俺たちの××

怜悧(サトシ)

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三学期編

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エンジンをかける東流の腰に抱きつき、風を切るバイクに身を任せた。
豪快だけど安定感のある東流のバイク走行でのタンデムは、オレのお気に入りだった。
ぐっと少し腰を抱く腕に力をこめる。

そうだ、これから東流と身体を重ねるんだ。
そう考えると、身体が緊張感で僅かに震えた。

平日の昼間はホテルの受付も暇そうで、男同士なのも気にもならないような態度で鍵を渡された。
オレは東流に腕をひかれるまま、ラブホテルの部屋へと入った。

東流は、どうするかななどとボソボソ呟いていたが、思い切ったような表情でオレを見た。

「……なァ……?ヤス……」

 東流は、少し迷うようにライダージャケットを脱ぐと、オレの腕を引いてベッドの前で立ち止まった。

「なに?」

靴を脱いで部屋の中に入ると、装飾が凝った部屋のつくりを確認して、東流に引かれるままベッドまで歩み寄る。

「ヤスはさ、忘れてんだよな?…………俺とセックスしてたこと」

相変わらず逞しい体つきで、シャツ一枚になると筋肉がくっきり浮いて見える。
勘のよくない東流にもオレの気持ちはわかっているようだ。
不安と期待が入り交じっている。
「ああ……正直、オレ東流とどうやってやってたのかも、わからない」

正直、オレ東流を抱きたいと思っているけど、そんなこと言ってもひかねーだろうか。
見た目的にはどう考えても、オレが東流を抱くなんて考えられない。

東流はシャツを脱ごうとして、躊躇うように手を止めてオレの真意を問うような目をむける。

「ヤスは俺とどうしたい?正直に言ってみろ」

なんでそんなことを、聞くのか?
オレは眉を寄せて東流の真意を問うように見返す。

どことなく躊躇うような表情をして、ベッドの上に座って、東流は歩み寄るオレに腕を伸ばし、ぐいっと腰を抱き寄せる。

東流に抱かれているんだと思ってたが、多分そうじゃない。

そうだったら、有無を言わさず東流はオレを押し倒しているはずだ。
それが、いつものことだというなら迷いはしないだろう。
そうしないということは、きっと、オレは自分の欲望をトールに伝えていたはずだ。

「………オレはトールを.......犯したい」

迷いながら口にすると、オレを見上げた東流は驚きもせずに、眉を軽くあげて口元を緩めた。

「イーヨ、ヤス…………こい」

やっぱりだ。

オレは自分の欲望を伝え、東流はそれを受け入れてくれていたのだ。

誘うようにシャツのボタンを外してみせる東流に、オレの中の何かがぱちんと外れる。

これは、オレのモノなんだ。
東流はオレの.......モノ。

夢にまで見ていた、東流を抱きたいという願望。
脱ぎかけていたシャツを引き剥がすように捲ると、乳首にキラキラ輝くピアスが見える。
乳首ピアスとか、マニアックでいやらしすぎる。
これを開けるくらいの開発をオレは東流にしていたのか。

ガブリと首筋に噛み付くとひくんと肌が震えて、東流の鋭い目がすっと細められる。
馬蹄状のピアスを動かすと、乳首がぴんと尖って東流の唇から熱っぽい濡れた息が微かに漏れた。

「…………やらしい……トール、噛まれて感じてるの?」

ピアスの馬蹄に装飾と小さくYHとオレのイニシャルが刻んである。
俺のモノだという……証。
これを開けた時、痛がっただろうか。
気になって仕方がない。
思い出したい。
こんな身体にオレがしたのなら。
そう思うと途端に下半身が熱をもってくる。
耳たぶを唇に挟んで舌先を差し込むと、腹筋が動いて小さく痙攣している。
目元が少し赤らんで熱を孕んで、オレにひどく欲情しているのが分かる。

「く、そ…………じれってえ……我慢できねえ……ヤス…」

東流が焦れてもぞもぞしだすのが、可愛いなと思いながらパンツを下着ごと引っこ抜くと既に大きくペニスを腫れさせて我慢汁でぬれそぼっている。
ペニスの先端には乳首と同じ馬蹄のピアスが嵌っていて、少し皮がひきつれている。
ちんこを勃起させればさせるほど痛みを与えるシステムってわけだ。
なんて鬼畜だな………って、でもこれは、オレがやったのだろう。

「ちんこにまでピアス刺さってる。わあ、ぐっちゃぐちゃに濡れてて、トールすげえな……、これってオレが開発しちゃったの?」

指で濡れた欲望をゆっくりたどると、東流はこくりと頷いて堪らないように腰を少し浮かせた。

興奮と欲望への熱で、オレはひどくうかされいた。
なんとなく違和感を感じたが、それが何なのか、その時のオレは気が付かないほど、目の前の東流に夢中になっていた。
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