172 / 353
三学期編
※叶わぬいのり →side Y
しおりを挟む
どうか、来ないでほしい。
東流に電話が繋がってしまった。
いま、オレに残されたことは、そんな僅かないのりしかない。
神なんか元から信じてなんか、いない。
だけど、今オレが頼めるのはいない筈の神様だけだ。
東流にこないでほしいという、小さなねがいだけ。
体を貫き、内部を圧迫して苦しめる肉の感覚に、脳髄まで揺さぶられていく。
ひどい吐き気に襲われても、胃液すら吐くことすらできない。
苦悶と情けない嗚咽の声しか、乾いた唇からは漏れない。
このまま、そう…………こいつらに殺されてもいい。
もう、十分だろ。
十分…………オレには十分すぎるくらい幸せな時間を過ごした。
夏休みだけでいいと考えてたのに。
東流に殺されなくても、想いを遂げて拒否された時点で、オレは命を断つつもりでいた。
あんな卑怯で醜いことをしたオレには、半年でも充分すぎる。
神様とやらが、それだけの幸せをくれたのだから。
信じちゃいない、だけど、万が一にも神様ってやつがいるっていうなら。
ここで、オレを、終わらせてほしい。
何人か入れ替わって、次々にオレの体の中に体液を吐き出し欲望のままに汚していく。
こんな姿を東流に見られたら、どちらにしろ、おしまいに違いない。
怖くて怖くて、涙が出てきて、止まらない。
どこかで、もう充分すぎるって思ってるのに。
未練がましく、東流を失うのがこわい。
内部を揺さぶる動きより、どうにもならない体の疼きより、恐怖しているのはそのことばかりだ。
「泣いた顔も可愛い顔だなぁ、美形ってのは何しても様になるなァ」
蔑みをこめた口調で、オレの顔に向けてびちゃびちゃと精液を放つ男すら、今のオレにはどうでもよかった。
媚薬で体内が疼いて、腰の動きも止まらないこともどうでもいい。
頭はもう麻痺している。
東流に電話が繋がってしまったことが、オレの頭の中をぐるぐると駆け巡っている。
オネガイだから、こないでくれ。
ここには総勢30人ほど東高のやつらが集まっている。
見えすいた罠に飛び込んでくるほど、頭に血が上ってないよな……トール。
ひとりでノコノコこねえよな……。
この姿を見られることも、怖くて仕方がなかったけど、何よりそのせいで東流が傷つくのに耐えられない。
外でグオオオオンという聞き慣れたバイクの唸り声が聞こえる。
トール?
「!!ーーッひ、イ、イヤ、……ッだァァァ」
絶望的な思いの中、ぐぐっと奥を貫かれガクガクと全身を震わせると、オレはあまりの絶望感に突き落とされ、パニックへと陥って悲鳴をあげた。
バリバリバリバリ
身体が馬鹿になったように中がうねり、絶望の中で快感が追い詰めてくる。
男が、慌てて俺の体を引き剥がしても、なお、俺は痙攣が止められずにビクビクと跳ね続ける。
トタン板の扉がまるで裂けるように割れて、隙間からバイクがスピードを落とさずに突っ込んでくる。
悲鳴をあげて逃げ惑う男達を跳ね飛ばして、その辺に転がっている木材を拾うと振り回しながら、顔を血まみれにした東流が大暴れしはじめているのが、霞んだ目に映る。
バカ………。
バイクごと乗り込むヤツがいるかよ……っ、ほんと、やること、めちゃくちゃ、だな。
呆れながらも、酷い頭痛が軋むように警鐘を鳴らす。
…………バカ……やろ……そんなむちゃ、したら、オマエも大怪我すんじゃねえか…………。
悲鳴と怒号が聞こえる。
それが、また耳に響いて、頭を締め付けるような痛みを増加させる。
応戦しようとする男たちが、東流の方に押し寄せているが、無表情に東流は一気になぎ倒す。
…………ヤバイ時のかお、してる。
ひでえな……神様………やっぱ、いねーんかな…………。
ちっとも、願い事なんか聞いてくんねえんだな…………ほんの、ささいな…………いのりでさえ…………と、どかないん、だ。
もし、それでもホントに神様がいるなら…………。
このまま、すべて…………なにもかも、わすれさせて、くれ。
意識がのまれていく感覚に、俺はそのまま身を任せた。
東流に電話が繋がってしまった。
いま、オレに残されたことは、そんな僅かないのりしかない。
神なんか元から信じてなんか、いない。
だけど、今オレが頼めるのはいない筈の神様だけだ。
東流にこないでほしいという、小さなねがいだけ。
体を貫き、内部を圧迫して苦しめる肉の感覚に、脳髄まで揺さぶられていく。
ひどい吐き気に襲われても、胃液すら吐くことすらできない。
苦悶と情けない嗚咽の声しか、乾いた唇からは漏れない。
このまま、そう…………こいつらに殺されてもいい。
もう、十分だろ。
十分…………オレには十分すぎるくらい幸せな時間を過ごした。
夏休みだけでいいと考えてたのに。
東流に殺されなくても、想いを遂げて拒否された時点で、オレは命を断つつもりでいた。
