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第二話 イザリス砦に棲む獣

汝、詐称するなかれ(商売魂、或いは瞞し) ★

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「さぁさぁ、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい! 親愛なる、あぁ……イザリス平原の皆々様、どちら様も御覧下さい! 日がな一日厳しい労働についておられる皆々様にわたくしめがお届けするのは、世にも貴重な万能薬で御座います。その名も『アーサー・ウェリントン・エリクサー』七つの特許により精製されたこの薬の効能は、遠く東海岸のヘイルグレイスでも大人気、感謝の便りが絶えることはございません。しかし、しかしでございます! 我がアトラスの発展は東部でのみ行われているのでしょうか? 欧州に並んだのは東部人達の成功でしょうか? わたくしは否だと考えます、アトラスのめざましい成長は身を粉にして西部フロンティアを開拓した皆様があってこそ! 真なる功労者を差し置いて、この素晴らしい薬を東海岸で消費してしまっては、アトラス発展に尽力注ぐ方々に申し訳が立たないと、真の特効薬を作っている唯一の会社の代表である、わたくし自らこうしてお届けに参った次第でございます!」

 掴みは完璧である。
 シルクハットの紳士は、聴衆の耳を見事に惹き付けてセールトークを振るい続ける。労働者達だけでは無い、レイヴンの近くにも見事に釣られた女がいた。

「おもしろそうですね、レイヴン。すこし見ていきましょう!」
「お前、ああいうの好きだなぁ……」
「だって万能薬ですよ? スゴいじゃないですか⁈」

 渋々レイヴンは馬を足を止めた。というか、アイリスが前を塞いでいるので止まるしかなたのだが、おかげで紳士に目を付けられることとなる。彼女の一言をダシにして、紳士の弁舌は勢いを増した。

「おっ! そちらの美しいお嬢さんはお目が高いですな! その通り、万病に効く特効薬とは素晴らしいものであります、皆様を悩ませる身体の不調をほぼ全て解決してくれる事でしょう。リウマチで苦しんでいる方はいらっしゃいませんか? 重労働で腰痛を煩っている方は? 滋養強壮は当然のこと、頭痛、腰痛、肘、膝の痛み、リウマチ、神経痛、難聴、喘息、痰切り、吐き気、弱った視力も元通り。急性でも慢性でも効果は覿面、腫れ物、ねんざ、喉の痛み、切り傷、打撲、脱臼、痙攣、神経痛、筋肉痛、耳痛、歯痛を取り除き、勤労なる皆様を若返らせてくれます。おっと健康体と自らの肉体に自信をお持ちの貴方、立ち去るにはまだ早いですぞ。この薬の特効は病を治すだけに留まりません、誰しも思うでしょう、いつまでも若く健康でありたいと。その願いはわたくしの万能薬こそが叶えてくれるのです、老いた肉体を若返らせ、力溢れる肉体はいつまでも若く在り続けます。そう! 幾つになっても女性を満足させる、本物の男で居続けられるのです!」

 そんな都合のいい話があるものか。熱心に耳を傾ける人だかりの中で、レイヴンはだけは冷めた目で首を振っていた。

「……馬鹿馬鹿しい、行くぞアイリス」
「え~、もうちょっとだけ」
「俺達には目的があるだろ、思い出せ。ほら行くぞ」
「うぅ、はいです……」

 あっさり見切りをつけたレイヴンが先に征けば、アイリスも未練たらしく歩き出す。怪しさ満点の売り文句に傾ける耳があるなら、砦に入る方法を探してもらいたいもの。だから、紳士の最後の呼びかけも、レイヴンは無視するのだった。

「ああ、何と勿体ない! 彼は千載一遇の機会を無知によってフイにしてしまいました。しかしです、残られた皆様にとっては朗報でしょう。こちらの万能薬はどうしても数が作れないものでして、誠に申し訳ないのですが本日は僅かしかお持ちできていないのです。わたくしとしましても、出来るだけ多くの方を病より救って差し上げたいのですが、なにぶん原材料には、ドラゴンの角とダークエルフの森からのみ採取可能な薬草を使用しており――」

 人だかりから離れた酒場にシェルビィを繋いだレイヴン達は最後までは聞き取れなかったが、それにしても大胆な広告をぶったものだ。あれだけ露骨な大言壮語を披露されれば、むしろ信じ込む輩が出てくるかもしれないが、少なくともレイヴンには馬糞が健康食だと言っているのと大差なく聞こえている。

 世迷い言と似たり寄ったりな売り文句よりも、酒場で情報収集した方がどれだけ為になることか。さっさとシェルビィを繋ぎ終えると彼は酒場へと入っていき、軽快なリズムを刻むピアノ弾きを一瞥してからカウンターへ直行すると、ウィスキーを注文した。

