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三学期編
※不機嫌の理由 →side Y
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「なんだよ.......。ソレ」
東流に話せばそうなるとは思ったが、思っていたよりかなり不機嫌きわまりない状態になっている。
ついつい東流に言い出せないまま、一週間経ってしまったのだ。
その前からも、何か言いたそうな東流の表情に迷ってはいたのだが、話せなかった。
イライラしているのが顔に出ているので、はっきり分かる。
それもそうだろう、輪姦されたあの日のことはハッキリ思い出したが、それ以前の記憶は、まだまったくもって戻ってきていない。
思い出されたくないと言っていたことを思い出して、思い出してほしいと東流が願っているだろうことは、まったく思い出せていないのだ。
「ごめん.......」
東流とどうしてこういう関係になれたのかも、まだ謎のままだった。
前に誠士に聞いたが、何故だか教えてくれなかった。
オレは推薦入試だったので、試験も終わったし、結果が出るまで他は受けないようだ。
オレはのんびりと部屋にいるが、東流は毎日教習所通いでいない。
私立の願書は出してなかったので、落ちたらそれまでなのだが自己採点の結果でも問題はなさそうだった。
余裕で受かるところで、推薦入試を選んだのだろう。
堅実なオレのやりそうなことだ。
「なあ。いつからオレら付き合ってるんだ?」
誰も教えてくれないので、直接東流に聞いてみると口元に拳をあててオレを眺めて目を向けると、ぼそりと話した。
「夏休み…………」
なんとなく不機嫌は続いているのか、オレの前ではあまり吸わないタバコをとりだして、東流は火をつける。
態度は分かりやすいといえば分かりやすいのだが。
ずっとイラついたような不機嫌な顔をされて一緒にいるのも、なんだか疲れるな。
「ホント全然思い出せねえのか」
東流は焦れたようにタバコを消すと、ソファーから腰をあげてオレの腕を引く。
腕に絡む手が少しだけ汗ばんでるように感じる。
「きっかけみてえなことがあれば、たぶん思い出せると思うんだけど……」
立ち上がれというように顎先をあげるので、ソファーから降りて引かれるままに東流の後ろを歩く。
「一番思い出したくないことを思い出したんだから、他のことも思い出せるンじゃねえのか?」
そりゃ、付き合ってた期間のことを忘れたら、やっぱ恋人としてはつらいだろうな。
オレは、1年間のことを忘れててもずっと東流がスキだったわけだから、こんな風に一緒に暮らしているのも奇跡みたいなもんなんだけどな。
そんなキモチは東流にはわかってはもらえないだろうな。
なんだかまだ現実じゃないみたいだ。
浦島太郎っていうやつかもしれない。
自分の知らないところで時間が流れていたっていう。
「あと2週間あれば、教習終わるからさ、あとは誕生日に免許センターいけばいいし。オマエはまだ独りででかけんなよ。東高は、報復とかしてくる風習があるからさ」
聞けば東流はオレを拉致した東高のやつらを30人病院送りにしたらしい。
30人全員に輪姦されたってわけじゃないんだろうけど、相変わらず数と力でどうこうしようっていうやつらだ。
「わかってるって……30人潰したってなにしたンだ」
「グロッキーでHP足りてなかったからさ、バイクで轢いた」
さらっと言うが、目が覚めたときには東流も頭に結構な怪我してたなと思い出す。
「一歩間違ったら捕まってるぞ。ソレ」
「これでも精一杯加減はしたつもりだけどな。HP満タンだったら殺人犯になってたかもしれねえけど」
肩をそびやかす相手の言うことは、きっと本音だとは思うけど不思議に怖いとは思わない。
ぎいと寝室の扉を開いて、中へ引き込まれると少し寒い部屋の空気に身震いをする。
「で、なんで、寝室きてんの?まだ夕方だぞ」
「あれから一週間シてねえ……」
少しかがんで耳元で切なそうな吐息とともに囁かれて、オレは少し目を見開いた。
確かにあの日、東流に抱かれてから特になにもしてない。
昔から東流はそんなに性欲があるほうではないと思っていた。
オレがちょっと下心だして、オナニーみたいなって思ってAVを見せてやっても、ちっともオナニーしようとすらしなかったし。
オレは意外そうな表情をして、少し眉を寄せて肌を恥ずかしさに染めている東流の顔を覗き込む。
「トール、してえの?」
東流は低い声で、僅かに拳を震わせている。
自分から、誘うのがよっぽど慣れてない感じである。
「………オマエはすっかり忘れちまってるンだろうけど……」
少し潤んだ目は、オレが欲しいのだと訴えている。
押し付けられた腰に、堅いものがあたってビクビクと震えている。
オレの中の加虐的な部分が、ぐっと煽られた。
