俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

ハッピーバースデー →side T

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確かに腰砕けるくらい欲しいとは言ったし、思ってたし。

朝まで床でヤリ続けたら、さすがの俺もグロッキーだ。
康史に身体を拭かれて、指先すら動かすのも億劫になりながら、支えられてなんとか寝室までたどり着く。

「もう、あれだ、…………かっすかす……になっちまった、よ」

「オレも夢中になっちゃったしね。トールが可愛く求めてくれるからさ」

ごろっと横になると、布団にぐったりと沈み込んで、ベッドに座る康史を視線を上げてのっそり見上げる。
なんというか、言い知れない充足感っていうのはある。
身体中をお互いに貪られ貪った。

「ああなあ…………つか、かわいく、か?ヤス、かわいいって単語の意味がわかるか?」
康史の言っている意味が全くわからず思わず聞いてみる。
俺の知ってるかわいいは、康史のとかなり違う気がするんだが。

「涙目でちんこほしがるのが、可愛い、だろ」

根本的に、いや、世間的にもすげえ違うような気がしてきた。

まあ、いいか。

俺の可愛いは、康史の甘えるような顔だし、お互い様だろう。
俺は康史の腕をグッと引いて、そのまま布団に引っ張り込む。

「な、なんだ……?」

慌てる康史を引き寄せて、ギュッと抱き寄せる。
「……あったけーなー」
胸の中に抱きしめていると、なんだか充たされる。

これが、あれだな。
えーと、きっと幸せとかいうやつだろう。
「なんだ、まだ、トールは全然力あるんじゃん」
胸元を軽く叩きながら、康史が俺を見上げる。
この、康史が俺を見上げる顔が可愛くて昔から好きなんだ。
「全然ちからでてねえって……、まあ、ちょっとでいいから俺の好きにさせろ」
「最近、トールはあんまり意識失わないよなあ。トールも打たれ強くなってきたかな」
ボソボソ呟いている頭の上に軽く顎先を乗せる。
「…………意識なくしそうには、なるけどな。まあ、一緒にいるのに気を失ったらもったいねえし」
そこは、意思の力でなんとかかんとか堪えている。
「な、なにがもったいねえんだ?」
わけがわからないといった表情を浮かべる康史の体をなでまわして堪能する。
すべすべで気持ちがいい。
「え……心配そうな、オマエの顔を見逃したら、もったいない」
それが、楽しみなのに。
そういうと、康史はぷはっと笑い俺を見上げる。
「前から、そんなこと言ってたけど、なに、その変なフェチ」
「オマエに、俺のフェチを変とは言われたくねえな」
よっぽど、康史のが変なフェチだ。
そう思って唇を尖らせると、宥めるというか機嫌をとるようにように啄むようなキスを何度かしてくる。

「でも、その変なフェチ付き合ってくれる、トールに感謝だよ」

可愛い顔で笑うので、俺は思わず見惚れて強く抱き寄せた。


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