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社会人編 season2
第4話→sideY
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オレは七海さんが考えているように、このことで、東流が逆上してオレに手をあげるなどとは、まったく露ほども考えていなかった。
万が一にもない。
オレを傷つける行為など、東流がするはずもないのは知っている。それだけは確信であり、事実である。
東流が昔から子供を作れないことに、罪悪感みたいなのを抱いているのは前から知っていたので、多分喜んでくれるだろうとは思っていた。
しかし、ここまで、手放しで喜ばれるのは、なんだか色々と複雑だ。
今思い返してみても、東流から嫉妬などをされたことはない。
むしろオレばかりが周りに嫉妬しまくっている。
たとえオレが他の女と一緒にいてもまったく気にした様子もなかった。
それが、かなり悔しくも思う。
「東流くん?…………普通、ショックというか、そこは彼に怒るとこじゃないかしら?」
七海さんも呆気にとられて毒気を抜かれた表情で、東流の問いかけに更に問いかけで返す。
「んー?なんでだ。ヤスが俺に内緒にしてたなら、それは何でいわねーんだよって話しだけどなあ。ヤスも今まで知らなかったんだし、すぐにこうやって話してくれるわけだし、怒ることなどない。それに俺がヤスの気持ちを知らない頃のことだし、ヤスにそうさせてたのは、俺のせいでもある。子供のかーちゃん死んじまったなら、これからは、俺らでその子の面倒みてかねーとな!」
ああ…………。
多分、オレはきっとなによりコレを恐れていたのだ。
東流に子供のことを知られたら、一も二もなく育てようと言ってくるのは分かっていた。
薄情だが、オレはたとえ自分の息子だとしても、東流とのふたりだけの時間を奪われるのは、絶対に許せないのだ。
そりゃ、責任はオレにあるのは、わかってはいる。
自己中心的な自分が、考えていることはとても薄情なことだということも。
「これから、弁護士とその子がウチにくるから。そういう話はこれから決める。もう、11歳だし、思春期だろうから……。これから面倒みるにしても、色々とオレらには難しいかもしれないからね」
オレの言葉に、ふうんと頷きまるで耳に入ってない様子で東流は生返事を返しながら、七海さんに渡していた資料をペラペラめくっている。
「…………うわー、コレ、その子供の写真かあ?すげえ、ヤスのガキの時にそっくりだな。すげー、うわー、かわいーなあー」
ふんふんと鼻歌歌いながら、少し頬を染めて上機嫌である。
わかってんだ。
東流が、なによりオレに似ているその顔に弱いってことは。
やっぱり。そうくるよな。
てか、なんで、オレの許可なく七海さんは資料を東流に見せてんだよ。
もはや怒りを通り越してしまい、あまりの憤りに逆にややクールダウンしながらも、オレは拳を握りしめた。
万が一にもない。
オレを傷つける行為など、東流がするはずもないのは知っている。それだけは確信であり、事実である。
東流が昔から子供を作れないことに、罪悪感みたいなのを抱いているのは前から知っていたので、多分喜んでくれるだろうとは思っていた。
しかし、ここまで、手放しで喜ばれるのは、なんだか色々と複雑だ。
今思い返してみても、東流から嫉妬などをされたことはない。
むしろオレばかりが周りに嫉妬しまくっている。
たとえオレが他の女と一緒にいてもまったく気にした様子もなかった。
それが、かなり悔しくも思う。
「東流くん?…………普通、ショックというか、そこは彼に怒るとこじゃないかしら?」
七海さんも呆気にとられて毒気を抜かれた表情で、東流の問いかけに更に問いかけで返す。
「んー?なんでだ。ヤスが俺に内緒にしてたなら、それは何でいわねーんだよって話しだけどなあ。ヤスも今まで知らなかったんだし、すぐにこうやって話してくれるわけだし、怒ることなどない。それに俺がヤスの気持ちを知らない頃のことだし、ヤスにそうさせてたのは、俺のせいでもある。子供のかーちゃん死んじまったなら、これからは、俺らでその子の面倒みてかねーとな!」
ああ…………。
多分、オレはきっとなによりコレを恐れていたのだ。
東流に子供のことを知られたら、一も二もなく育てようと言ってくるのは分かっていた。
薄情だが、オレはたとえ自分の息子だとしても、東流とのふたりだけの時間を奪われるのは、絶対に許せないのだ。
そりゃ、責任はオレにあるのは、わかってはいる。
自己中心的な自分が、考えていることはとても薄情なことだということも。
「これから、弁護士とその子がウチにくるから。そういう話はこれから決める。もう、11歳だし、思春期だろうから……。これから面倒みるにしても、色々とオレらには難しいかもしれないからね」
オレの言葉に、ふうんと頷きまるで耳に入ってない様子で東流は生返事を返しながら、七海さんに渡していた資料をペラペラめくっている。
「…………うわー、コレ、その子供の写真かあ?すげえ、ヤスのガキの時にそっくりだな。すげー、うわー、かわいーなあー」
ふんふんと鼻歌歌いながら、少し頬を染めて上機嫌である。
わかってんだ。
東流が、なによりオレに似ているその顔に弱いってことは。
やっぱり。そうくるよな。
てか、なんで、オレの許可なく七海さんは資料を東流に見せてんだよ。
もはや怒りを通り越してしまい、あまりの憤りに逆にややクールダウンしながらも、オレは拳を握りしめた。
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