俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

デートのやくそく →side T

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当然ながら俺のドライビングテクニックを卒検できっちり見せつけ、違反だと怒られるが検定は通った。

テクニックは、教官いわく披露すると減点対象らしい。
まあ、それでも合格した。
教官が昔は走り屋だったそうで、なんだか話が盛り上がったのもあったのだが。

部屋に帰ると、康史はゴキゲンそうに料理を作って待っていた。

「どーだった?卒検」

「勿論、バッチだけどよ。なんだ、オマエ何かイイことあったのか?」
今日の夕飯はオムライスらしく、ケチャップでハートマークまで書いてある。かなり相当ご機嫌のようだ。
「特にはねーよ。昼に誠士と、買い物に出かけたからかな」
「あー、そっか」
「明後日の免許本試験、終わったら駅前で待ちあわせしよ。お祝いしてえから」
康史が、暖かいお茶を用意しながら、テーブルにつく俺に声をかける。
お祝いとか、康史は俺が落ちることなんか考えてねえようだ。

「お、分かったけど、受かるかわかんねーぞ」

肩を竦めて康史は笑うと、俺にお茶を差し出して、
「別に免許の祝いだけじゃないよ。.....トールの誕生日だろ」
そう言われて、はたと気づく。
免許は誕生日にって決めてたけど、肝心のその誕生日ッテことははあたまからすっぽ抜けてた。
「そうだった。落ちても誕生日だな」
「だよ。だからさ、お祝いしたいから……。ねっ」
可愛い顔で、いつもながらのパーフェクトな彼氏力を見せつけられる。
やっぱり康史は、完璧だよな。

「ああ、終わるの昼過ぎだけど。駅前までひとりでくるのか?」

「デートだな。こないだしたばっかだけど。まあ、誠士に送ってもらうよ」
嬉しそうな顔を向ける康史は、本当に俺の気持ちを上向けるのがうまい。
俺はあったかいうちにと、スプーンでオムライスを割って食べはじめる。
「街中デートとはちげえだろ。それにしても、ヤスのオムはマジで最高だな。口の中であったかにとろける」
笑いながら口の中に入れてほおばる。
胃の中も気持ちも全部もってかれてしまう。

「トールの好みの味だろ。いつも、俺がトールを食べてるんだし、飯くらいはうまいの食べさせてーよ」

そう言った笑顔が可愛くて、思わず抱きしめたくなった。
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