あんな卑怯で醜いことをしたオレには、半年でも充分すぎる。
神様とやらが、それだけの幸せをくれたのだから。
信じちゃいない、だけど、万が一にも神様ってやつがいるっていうなら。
ここで、オレを、終わらせてほしい。
何人か入れ替わって、次々にオレの体の中に体液を吐き出し欲望のままに汚していく。
こんな姿を東流に見られたら、どちらにしろ、おしまいに違いない。
怖くて怖くて、涙が出てきて、止まらない。
どこかで、もう充分すぎるって思ってるのに。
未練がましく、東流を失うのがこわい。
内部を揺さぶる動きより、どうにもならない体の疼きより、恐怖しているのはそのことばかりだ。
「泣いた顔も可愛い顔だなぁ、美形ってのは何しても様になるなァ」
蔑みをこめた口調で、オレの顔に向けてびちゃびちゃと精液を放つ男すら、今のオレにはどうでもよかった。
媚薬で体内が疼いて、腰の動きも止まらないこともどうでもいい。
頭はもう麻痺している。
東流に電話が繋がってしまったことが、オレの頭の中をぐるぐると駆け巡っている。
オネガイだから、こないでくれ。
ここには総勢30人ほど東高のやつらが集まっている。
見えすいた罠に飛び込んでくるほど、頭に血が上ってないよな……トール。
ひとりでノコノコこねえよな……。
この姿を見られることも、怖くて仕方がなかったけど、何よりそのせいで東流が傷つくのに耐えられない。
外でグオオオオンという聞き慣れたバイクの唸り声が聞こえる。
トール?
「!!ーーッひ、イ、イヤ、……ッだァァァ」
絶望的な思いの中、ぐぐっと奥を貫かれガクガクと全身を震わせると、オレはあまりの絶望感に突き落とされ、パニックへと陥って悲鳴をあげた。
バリバリバリバリ
身体が馬鹿になったように中がうねり、絶望の中で快感が追い詰めてくる。
男が、慌てて俺の体を引き剥がしても、なお、俺は痙攣が止められずにビクビクと跳ね続ける。
トタン板の扉がまるで裂けるように割れて、隙間からバイクがスピードを落とさずに突っ込んでくる。
悲鳴をあげて逃げ惑う男達を跳ね飛ばして、その辺に転がっている木材を拾うと振り回しながら、顔を血まみれにした東流が大暴れしはじめているのが、霞んだ目に映る。
バカ………。
バイクごと乗り込むヤツがいるかよ……っ、ほんと、やること、めちゃくちゃ、だな。
呆れながらも、酷い頭痛が軋むように警鐘を鳴らす。
…………バカ……やろ……そんなむちゃ、したら、オマエも大怪我すんじゃねえか…………。
悲鳴と怒号が聞こえる。
それが、また耳に響いて、頭を締め付けるような痛みを増加させる。
応戦しようとする男たちが、東流の方に押し寄せているが、無表情に東流は一気になぎ倒す。
…………ヤバイ時のかお、してる。
ひでえな……神様………やっぱ、いねーんかな…………。
ちっとも、願い事なんか聞いてくんねえんだな…………ほんの、ささいな…………いのりでさえ…………と、どかないん、だ。
もし、それでもホントに神様がいるなら…………。
このまま、すべて…………なにもかも、わすれさせて、くれ。
意識がのまれていく感覚に、俺はそのまま身を任せた。
0
お気に入りに追加
360
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
メカクレショタ灰世くんの人生終了排泄ショー
掌
BL
大人しく地味なメカクレ少年、灰世くんが担任の教師に目をつけられ、身体をドスケベ開発される中で元々持っていた破滅願望をさらけ出され人生終了なショーを開催するお話。
かなり強めの大スカ描写が含まれますのでご注意ください!
コミッションにて執筆させていただいた作品です。ありがとうございました!
・web拍手
http://bit.ly/38kXFb0
・X垢
https://twitter.com/show1write
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
首輪 〜性奴隷 律の調教〜
M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。
R18です。
ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。
孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。
幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。
それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。
新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる