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社会人編 season2
第3話→sideT
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2人が言い合うのを眺めて、俺はちょっとなんだかうざったくなってきて眉を寄せる。
何の話か全く見えない。2人が何を言い合っているのか、ちゃんと、俺にも分かるように1から説明してくんねえかな。
とりあえず、聞いていてもイラつくので、康史が淹れてくれたコーヒを啜って、ハンドグリッパーを手持ち無沙汰に握りしめる。
まあ、まるっきりは蚊帳のソトよりよっぽどいいし、貫田さんが知りたいことなら、俺には別に隠すこと何一つはない。
「あー、貫田さん。ヤスと付き合ったのは高3の夏休みから。それまでは、俺はナズと付き合ってたし、ヤスは女をとっかえひっかえしてた。中学の時から女遊びひどかったけど。大体……俺はヤスの女遍歴なんてほとんど全部知ってるぜ。デートしても、一緒に女の子を送り迎えしてたし。ヤスだけだと襲われねえか心配だからさ」
俺の元カノの波砂も、芸能事務所にスカウトされて、今は女優をやっている。国民的美人女優と言われているし、顔は康史の親戚だけあって、かなりそっくりな美人だ。
かなり売れているので、康史の親戚だっていうのも貫田さんもは知っている。
「だから!!言ってるじゃないか。七海さんが心配するようなことは、絶対にないから!」
康史はかなり不満顔で、貫田さんを珍しくぎりぎり睨みつける。
貫田さんは何か不安でいっぱいな心配そうな顔をして、俺の表情を伺ってくる。
そして、俺の言葉を聞いて貫田さんは決心したようにふうっと一息ついて、
「東流君、落ち着いて聞いてね。まあ、暴力沙汰にはならないなんて保証はないからね。男同士のカップルの痴情の縺れは、傷害事件になることがあるから怖いのよ。だから、今日は第三者の私がきたの」
言っていることが、全くわからないが。
痴情のもつれったら、俺に康史と別れろとかかいうことか。
なんだか、かなりイヤな予感しかしないが。
別れんのはよっぽどのことがない限りは、したくねえな。
だけど…………ひとつだけ言えることがある。
「傷害事件っつたけど、貫田さんはさァ………俺がヤスを殴ったり怪我させたりするとか、本気で思ってたりするのか?」
俺にとってはありえないこと過ぎるのだが、多分貫田さんはそれを防ぐためにきたのだろう。
「だから、七海さん。大丈夫だって言ってるだろ。トールは俺に手をあげたりしないし、ましてや顔なんか攻撃するわけないから」
イライラしながらも康史は、キッチンに入って俺のメシを用意しはじめた。
「そんなこと言っても…………男なんだからわからないじゃない」
「いや、それに関しては、俺が死んだとしてもしねえよ」
康史のことは、ずっとガキの頃から命張って守ってきたものだ。それを自分で傷つけるとかはありえない。
康史は俺の目の前に。うまそうなオムライスを出して、そのまま俺の横に腰を下ろす。
「じゃあ、言うわね。落ち着いて聞いてね…………康史に子供がいたのよ。中学生の時に付き合った彼女との間に。でも、彼は中学生で、相手はOLだったから、そんなの認知しろなんて、今まで自分の犯罪認める行為でできなかったみたい」
な、なんだと。
俺は目を見開いて貫田さんの言葉に、驚きをかくせない。
康史に子供が……………………。
マジか。
中学生のとき、ならあるが。
それは…………、えっと、どういう、ことなんだろうな、だったらだ…………。
「だから、俺と別れようって…………か?」
まあ、子供がいたなら、その子のことも考えないといけねーしな。
だとしたら、俺はそれに邪魔になる。
前から考えてはいた。
康史の綺麗な顔の遺伝子は残さないとなとか、は、少し考えてた。
「バカ……違うから!!ちゃんと最後まで話を聞けよ!トール」
俺の問いかけに、かなり焦ったように康史は横に首を振って、俺の腕をギュッと握りしめてくる。
「で、彼女はシングルマザーでずっと1人で育ててきたんだけど、交通事故で先月亡くなったの」
えっと、どういうことだ。とりあえず、母親は死んじまってるなら子供がいたから別れる、じゃねえんだな。
なんだか、こころ、ここにあらずだ。
康史に子供がいた、だ、なんて。
なんだか、ぶるぶると身体が震え出す。
「ゴメンナサイ、急に。ショックよ、ね?」
女に、康史を返すわけでもなくて。
ただ単に子供がいたってだけの話なのか。
だったら…………それは…………。
「なんて!!すげーことなんだよ!!やったじゃん、ソレ。それにしても、ヤスの遺伝子が残ってたとか!なんだよ、避妊しなかったんか?」
わーと手を上げて喜んで康史に向き直り抱きつくと、俺は不思議になって首を傾げる。
「中学ん時はあんま…………その……わかってなかったから」
康史は俺の反応を、半ば予想していたかのようなどこか諦めた顔をしている。
「東流くん、あなた、ショックじゃないの?」
