。
「た、たけおッ…………たけお、ごめん、おこって、る？」
　かはっかはっと咳き込みつつ、喉にからまった生臭い精液をごくっと飲んで、虎王の顔を見上げると虚を突かれたような表情をして、首を振って俺の頭を抱き寄せた。
「なんだよ。お仕置きなんだから怒ってなんかないし。プレイなんだから…………泣くなよ」
　優しい口調でそう言われると、怒ってなかったのかと安心して、俺は虎王の掌に頭を擦りつけた。