俺たちの××

怜悧(サトシ)

文字の大きさ
上 下
165 / 353
三学期編

予備校→side Y

しおりを挟む
「日高くん、お昼ご飯一緒にどうかな?」

予備校の同じクラスの女の子たちが、3人くらいわさわさとやってくる。
「……ごめんね。今日は、家に人がいないからダメなんだ。お昼に犬の面倒をみなくちゃいけなくて」
オレは、荷物を抱えながら一旦家に戻る準備をいそいそとする。
部屋で放置プレイしっぱなしの東流が気になって、勉強にも手が付かない。
まあ、楽しみで仕方がなくて、だけど。
「そっか。ざんねんー。日高くんって犬派なんだね。どんな犬?」
女の子たちは、会話を続けようとするが、オレには構う時間がない。
きっとオレを必死に待っている東流のところに、一刻も早く戻ってやりたい気持ちでいっぱいである。

「大きな黒いドーベルマンだよ。他の人に懐かないから、オレがエサをあげないといけなくてね。次の講義までにもどるから、すぐに行かないといけないんだ」

偽物の笑顔をはりつけて、横に手を振るとダッシュで予備校を出る。
少しでも、早く帰ってやらなきゃな。

待ち遠しい時間が、少しでも長くなるように。


「おまえら、日高にあんまり深入りしない方がいいぞ」

女の子の1人に、一見スポーツマンぽい体つきで優等生タイプの男子が声をかける。
「あー、僻んでるんでしょ?日高くんが超イケメンだからって。松坂じゃ、到底かなわないって」
キャッキャッと女子たちは楽しそうに笑いながら声を弾ませる。
「ちげーって、北高のやつに聞いたけど、あの超不良のハセガワと付き合ってるらしいぞ」
「まさかのモーホーネタとか!?また、変な噂信じてきちゃって。ああでも、あんだけ綺麗な顔をしてたら、あるあるじゃない?」
ひとりの女子は、興奮しだして、まさかーとか、ありえなーいとか、萌えるんだけどー、とかハシャギはじめる。
「不良かー、じゃあ脅されてるのかな。日高くん可哀想」
「とりあえず、アイツにからむと、東高とか出てくるって噂だから、あんまり近寄らないほうがいいぞ」
男の言葉に女子たちは頬を膨らます。
「えー、日高くんはあたし達の触れるアイドルなのに!」
「やっぱり、松坂ねたんでるんじゃないの?ホントに分不相応だわ」
女子たちにネチネチとやりこめられて、松坂はため息をついた。

「とりあえず、オマエら忠告はしたからな。ハセガワはマジでやばいからな!」

「松坂ー、大きなお世話サマー」 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

メカクレショタ灰世くんの人生終了排泄ショー

BL
大人しく地味なメカクレ少年、灰世くんが担任の教師に目をつけられ、身体をドスケベ開発される中で元々持っていた破滅願望をさらけ出され人生終了なショーを開催するお話。 かなり強めの大スカ描写が含まれますのでご注意ください! コミッションにて執筆させていただいた作品です。ありがとうございました! ・web拍手 http://bit.ly/38kXFb0 ・X垢 https://twitter.com/show1write

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

無理やりお仕置きされちゃうsubの話(短編集)

みたらし団子
BL
Dom/subユニバース ★が多くなるほどえろ重視の作品になっていきます。 ぼちぼち更新

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

支配された捜査員達はステージの上で恥辱ショーの開始を告げる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

首輪 〜性奴隷 律の調教〜

M
BL
※エロ、グロ、スカトロ、ショタ、モロ語、暴力的なセックス、たまに嘔吐など、かなりフェティッシュな内容です。 R18です。 ほとんどの話に男性同士の過激な性表現・暴力表現が含まれますのでご注意下さい。 孤児だった律は飯塚という資産家に拾われた。 幼い子供にしか興味を示さない飯塚は、律が美しい青年に成長するにつれて愛情を失い、性奴隷として調教し客に奉仕させて金儲けの道具として使い続ける。 それでも飯塚への一途な想いを捨てられずにいた律だったが、とうとう新しい飼い主に売り渡す日を告げられてしまう。 新しい飼い主として律の前に現れたのは、桐山という男だった。

消防士の義兄との秘密

熊次郎
BL
翔は5歳年上の義兄の大輔と急接近する。憧れの気持ちが欲望に塗れていく。たくらみが膨れ上がる。

処理中です...