俺たちの××

怜悧(サトシ)

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夏休み編

正しい松葉杖の使い方?→side S

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犯罪の片棒を担いでるよな。コレ。

実際捕まったら、傷害と拉致と、なんだろう。
未成年割引きはきくとしても、ヤバイ橋なのは確かだ。
周りを囲まれないように、康史に近づく奴を軽くいなして、道路に転がす。

康史は、まるで怪我などしていないかのような動きで、鮮やかに武器になっている松葉杖を振り回して敵をなぎ倒して行く。
松葉杖の使い方、根本的に違うような気もする。
俺は康史に倒された男たちを木陰に引きずりこんでロープをかけて縛り上げる。
康史の方がこの作業は得意だと思うのだが、とりあえず、拉致係を引き受けた。怪我をしてるのにもかかわらず、なるだけ俺を乱闘には参加させないように気を使ってはいるらしい。
まあ、片足でこの荷物をバンヘと載せるのはキツイかな。
確かに非戦闘員ではある。でも、これは犯罪だよな。
深々とため息をついて、気を失っている男たちの首筋に、康史から預かったナックルタイプのスタンガンを押し当てる。
チラッと後ろに視線をやると、康史はまだ対戦中のようだ。
怪我してるからって、かばう必要ないだろ、こいつは普通の怪我人じゃねーよ。
「おーわっり。誠士がいてよかったぜ。松葉杖つきながら、拉致できねえもんなあ」
腕に倒した相手をひきずりながら、バンの中をのぞき込む。

「襲われても返り討ちできるよなあ、どう考えても東流がオマエの実力を甘く見過ぎてんじゃないか?」
バンの後ろに荷物を詰め込み、気を失ってる男らを眺めて、俺はしみじみとつぶやいた。
大体、いつも甘やかしすぎだ。
コイツだって、東流を強姦するくらいの半端なさはもってるってのに、当の本人が大事にしすぎてどーすんだって。
「んな、弱々だったらトールのそばにはいらんねえでしょ。でも、トールより弱いからね。較べる基準が自分より強いかどうかだから、アイツは。でも、ほら、普段は守られるのって嬉しいしな。今回は裏目に出ちまったけど」
悔しそうに握り拳を握る康史に、俺はバンの助手席の扉をあけてやりながら肩を叩く。

「無理はすんなよ。ある程度なら力を貸すからな」

「ああ、アリガトな。トール、無事かな……殺されてはないかな」

不安そうな顔をする康史に、再度大丈夫だと返して運転席に乗り込み、車を廃校へと向かわせた。

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