「いや、なんで??嬉しいけど?なんで、俺がショック受ける必要があるんだ?」
問いかえすと、貫田さんは驚いた表情のまま信じられないと呟き、俺を見返した。
何の話か全く見えない。2人が何を言い合っているのか、ちゃんと、俺にも分かるように1から説明してくんねえかな。
とりあえず、聞いていてもイラつくので、康史が淹れてくれたコーヒを啜って、ハンドグリッパーを手持ち無沙汰に握りしめる。
まあ、まるっきりは蚊帳のソトよりよっぽどいいし、貫田さんが知りたいことなら、俺には別に隠すこと何一つはない。
「あー、貫田さん。ヤスと付き合ったのは高3の夏休みから。それまでは、俺はナズと付き合ってたし、ヤスは女をとっかえひっかえしてた。中学の時から女遊びひどかったけど。大体……俺はヤスの女遍歴なんてほとんど全部知ってるぜ。デートしても、一緒に女の子を送り迎えしてたし。ヤスだけだと襲われねえか心配だからさ」
俺の元カノの波砂も、芸能事務所にスカウトされて、今は女優をやっている。国民的美人女優と言われているし、顔は康史の親戚だけあって、かなりそっくりな美人だ。
かなり売れているので、康史の親戚だっていうのも貫田さんもは知っている。
「だから!!言ってるじゃないか。七海さんが心配するようなことは、絶対にないから!」
康史はかなり不満顔で、貫田さんを珍しくぎりぎり睨みつける。
貫田さんは何か不安でいっぱいな心配そうな顔をして、俺の表情を伺ってくる。
そして、俺の言葉を聞いて貫田さんは決心したようにふうっと一息ついて、
「東流君、落ち着いて聞いてね。まあ、暴力沙汰にはならないなんて保証はないからね。男同士のカップルの痴情の縺れは、傷害事件になることがあるから怖いのよ。だから、今日は第三者の私がきたの」
言っていることが、全くわからないが。
痴情のもつれったら、俺に康史と別れろとかかいうことか。
なんだか、かなりイヤな予感しかしないが。
別れんのはよっぽどのことがない限りは、したくねえな。
だけど…………ひとつだけ言えることがある。
「傷害事件っつたけど、貫田さんはさァ………俺がヤスを殴ったり怪我させたりするとか、本気で思ってたりするのか?」
俺にとってはありえないこと過ぎるのだが、多分貫田さんはそれを防ぐためにきたのだろう。
「だから、七海さん。大丈夫だって言ってるだろ。トールは俺に手をあげたりしないし、ましてや顔なんか攻撃するわけないから」
イライラしながらも康史は、キッチンに入って俺のメシを用意しはじめた。
「そんなこと言っても…………男なんだからわからないじゃない」
「いや、それに関しては、俺が死んだとしてもしねえよ」
康史のことは、ずっとガキの頃から命張って守ってきたものだ。それを自分で傷つけるとかはありえない。
康史は俺の目の前に。うまそうなオムライスを出して、そのまま俺の横に腰を下ろす。
「じゃあ、言うわね。落ち着いて聞いてね…………康史に子供がいたのよ。中学生の時に付き合った彼女との間に。でも、彼は中学生で、相手はOLだったから、そんなの認知しろなんて、今まで自分の犯罪認める行為でできなかったみたい」
な、なんだと。
俺は目を見開いて貫田さんの言葉に、驚きをかくせない。
康史に子供が……………………。
マジか。
中学生のとき、ならあるが。
それは…………、えっと、どういう、ことなんだろうな、だったらだ…………。
「だから、俺と別れようって…………か?」
まあ、子供がいたなら、その子のことも考えないといけねーしな。
だとしたら、俺はそれに邪魔になる。
前から考えてはいた。
康史の綺麗な顔の遺伝子は残さないとなとか、は、少し考えてた。
「バカ……違うから!!ちゃんと最後まで話を聞けよ!トール」
俺の問いかけに、かなり焦ったように康史は横に首を振って、俺の腕をギュッと握りしめてくる。
「で、彼女はシングルマザーでずっと1人で育ててきたんだけど、交通事故で先月亡くなったの」
えっと、どういうことだ。とりあえず、母親は死んじまってるなら子供がいたから別れる、じゃねえんだな。
なんだか、こころ、ここにあらずだ。
康史に子供がいた、だ、なんて。
なんだか、ぶるぶると身体が震え出す。
「ゴメンナサイ、急に。ショックよ、ね?」
女に、康史を返すわけでもなくて。
ただ単に子供がいたってだけの話なのか。
だったら…………それは…………。
「なんて!!すげーことなんだよ!!やったじゃん、ソレ。それにしても、ヤスの遺伝子が残ってたとか!なんだよ、避妊しなかったんか?」
わーと手を上げて喜んで康史に向き直り抱きつくと、俺は不思議になって首を傾げる。
「中学ん時はあんま…………その……わかってなかったから」
康史は俺の反応を、半ば予想していたかのようなどこか諦めた顔をしている。
「東流くん、あなた、ショックじゃないの?」
「いや、なんで??嬉しいけど?なんで、俺がショック受ける必要があるんだ?」
問いかえすと、貫田さんは驚いた表情のまま信じられないと呟き、俺を見返した。
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