俺たちの××

怜悧(サトシ)

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番外編

※お出かけ→sideT

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夜なのに出かけたいと康史に言われて、出かけたはいいが、出る前にいきなり押し倒されて中にロータを突っ込まれて歩きづらい。
ていうか、歩いて中が擦れてズボンの中でかなりパンパンにちんこが腫れている。

「ヤス、マジでさ………。なあ………トイレいこうぜ」
外でヤりてえから布石なのかなと思い、腕を軽くひいて誘うと、ちらっと視線を返されてすぐに首を横に振られる。
「え、トール、もうガマンできない?」
「そ、そういうわけじゃねーけど……」
がっかりという表情をされると、ついつい強がってしまう己の悪いくせをどうにかしたい。
もうガマンできないのが、ホンネである。
康史は、そんな俺に笑みを浮かべると背中をさらっとなでる。
「もうちょいだから、頑張って」
どこに行くのかも分からないが、周りを見回すと駅前周辺である。
あながち外でヤりてえわけでも、ねえのかな。
ジーと音が鳴って胎内のロータが動きだして、俺は目をむいた。

をい、ここで動かすのかよ。

呼吸がせわしなくなるのを、奥歯を噛んでこらえて康史に腕を牽かれるままに、路地裏へと入り込み1度きたことのある、怪しい店の地下へと降りていく。

「前、来たの覚えてる?」
「あ、ああ。バレンタインに……きたとこだったな」
なんか、身体を他のヤツに触られて嫌な思いをしたから覚えてる。
ボンデージ服とか怪しい器具の間を通り抜けてカウンタまでくると、店の人はいないようだ。
奥かなと呟き康史は、カウンタに置いてあるスイッチのようなコールボタンを押す。
イヤな予感しかしなくなってくる。
しばらくして、背の高いイケメンが奥の部屋から出てくる。

「あらあ、日高ちゃんじゃない。この間の貞操帯はどうだったかしらあ」
相変わらずのこの店主のオネエ言葉にイライラしてしまう。
本能的にコイツは苦手なんだろうな。
「串崎さん、こんばんは。スゴイ効果すぎて、1日でリタイアだったよ。でも少しづつ慣らしていこうかなって」
「うふふ、相変わらずカレシさんは、すっごいきっつく睨んでくるのね。まったく躾が足りないんじゃない?」
からかうように視線を見返してくる串崎に、俺は鼻で笑って視線を険しくさせる。
「トールは、オレ以外の他人に懐く人じゃないからね、それが可愛いのだけど」
「わざとかしらね。案外」
触ろうと手を伸ばすのを避けるように、さっと身体をかわす。
明らかな挑発だけどノッてやる。
「そうね、今はちょっと来客中だから、終わったら相談に乗ってあげるわ」

そう言って奥を視線のみで見返す。

「ワシなら、もう帰るぞ」
奥の部屋から、黒いスーツをきたヤクザものらしい男が出てきたので思わず睨み返すと、あまりにも見知った顔すぎて口をあんぐりあけちまう。

「……オヤジ!?まさか、テメエ変態なのかァ!かーちゃんに言いつけるぞ!!!」
ついつい声をあげてしまうと、オヤジも口を同じようにあんぐりさせた。
「あァン?テメー、何しとんじゃあ、こんなとこで!?あ、あん?ヤスシも一緒か?!」
康史を見るとかなり焦った表情をしている。
だ、だよな。
変態には思われたくないだろうな。
「ワシはシノギじゃ。テメエこそ変態なのかぁ?」
「あら、トラさんのお知り合い?」
「ああ、一真。コイツは俺の馬鹿息子だ。えっと、こっちのヤスシに嫁がせてやった」
からからと笑いながら俺の頭をポンポンと叩きやがる。
つか、嫁がせるとかいうかな。アホオヤジが。
「あなたトラさんの息子さんね。どうりでイイ男。親公認なのね」
「うるせえ…………」
「ふーん。ヤスシは、そういう趣味なのか?それともうちの馬鹿に付き合わせられてるのか?」
確信をつかれて、康史は少し視線をさまよわせるが、思い切ったように親父の視線を受け止めて、
「まさか。オレの趣味です。オレがトールの全部が欲しくて…………」
「別に、ヤスシにくれてやった息子だし好きにすりゃあいい。コイツも嫌じゃねえから付き合ってんだろうし。今更、四の五のいわねーよ」
カッカッカッと笑う親父はマジで康史には甘すぎる。
「オジさん、ありがとうございます」
「ハッハッハ、もうおとーさんとか呼んでくれていいんだぜえ。ヤスシからおとーさんとか、ワシはいわれてーなぁ」
「ハイ。お義父さん」

素直に呼んでやり、すぐににやける親父に笑いかける康史に俺は深くため息をつく。

「じゃあ、一真。あのことと、若の事は頼んだぜ。ついでにワシの息子も可愛くしてやってくれ」

そう言って、アホ親父は鼻歌うたいながら、店を出て行った。

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