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満願成就
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ヤケクソになって怒鳴りつけると、いきなり富田君にガバッと強く抱き寄せられて、タバコを落としそうになる。
「ッ、あぶね……。ヤケドするって。タバコもってんだぞ」
抱きしめられて、身体が期待で疼いてしまい、俺の心は洪水のように泣き崩れちまっている。
気持ちの揺らぎを悟られないように視線を逸らし、俺は深く息を吐き出して、離れろとロにしようとした。
「アンタがッ、嫌いだけど、どうしようもなく好きなんだよッ、わかれよッ」
まるで分からない支離滅裂な言葉を分かれと投げつけられて、思わず目を見開く。
まるでロックしたように、富田君の腕は外れない。
俺は訳が分からず、富田君を見返すしかなかった。
思いもよらない言葉と抱き締められた富田君の身体の熱さに、俺は鳩がマシンガンくらったかのように、目を見開くしかなかった。
思わず落としそうになったタバコを、危ないから灰皿にぐりぐりと押し付けてからベッドヘッドへと置く。
まて、ちょっと、冷静になろう。俺。
流されたら、ダメだ。目先のキモチいいとか、そういうのに騙されたらダメだ。
カラダってのは、大体頭と直結してくる。セックスってのは、人のキモチを左右するのに強力なもんがある。
セックスの最中に、名前なんか呼んじゃった時には、やっぱりキモチをもっていかれる。
このままじゃ不毛だと思って、終わりにしようと告げたのに。
くろろほるむ、だか、すとっくほるむだか、この状況はそういうヤツだから、きっと本当のキモチじゃない。
そう考えて漸く終わろうと言えたのに、今更そんなこと言われても、困るだろ。
富田君も、俺と同じように勘違いだろう。そうに違いないんだから。一旦、冷静になろう。
「…………バカいってんなよ。セックスしてるから、オマエは勘違いしてるだけだぞ」
まだ声も震えていて、引き攣れたように掠れている。
心のどこかで、富田君の勘違いじゃなきゃいいなとか、楽観的に考えたいのだ。
でも、考えるのに疲れすぎちまってて、簡単に受け入れるわけにはいかない。
結構喘いだし、ノドもカラカラだ。
頭もぼんやりしているから、ちゃんと深呼吸しないと。
「勘違いじゃない。そういうのとは、ちげえよ。今更何言ったところで、アンタには信用されるわけねぇけど」
俺の身体に回った富田君の腕が、怯えるように小刻みに震えている。
「イライラして勢いで脅迫なんざしちまったけど、オレはずっとアンタに憧れてた。こんな脅迫だってするつもりじゃなかった。……なんていっても、信じられねえよ、な」
なんだか複雑そうな口調で、必死に俺の耳元で訴える。
富田君が必死なのはわかる。
まあ、脅迫も勢いっぽかったのは分かっていたけど。
「だったら、一体、どうしてえの?俺は、コレ以上続けるつもりなら、…………オマエに、一生責任とらせるぞ」
確かに他の女とセックスするよりも満足するけど、癖になるから困る。
これ以上続けたら多分ホントに戻れる気はしない。一生とか、そんな重たいもん背負わすわけにはいかない。
ぐっと頭を両手で包まれ、顔を富田君側に固定させられ真っ直ぐな視線とかちあう。
「わかった。責任はとる。一生責任とるから、オレとつきあってくれ」
唇が震えていて、表情から緊張感が伝わってくる。
これって、あれだ。まるでプロポーズだろ。
まあ、でも、一生キモチいいならいいような気もする。とか考えてる時点で、俺も大概だよな。
一生懸命な富田君の表情に、なんだか俺の方もたまらなくなってくる。
「ったく、脅迫者から恋人にジョブチェンジしたいっていうのかよ?」
じっと見返すと死刑を待つ囚人のような悲壮な顔で、俺の答えを待つ富田君の様子になんだか胸をつかれる。
「あ……ああ。……ムシがいいのは分かってんだ」
言い募ろうとする富田君の手を握って顔から外させると胸に当てさせ、、俺はゆっくりその唇を吸いあげて、舌先で辿るように舐めてから離す。
「なあ、ドキドキしてるか?」
問いかけると、富田君は今度はこくんと素直に頷いた。
「しょうがねぇな。マカベ神殿がオマエを恋人にジョブチェンジさせてやる」
情が移っちまってるのは、俺も一緒だ。
だったら気持ちがいいほうを選んだ者勝ちじゃねえかな。
「…………士龍、好きだ、好きだ、好きだ」
堰をきったように、好きだを連呼してギュウギュウ抱きしめてくる。
富田君は憎めないし、その前に俺も好きになってたし。
なんだか、今更言うのもなんだかタイミング違うしな。
まあ、好きだと言われるのは気持ちがいい。
頭を胸にくっつけて、ぽろぽろ泣き出す富田君の真っ赤な頭を撫で回して、俺はもう一度唇をくっつけた。