 バーテンから話を訊くにもまずは注文するのがマナーだ。金にならない客をもてなす理由は彼等にはないから、舌の滑りを良くする為にも吞む必要がある。

「お連れさんは? 何にします?」
「え、わたしです?」

  レイヴンを真似てカウンターに寄り掛かってみたアイリスも、バーテンにとっては当然商売相手であるが、彼女はあたふたし始めたのでレイヴンは助け船を出してやる。

 金貨が一枚カウンターで跳ねた。
「俺と同じのを」

 注文うければ仕事は早く、あっという間に二人の前にはグラスが二つ並んでいた。

「これは、なんです? レイヴン」
「酒だよ。ああ、つっても、お前は飲んだことないだっけか」
「果実酒ならちょっとだけ飲んだことはありますけど……、このお酒ははじめてです」
「ならイケるだろ。こうやって飲むんだ、見てろよ」

 言ってレイヴンは一口でグラスを空け、促すようにアイリスを見遣る。強烈なアルコールに喉を焼かれているが、飲み慣れている彼はおくびにも出さずに彼女を待った。

「……なにか、期待してます?」
「いいや。まぁ、無理にとは言わねえよ」
「むむっ、レイヴン、今ちょっとバカにしましたね? わたしがお酒を飲めないと思ってるならまちがいですよ」

 そして、豪快に一口。
 しかし見様見真似でウィスキーを含んだアイリスが、すぐさまグラスに酒を戻したのを見て、レイヴンは意地悪い笑みを浮かべるのだった。

「へっへへへ、アイリスでも流石にキツかったか」
「うべぇ、げほげほッ……! なんですかこれ⁈ レイヴン、ひどいです!」
「ああ悪かった、悪かった。少しふざけすぎた」

 まだ噎せている背中をさすってやりながら、レイヴンは笑う。龍でもいきなりウィスキーの一気飲みは無理があったようだ。

「くちのなかがぴりぴりします……。火をふきそうです……、こんなに強いお酒があったなんて……よく飲めますね、レイヴン」
「これが大人の味だ。――バーテン、ミルクをくれ」
「わ、わたしは充分に大人です!」
「そうだな。じゃあミルクはいらないか」
「いります! 飲みます!」

 レイヴンからグラスを引ったくるとアイリスは焼けた喉を冷やし、それからバーテンにカウンターを汚してしまったことを詫びた。
 噛み煙草を愛用するカウボーイがそこら中に唾を吐き散らすから、今更汚れの一つなどバーテンは気にしていなかったろうが、彼女の丁寧な振る舞いが好印象を与えたのは確かだ。その証拠として、アイリスが戻したウィスキーの代わりに、バーテンはビールを出してくれていた。

「苦いでしょうが、ウィスキーよりは飲みやすいはずです」
「あ、ありがとうです」
「果実酒があればいいんですが、この辺では手に入らないのでビールで我慢してください」

 アイリスの人柄もさることながら、このバーテンも人が良いのだろう。
 ならばこの機を逃す手はないとレイヴンは情報収集に入る。まずは注文から、彼は二杯分の代金をカウンターに置いた。

「俺にももう一杯くれ。それから、あんたにも一杯奢るよ」
「よろしいので?」
「連れが世話になったんだ、詫びくらいさせてくれ」
「もう、誰のせいですか、誰の⁈」

 ふくれっ面したアイリスに肩を叩かれてもレイヴンは気にしない。その漫談じみたやりとりが受けたのか、バーテンも様相を崩していた。

「仲がよろしいようで。では、ありがたく一杯いただきます」

 互いにグラスを掲げてからチビリと一口、それからどう切り出そうかレイヴンが考えていると、幸いなことにバーテンの方から話を振ってきてくれた。どうやら人が良いだけでなく、この男は会話好きらしい。

「お二人は、どこからいらしたんです? 西ですか、東ですか?」
「東からです、森を超えてきたんです」
「フラスコの森の先というとデュラン郡ですね。あっちじゃ、魔女が盗賊率いて暴れてたって聞いてます、酷い有り様だったらしいですね。魔女がいるって事さえ信じられませんが、大々的に新聞に書かれてるとなると、本当の事なんですかね」

 本当の事である。
 なにしろ関わったのだから誰よりも詳細に語れるが、余計な波風立てないように、そしてそわそわし始めたアイリスがボロを出す前に、レイヴンが答えてやる。

