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三学期編
ちいさな違和感 →side Y
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よりを戻したばかりで、感極まっているふたりを残して、オレと東流は当初の予定通り駅前のホテルへと歩いてきた。
帰りのことも考えると、歩きが1番な気がする。
前から来てみたいと思っていたホテルである。
東流は、漸く到着したそのホテルを見上げて、少し眉を寄せで表情をやや曇らす。
なんだか、いつもと様子が違う。
このホテルにはとても嫌な思い出がある、そんな顔つきだ。
どうやらここに来るのは、初めてではなさそうだ。
「トール、此処に来たことあるの?」
まあ、オレのことだし、趣味趣向はそんなに変わりはしない。
記憶はないが、二人で来たんだろう。
表情から見たかんじだと、あんまり良い記憶じゃなさそうだ。
SM趣向のある部屋もあるくらいだから、もしかしたら、東流に色々と無理させたのかもしれない。
「あるよ…………。確かにあんまり、良い思い出じゃねえけど。その時もヤスは女装してたな。なんか、状況が色々デジャヴ」
ちらと向いた表情からは、オレに対してはまったく刺とかはない。
違和感。
やり過ぎたってわけじゃないのか。
オレに対する嫌悪とかではなさそうだ。
「そうか、やめとく?アッチのホテルにするか」
様子に思わずこのまま入るのも気が引けてしまう。
思わず違うホテルを指さすと、東流はオレ腕をぐいと引っ張る。
「これは、オマエへの祝いだ。前から来たかったんだろう。変な遠慮はいらねーよ」
東流は潔い顔をして、オレをホテルの中に引っ張り込んだ。
「なあ。前に何があったかとかは、教えてくれねえの?」
東流の気が変わらないうちに、パネルから木馬や器具が取り揃えられた部屋を選び、カードを受け取る。
エレベーターに乗ると、東流はオレをじっと見やり、
「思い出さないなら、オレとしちゃあオマエには思い出しては欲しくねエコとかな」
そして、東流はオレの体にぐっと身体を押し付けて、壁ドンよろしく腕をついて目を覗きこむ。
「俺の中の悪い思い出は、今度はオマエが上書きしろよ」
命じることに慣れた口調。
東流の本来の目の色に、オレは魅入られて虜になる。
「勿論」
東流は、オレの中の嫌な記憶を上書きしてくれた。
だったら、オレもそうしないと。
それにしても。
「トール、すげえちんこ硬いの当たってるんだけど。もしかしてすげえ期待してる?」
頷く東流の首筋が紅く染まるのに、オレは耐え切れずエレベーターの中だというのに、首筋にかぶりついた。
帰りのことも考えると、歩きが1番な気がする。
前から来てみたいと思っていたホテルである。
東流は、漸く到着したそのホテルを見上げて、少し眉を寄せで表情をやや曇らす。
なんだか、いつもと様子が違う。
このホテルにはとても嫌な思い出がある、そんな顔つきだ。
どうやらここに来るのは、初めてではなさそうだ。
「トール、此処に来たことあるの?」
まあ、オレのことだし、趣味趣向はそんなに変わりはしない。
記憶はないが、二人で来たんだろう。
表情から見たかんじだと、あんまり良い記憶じゃなさそうだ。
SM趣向のある部屋もあるくらいだから、もしかしたら、東流に色々と無理させたのかもしれない。
「あるよ…………。確かにあんまり、良い思い出じゃねえけど。その時もヤスは女装してたな。なんか、状況が色々デジャヴ」
ちらと向いた表情からは、オレに対してはまったく刺とかはない。
違和感。
やり過ぎたってわけじゃないのか。
オレに対する嫌悪とかではなさそうだ。
「そうか、やめとく?アッチのホテルにするか」
様子に思わずこのまま入るのも気が引けてしまう。
思わず違うホテルを指さすと、東流はオレ腕をぐいと引っ張る。
「これは、オマエへの祝いだ。前から来たかったんだろう。変な遠慮はいらねーよ」
東流は潔い顔をして、オレをホテルの中に引っ張り込んだ。
「なあ。前に何があったかとかは、教えてくれねえの?」
東流の気が変わらないうちに、パネルから木馬や器具が取り揃えられた部屋を選び、カードを受け取る。
エレベーターに乗ると、東流はオレをじっと見やり、
「思い出さないなら、オレとしちゃあオマエには思い出しては欲しくねエコとかな」
そして、東流はオレの体にぐっと身体を押し付けて、壁ドンよろしく腕をついて目を覗きこむ。
「俺の中の悪い思い出は、今度はオマエが上書きしろよ」
命じることに慣れた口調。
東流の本来の目の色に、オレは魅入られて虜になる。
「勿論」
東流は、オレの中の嫌な記憶を上書きしてくれた。
だったら、オレもそうしないと。
それにしても。
「トール、すげえちんこ硬いの当たってるんだけど。もしかしてすげえ期待してる?」
頷く東流の首筋が紅く染まるのに、オレは耐え切れずエレベーターの中だというのに、首筋にかぶりついた。
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