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三学期編
※雁字搦めの愛情 →side T
しおりを挟む自由に藻掻くことすらままならず、肌に食いこむ縄の箇所をが擦れて熱を溜める。
まるで熱を出したかのように、うかされながら奥に入ってきた熱量のかたまりに内と外から同時に焦がされる。
苦しいような、だけどらふわふわとする快感の中で俺は恍惚としきって身を任せ、康史の吐息と背中に感じる鼓動だけが内部から響く。
身体に力が入らないし、媚薬も飲んでないのに、飲んだ時みたいに熱がひかない。
「トール、…………トリップ、しちゃってる?」
康史が身体を離してずるっと内部から熱を引き抜くと、心配そうな顔で覗きこんで、スルスルと縄を解いていく。
急に押さえ込まれた血管に血が通って、くらくらとして、たまらず康史の腕を掴む。
脳みそが焼けただれそうで、たまらない。
「…………や、……っ、く…………あ、はっ、っ」
声も出ないし、出るのは力の抜けたような、喘ぎしか漏れない。
濡れた制服をぬがして、康史は脱力して体液で汚れた俺の身体を抱き寄せる。
解かれて自由になった重たい腕をあげて、康史の胸にすがりつく。
抱いてほしいと、思っている。
熱が、ひかねえ。
力が入らない指をひっかけて、唇を動かす。
肌と肌を合わせたい。
強烈な欲望が湧いているのに、全く俺の身体は言う事を効かない。
「ゴメン……ヤりすぎた……」
あやすように背中を撫でるが、それは、ちがう。
ちがう…………もっと……俺はほしいから……。
シャツに指をかけてボタンをなんとか外していく。
康史は目を剥いて俺を覗きこむ。
「…………もっ…………と、…………だ……けよ…っ」
掠れきった声で伝えるのがやっとで。
こんなに、力が出ねえのははじめてで、もどかしく身体を押し付けて、背中へと腕を回す。
裸で抱き合いたいと、こころから、思って、俺は康史のシャツをなんとか剥いだ。
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