「……そういうふうに……オマエは俺を調教したんだ……」
東流に話せばそうなるとは思ったが、思っていたよりかなり不機嫌きわまりない状態になっている。
ついつい東流に言い出せないまま、一週間経ってしまったのだ。
その前からも、何か言いたそうな東流の表情に迷ってはいたのだが、話せなかった。
イライラしているのが顔に出ているので、はっきり分かる。
それもそうだろう、輪姦されたあの日のことはハッキリ思い出したが、それ以前の記憶は、まだまったくもって戻ってきていない。
思い出されたくないと言っていたことを思い出して、思い出してほしいと東流が願っているだろうことは、まったく思い出せていないのだ。
「ごめん.......」
東流とどうしてこういう関係になれたのかも、まだ謎のままだった。
前に誠士に聞いたが、何故だか教えてくれなかった。
オレは推薦入試だったので、試験も終わったし、結果が出るまで他は受けないようだ。
オレはのんびりと部屋にいるが、東流は毎日教習所通いでいない。
私立の願書は出してなかったので、落ちたらそれまでなのだが自己採点の結果でも問題はなさそうだった。
余裕で受かるところで、推薦入試を選んだのだろう。
堅実なオレのやりそうなことだ。
「なあ。いつからオレら付き合ってるんだ?」
誰も教えてくれないので、直接東流に聞いてみると口元に拳をあててオレを眺めて目を向けると、ぼそりと話した。
「夏休み…………」
なんとなく不機嫌は続いているのか、オレの前ではあまり吸わないタバコをとりだして、東流は火をつける。
態度は分かりやすいといえば分かりやすいのだが。
ずっとイラついたような不機嫌な顔をされて一緒にいるのも、なんだか疲れるな。
「ホント全然思い出せねえのか」
東流は焦れたようにタバコを消すと、ソファーから腰をあげてオレの腕を引く。
腕に絡む手が少しだけ汗ばんでるように感じる。
「きっかけみてえなことがあれば、たぶん思い出せると思うんだけど……」
立ち上がれというように顎先をあげるので、ソファーから降りて引かれるままに東流の後ろを歩く。
「一番思い出したくないことを思い出したんだから、他のことも思い出せるンじゃねえのか?」
そりゃ、付き合ってた期間のことを忘れたら、やっぱ恋人としてはつらいだろうな。
オレは、1年間のことを忘れててもずっと東流がスキだったわけだから、こんな風に一緒に暮らしているのも奇跡みたいなもんなんだけどな。
そんなキモチは東流にはわかってはもらえないだろうな。
なんだかまだ現実じゃないみたいだ。
浦島太郎っていうやつかもしれない。
自分の知らないところで時間が流れていたっていう。
「あと2週間あれば、教習終わるからさ、あとは誕生日に免許センターいけばいいし。オマエはまだ独りででかけんなよ。東高は、報復とかしてくる風習があるからさ」
聞けば東流はオレを拉致した東高のやつらを30人病院送りにしたらしい。
30人全員に輪姦されたってわけじゃないんだろうけど、相変わらず数と力でどうこうしようっていうやつらだ。
「わかってるって……30人潰したってなにしたンだ」
「グロッキーでHP足りてなかったからさ、バイクで轢いた」
さらっと言うが、目が覚めたときには東流も頭に結構な怪我してたなと思い出す。
「一歩間違ったら捕まってるぞ。ソレ」
「これでも精一杯加減はしたつもりだけどな。HP満タンだったら殺人犯になってたかもしれねえけど」
肩をそびやかす相手の言うことは、きっと本音だとは思うけど不思議に怖いとは思わない。
ぎいと寝室の扉を開いて、中へ引き込まれると少し寒い部屋の空気に身震いをする。
「で、なんで、寝室きてんの?まだ夕方だぞ」
「あれから一週間シてねえ……」
少しかがんで耳元で切なそうな吐息とともに囁かれて、オレは少し目を見開いた。
確かにあの日、東流に抱かれてから特になにもしてない。
昔から東流はそんなに性欲があるほうではないと思っていた。
オレがちょっと下心だして、オナニーみたいなって思ってAVを見せてやっても、ちっともオナニーしようとすらしなかったし。
オレは意外そうな表情をして、少し眉を寄せて肌を恥ずかしさに染めている東流の顔を覗き込む。
「トール、してえの?」
東流は低い声で、僅かに拳を震わせている。
自分から、誘うのがよっぽど慣れてない感じである。
「………オマエはすっかり忘れちまってるンだろうけど……」
少し潤んだ目は、オレが欲しいのだと訴えている。
押し付けられた腰に、堅いものがあたってビクビクと震えている。
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「……そういうふうに……オマエは俺を調教したんだ……」
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