俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

ふたり →side T

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康史が俺の方を見てアイコンタクトで呼ぶ。
内容的に俺も2人の会話を聞くのをはばかってキッチンの方へと康史の背中を追っていく。

「異母兄弟ってヤツだな」
「イボきょうだい…………」
その言葉に意味が分からず眉を寄せると、康史は俺に違うぞと軽く横に手を振る。
「トール、違うからな。足のイボとかじゃないぜ。お母さんが違う兄弟ってことだぞ」
慌てて補足をされる。
あー、そういうことか。
なんで、康史は、俺がイボイボな兄弟を想像したのがわかったんだろう。
きっと以心伝心ってやつだな。

康史はオヤツになるようなものを皿に乗せて、電話をしだした2人の様子に、安心したような表情をして、それをもっていく。
俺も、康史の後からソファーに戻り、士龍の前に座る。

「シロはさ、この赤毛のドコがいーの?」
顔は可愛い感じではないし、どっちかっていうと顔は強面である。
ツリ目で男前ではあるけど、綺麗ではない。

「ちんこかな。エッチがうまい」
少しも考えずに、サラッと答える士龍にホンネなんだなと思い、タケちゃんの方を見るとブワッと顔を真っ赤にしている。
まあ、大体その回答は恥ずかしいし、テレるよなあ。
「シロも、トールも最低な答え平気でするよね」
康史が笑いながら横から茶々を入れるが、士龍はそれがピンとこないらしい。
「最低かな?」
首を傾げて、でも、スゲーきもちーぞとか士龍は被せて言っている。
「まー、トールはオレの顔が好きらしいけど。昔からそれは知ってたけどね」
「顔とか体とかいうのは、最低らしいな」
そういや、そんなことを東山に言われたのを思い出した。

「まあ、最低だけど…………。そうなるようにオレが仕向けたし。でも、士龍に気にいってもらえるのは嬉しいっす」
真っ赤な顔の虎王は、意外に素直なタイプらしい。
まあ、士龍が選んだ男だしな。

「さて、オレらはこれからデートいくから、冷蔵庫のもん、好きに食って?寝室使っていいぜ。朝まで帰らねーから。帰ってきたら送るし」

さて、俺も康史に約束を果たさないとならないな。

「夜景とか?」
デートの定番はそうだよな。普通。

「駅前のSMホテル。ヤスの合格祝いにつれてく約束してたからよ。馬とかなんか檻とかあるらしーぞ。なんか面白そうだし、ヤスが行きたいらしいし」

前に遊園地の代わりにいったホテルだが、あまり覚えてない。
入る時は、クスリでクラクラだったし、出る時はそれどころじゃなかったし。

あんまりいい思い出はないけど、康史がいきたいなら、そこが一番だ。
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