竜攘虎搏 Side Dragon

怜悧(サトシ)

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塞翁之馬

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 軽く叩かれた片脚をあげて、内側を虎王に晒してすべてを見せる。
 丁寧な手つきで内股の間を拭いてくれて、悪戯のようにアナルの淵にタオルが触れて、それだけの刺激でびゅくとペニスから我慢汁が溢れ出してくる。
「なあ、士龍、弟とセックスできんの……?」
 既に虎王に触れられただけで、俺の体はぐずぐずにとろけてしまっていて、期待でペニスからはだらだらと汁を溢れて内股を濡らしてしまっている。
 ゆるゆると熱をもっている縁を焦らすように指でつついて、垂れ堕ちるカウパーをその場所になすりつける。
 諦めさせるためについた嘘。弟だからセックスは、できないと、告げた言葉。
 あの時、酷いことを言ったのは自分なのに、今それに傷ついてしまっている。でも、虎王はもっと傷ついたはずだ。
 弟だと分かっても、俺は欲しかった。欲しくて仕方がないのに、虎王の気持ちを裏切り酷い方法で拒否した。
 責められても仕方がない。
 そう考えると、涙が出そうになる。
「…………アレは嘘だ…………」
 つぷぷっと指が中へと押し込まれて、俺の反応を窺うように虎王は顔を覗き込んでくる。
「嘘つきで、弟とセックスしたいいやらしいお兄ちゃんには、お仕置きしないとな」
 耳元で、虎王は意地悪に俺の勃起したちんこを探り、熱を持った隙間に指を少しだけ押し込んでゆるゆる抜き差ししながら囁く。
 お兄ちゃんの響きには、なんとなく罪悪感みたいなもんが生まれる。
「もう、ちんこどっろどろじゃん、士龍、どんだけ期待してたんだよ」
 期待はしているし、ずっとセックスしたいの我慢してたし。
早く中に欲しくて仕方ない。
 息があがるし、体温もぐわっと上昇してくる。
「オレはもう二度と会えないかもしれねえって…………諦めてたよ」
 まるで食らいつくかのように、獰猛な表情を浮かべて首筋に軽く歯を立てられる。食べられてもいいって思う。
「たけおが風呂入ってるときから、期待してちんこパンパンだった」
 赤い髪が頬に触れて近づいている嬉しさに、俺は鼻面を押し当てて匂いを嗅ぐ。
「ヤラシイにーちゃんだな」
 顔をあげてニヤッと笑う虎王に、俺はたまらなくなって唇を押し当てる。
 どうしたら、いいだろう。
 溢れる気持ちを伝えたい。
 なのに、身体はもう極限で、たまらなくて、イヤラシイだけのモノになり果ててしまっていた。
 唇を乱暴にこじ開ける舌先の動きに、舌をのばしてキュッと絡めると、ざらざらと内部をさぐるように刺激される。
 こらえきれずに腰を押し付けると、虎王は指で輪をつくり俺のペニスの先端を括って堰きとめる。
 唇がはずれて、代わりに指を突っ込まれ舌を二本の指で挟んで口内を弄び、唾液がダラダラと溢れてしまう。
 情けなくも本能のままに、誘うように少しだけ入った指を腰を寄せて深くくわえこもうとする。
「もっとガバッと脚開いてさ、おとうとにちんこ突っ込まれたい場所見せてみなよ?」
 虎王も、兄弟である背徳感に興奮しているのか、俺に弟であることを突きつける。
 俺だけ全裸で、ダラダラよだれ垂らしながらいたぶられているというのに、興奮がさめず、言わられるがままに脚を開いて腰を押し出し、指を食いしめて既にビクついている肛を差し出す。
「すっかり真っ赤になって開いてんだな、エロい穴」
 虎王はふと笑い俺を覗きこむと唇から指を引き抜いて、入れていた指を抜くと、唾液まみれの指を二本ずぷぷぷと音をたててアナルへ押し込む。
「ッぁ、、あっ、ああああ、たけ、おッ、…………ッい、っッぁあっ」
 それだけなのに、俺はビクビク震えて背中を反らして指の輪に遮られて、精液も飛ばさずにドライで達してしまった。
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