「俺達も詳しくは知らない、通ってきた時には魔女は死んだ後だった」
「……そうですか。折角なので魔法がどんなものか聞きたかったんですけどね」
「呪文を唱えて火をおこしたり、龍を操ったりしてたそうだ。又聞きだが、みんな口を揃えて同じ事を言ってたぜ」
「事実だとしたら恐ろしい。東海岸じゃあ魔法が広まってるとも聞きますが、危険なんじゃないですかね。魔女に国を乗っ取られるかもしれない。そもそも魔法なんて使える連中を野放しにしておくべきじゃないんだ」

 やはり、魔法や魔女に対する認識は西部にはまったくと言っていいほど広まっていない。無知が生む猜疑心と云われない悪評には、例えそこに悪意が無くても、魔女の友人を持つ身であるアイリスは、ムッとしてしまう。それに魔女と云うだけで一括りにして、悪者の札を下げられては彼女達だって堪ったものじゃないだろう。

「バーテンさん、魔女がみんな悪者だと思わないでほしいです」
「なんだい急に怖い顔して。あんた、魔女の肩を持つのかい?」
「誰の側に立つとか、そういう話じゃありません。どうして魔女だけが悪者です? 人間にわるい人はいないんです? 自らが絶対的正義であるというその考えは、あまりに驕りがすぎると思いませんか」
「言葉の綾だって、落ち着けアイリス」
「けど、レイヴン……」

 それでも退かぬアイリスを彼は黙して見据えた。
 興奮するのは判るが、魔女絡みで騒げば面倒な事になるのだ。悔しいだろうが、冷静に諭せないなら彼女には耐えてもらうほかない。

「――なぁバーテン。サウスポイントの人間も似たような心配してたが、俺は便利だと思うぜ、魔法。女にしか魔法は使えないらしいが、道具にでもなれば、楽に火をおこしたり、どこでも水が汲めるかもしれない。部屋の中を涼しくしたりも出来るだろうよ、どう思う?」
「ああ……、そいつはいいな……。冷えた酒を提供できれば、店も儲かる」
「だろ? 結局は使い方の問題さ。魔女が悪いんじゃねえ、魔法を悪用する魔女が目立つだけなんだよ。同じ銃を提げてようが、保安官と盗賊を同列に見ねえのと同じだ。それにアトラスは元から東と西で、別の国みたいなもんだ。南北で内戦はやったから、次は東西でやることになっても驚かないね」
「確かに東西南北四つ巴になっても疑問に感じませんが、戦争に巻き込まれるのは勘弁です。厄介事は商売の邪魔だ、魔女にも戦争にも関わりたくない」

 ……舌の滑りも善くなってきたようだし、ここらで伺いを立てても良いだろう。レイヴンは何気なくグラスを傾けつつ、自然に探りを入れていく。

「厄介事といえば、砦の方で何かあったのか? あそこで一晩休もうと思ってたんだが、門前払いを喰っちまってね」
「ああ、あれは一時的な対応らしいです。砦から北に行ったところに水源があるんでがね、最近その辺りで怪物が出るって噂になってるんですよ」
「ふん、怪物が丁寧に正門から訪ねるか?」
「いえまさか、彼等が守っているのは砦内の治安だ。怪物の首に賞金が掛かってからと言うもの、賞金稼ぎが砦に集まってきましてね。最初のウチこそ行儀はよかったが、死人ばっかり増えるウチにくだ捲くばっかしになっちまった。中で決闘騒ぎは起こすは喧嘩はするは、住民にとっては大迷惑だ。その所為で、砦に入る人間を選別してるんですよ」
「頭が痛い話だな……」
「ええまったく。ところで、お客さんも賞金目当てですか?」
「女連れで怪物退治なんてのはお伽話の中だけだぜ。砦の中ならアホ面でも寝ていられる、たまには気を抜いて休みてえのさ」
「それには通行証が必要ですが誰も手放さねえでしょうね。持ってるのは商人連中だが、飯の種を譲るはずが無い。宿をお探しなら、ここの上階にも部屋はありますよ」

 商人か……。
 レイヴンはカウンターの奥にある鏡を見て、そこにある人物を振り返る。角のテーブルでカードに興じている男は、肉体労働でよりも頭で稼ぐタイプのようだ。

「あの男は砦に入れるか?」
「……さあね。店の中でトラブルは御免だ」

 実に迷惑そうに顔を顰めたバーテンの台詞、つまりは肯定だ。

「それだけ聞ければ充分だ。心配しなさんな、迷惑はかけねえよ」
 アイリスに待っているよう合図を出すと、レイヴンはカウンターを離れ、カードに興じている男達のテーブルへと歩み寄っていった。
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