それだけで胸の鼓動が早まって、俺はこいつにドキドキして恋しているんだなと、感じた。
「ッ、あぶね……。ヤケドするって。タバコもってんだぞ」
抱きしめられて、身体が期待で疼いてしまい、俺の心は洪水のように泣き崩れちまっている。
気持ちの揺らぎを悟られないように視線を逸らし、俺は深く息を吐き出して、離れろとロにしようとした。
「アンタがッ、嫌いだけど、どうしようもなく好きなんだよッ、わかれよッ」
まるで分からない支離滅裂な言葉を分かれと投げつけられて、思わず目を見開く。
まるでロックしたように、富田君の腕は外れない。
俺は訳が分からず、富田君を見返すしかなかった。
思いもよらない言葉と抱き締められた富田君の身体の熱さに、俺は鳩がマシンガンくらったかのように、目を見開くしかなかった。
思わず落としそうになったタバコを、危ないから灰皿にぐりぐりと押し付けてからベッドヘッドへと置く。
まて、ちょっと、冷静になろう。俺。
流されたら、ダメだ。目先のキモチいいとか、そういうのに騙されたらダメだ。
カラダってのは、大体頭と直結してくる。セックスってのは、人のキモチを左右するのに強力なもんがある。
セックスの最中に、名前なんか呼んじゃった時には、やっぱりキモチをもっていかれる。
このままじゃ不毛だと思って、終わりにしようと告げたのに。
くろろほるむ、だか、すとっくほるむだか、この状況はそういうヤツだから、きっと本当のキモチじゃない。
そう考えて漸く終わろうと言えたのに、今更そんなこと言われても、困るだろ。
富田君も、俺と同じように勘違いだろう。そうに違いないんだから。一旦、冷静になろう。
「…………バカいってんなよ。セックスしてるから、オマエは勘違いしてるだけだぞ」
まだ声も震えていて、引き攣れたように掠れている。
心のどこかで、富田君の勘違いじゃなきゃいいなとか、楽観的に考えたいのだ。
でも、考えるのに疲れすぎちまってて、簡単に受け入れるわけにはいかない。
結構喘いだし、ノドもカラカラだ。
頭もぼんやりしているから、ちゃんと深呼吸しないと。
「勘違いじゃない。そういうのとは、ちげえよ。今更何言ったところで、アンタには信用されるわけねぇけど」
俺の身体に回った富田君の腕が、怯えるように小刻みに震えている。
「イライラして勢いで脅迫なんざしちまったけど、オレはずっとアンタに憧れてた。こんな脅迫だってするつもりじゃなかった。……なんていっても、信じられねえよ、な」
なんだか複雑そうな口調で、必死に俺の耳元で訴える。
富田君が必死なのはわかる。
まあ、脅迫も勢いっぽかったのは分かっていたけど。
「だったら、一体、どうしてえの?俺は、コレ以上続けるつもりなら、…………オマエに、一生責任とらせるぞ」
確かに他の女とセックスするよりも満足するけど、癖になるから困る。
これ以上続けたら多分ホントに戻れる気はしない。一生とか、そんな重たいもん背負わすわけにはいかない。
ぐっと頭を両手で包まれ、顔を富田君側に固定させられ真っ直ぐな視線とかちあう。
「わかった。責任はとる。一生責任とるから、オレとつきあってくれ」
唇が震えていて、表情から緊張感が伝わってくる。
これって、あれだ。まるでプロポーズだろ。
まあ、でも、一生キモチいいならいいような気もする。とか考えてる時点で、俺も大概だよな。
一生懸命な富田君の表情に、なんだか俺の方もたまらなくなってくる。
「ったく、脅迫者から恋人にジョブチェンジしたいっていうのかよ?」
じっと見返すと死刑を待つ囚人のような悲壮な顔で、俺の答えを待つ富田君の様子になんだか胸をつかれる。
「あ……ああ。……ムシがいいのは分かってんだ」
言い募ろうとする富田君の手を握って顔から外させると胸に当てさせ、、俺はゆっくりその唇を吸いあげて、舌先で辿るように舐めてから離す。
「なあ、ドキドキしてるか?」
問いかけると、富田君は今度はこくんと素直に頷いた。
「しょうがねぇな。マカベ神殿がオマエを恋人にジョブチェンジさせてやる」
情が移っちまってるのは、俺も一緒だ。
だったら気持ちがいいほうを選んだ者勝ちじゃねえかな。
「…………士龍、好きだ、好きだ、好きだ」
堰をきったように、好きだを連呼してギュウギュウ抱きしめてくる。
富田君は憎めないし、その前に俺も好きになってたし。
なんだか、今更言うのもなんだかタイミング違うしな。
まあ、好きだと言われるのは気持ちがいい。
頭を胸にくっつけて、ぽろぽろ泣き出す富田君の真っ赤な頭を撫で回して、俺はもう一度唇をくっつけた。
それだけで胸の鼓動が早まって、俺はこいつにドキドキして恋しているんだなと、感じた。
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