竜攘虎搏 Side Dragon

怜悧(サトシ)

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忘恩不義

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 結構肩も変な感じで固定されていたのか身体の間接の動きに違和感があって、大きく伸びをして体をゴキゴキ鳴らした。
「ん――ッ。…………さてと、俺、ハラ減っちゃった。富田君も、ハラ減ったでしょ?メシ用意するね。今日は俺の得意技のエビフライカレーだよ」
 ベッドから立ち上がると、まだ身体の中にザーメンが残っていたのかとろっと太股を伝って落ちてくる。
 身体は拭いてくれていたのだが、こっちは拭けるのにも限度があったようだ。
「その前にシャワーかな。待ってて、さくっと浴びてくる」
「オイ。アンタは、なんでそんな普通なんだよ。……ッていうか、体痛くねえのか」
「痛くなくヤッてくれたから大丈夫。それに、オマエととのセックスは、すげえ気持ちよかったし」
 待っててねと告げて、俺は富田君を残して部屋を出た。
 
 
 何だか頭もまだふわふわしているけど、気持ちよかったという感覚しか残っていない。
 簡単に身体は拭いてくれていたので、そこまで汚くはなかったが、ざあざあと温かいシャワーを浴びて身体を濯いだ。
 お湯の暖かさと心地よさに目を閉じる。
  身体の中がギシギシとして、なんだかじくじく痛くなってきたような気がする。 
  あまり痛いと言うと富田君が責任を感じてしまう気がして、俺は痛くないとかちょっとだけカッコつけてしまった。
 ヤッてる時は気持ちよさでいっぱいだったが、終わってみると内臓をぶん殴られたような痛みが押し寄せてきた。
 処女喪失ってやつだからかもしれないが、トール君がいうとおりこの行為は頑丈な方がいいだろうな。
 女の子の身体は、それに耐久できるようにできているし、今回使ったのは本来入れる場所じゃない。
  痛みに男子は弱いし、そこの耐久力はないだろう。
 股の間で精液が垂れてくるのが気持ち悪いので、尻を中心にシャワーをあてがって少しづつ濯いだ。
 意識が朦朧としている中で、富田君が体を優しく拭いてくれた気がするがおぼろげで思い出せない。
 なんだかいつもとは雰囲気が違って、優しい眼をしてたなと思う。あんな風に優しければいいのになって思ったりする。
 それにそんなに嫌われてたのかと思うと、なんだかやっぱり悲しいし、寂しい気持ちになる。
 俺は元々喧嘩は嫌いで派閥に入ってはいなかった。
 一年の時は友達のミッチーと一緒に毎日のんびりしていたが、焼肉をいつもご馳走してくれる五十嵐さんに自分の派閥を預かって欲しいと頼まれたのだ。
 肉の力は偉大だ。
 肉の力の前に、俺には断ることなどできなかったのだ。
 それに一食一パン(肉だけど?)の恩義は忘れてはいけないとじいちゃんが言っているのも大きい。
 だからトップになりたいなんて気持ちは、露ほどもない。
 ついでに髪も洗って風呂を出ると、下着とスエットをかぶって、キッチンでカレーを温めなおす。
 揚げて冷蔵庫に入れておいたエビフライを、オーブンでこんがり焼いて、カレーの上にのせて盛り付けをする。それをトレーに乗せて、麦茶を載せて部屋に戻った。
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