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3.キス ナギ視点
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『今すぐ体育倉庫に来い』
ふぅ。学校では特に気配を消していよう。そう思っていたのにタイキくんはそれを許してくれないらしい。
断るのも怖いし、行くのも怖い。
でも行かないとまた無理矢理犯されるかもしれないし・・・。
僕は重い足取りで体育倉庫に向かった。
「遅いぞ。」
「ご、ごめん・・・。」
「お前、朝ヒロトと何話してたんだ?」
「え?ヒロト?」
「話してたろ?」
あぁ、あの人か。朝、調子に乗るなと声をかけてきたイケメン。
「あ、うん。タイキくんと一緒にいただろって。何で?って。」
「で、お前はなんて答えたんだよ。」
「何でか分からない。タイキくんの気まぐれだと思うって・・・。」
「はぁ?まぁいいか。ナギが標的になっても良くないしな。」
「??標的?」
「お前、本気でそう思ってるわけじゃないよな?」
「えっと、割と本気で思ってる。どうして僕に構ってくるのか分からない。
タイキくんの周りの人に虐められたくないから、できればあまり構わないでくれると嬉しいんだけど・・・。」
「んだよそれ!」
また僕は、タイキくんの地雷を踏んでしまったらしい。
「ご、ごめん。僕みたいな冴えないやつが生意気なこと言ってごめん。」
殴られるかと思って、僕はギュッと目を閉じた。
歯を食いしばって、拳を握って次に来る衝撃に備えた。
でも、衝撃はいつまで経っても来なかった。
僕がそっと目を開けると、タイキくんが悲しそうな顔で僕を見つめていた。
「お前の彼氏は俺だって言ったよな?」
「あ、うん。」
「またお前のことめちゃくちゃに犯してやりたい。」
「っ・・・。うわっ・・。」
やっぱり僕を犯す機会を伺ってたんだ・・・。
そのギラギラした目が怖くて、僕は思わず後ずさると、床に置いてあった物に躓いて尻餅をついた。
「ふーん、襲っていいよってこと?」
「ち、違う・・・・んん、、はぅ、、ぁふ、、ん、、、」
タイキくんは僕のメガネを取って、僕に覆い被さるみたいにしてキスをしてきた。
いつもの触れるだけのとは違って、唇の間からねじ込まれた舌が、僕の舌に絡んで歯茎の裏とか上顎とか色んなところを刺激してきて、変な声が出た。
「えっろ。何その声。お前そんなんで俺のこと誘ってないって言えんの?」
「・・・う・・・ごめん・・。そんなつもりじゃないんです。」
「へー、でも声は完全に俺を求めてた。気持ちいいって言ってたぞ。」
「そんなこと・・・」
「何?お前、俺のキスに不満があんの?気持ちよくなかったって言いたいの?」
「そ、そんなこと、ないです。き、気持ちよかった。タイキくんのキスは気持ちよかった・・・です。」
不満なんてない。いや、キスされる意味が分からないから不満というか疑問はあるけど。気持ちよくないなんて、そんなこと言ったら何されるか分からないから、僕は必死に気持ちよかったと言った。
そうしたら、タイキくんはちょっと機嫌がよくなったみたいだった。
ふぅ、よかった。間違ってなかったんだ。
「もう一回してやろうか?」
「え?いえいえいえいえ、そんな、遠慮させていただきます。」
「何?お前、俺がキスしてやろうって言ってんのに断んの?」
「いえ、そんなことは・・・キ、キス、してほしいです。」
何で僕にそんなことを言わせるんだろう。いつも僕に断りもなく無理矢理キスするじゃん。分からない。まるで僕がタイキくんのことが大好きみたいなこと言わせるなんて本当になんで?服従させたいとかそういうことなのかな?
だとしたら、媚びておいた方がタイキくんの機嫌を損ねないのかもしれない。
僕は、タイキくんを見上げるように上を向いて、タイキくんの着崩したシャツの裾を握って目を閉じた。
「う・・・、ナギ、そんなに煽るなよ。我慢できなくなるだろ?」
「え?・・・・んふぁ、、ぁ、、はぅ、、はぁ、、んん、、、」
正解だったみたい。タイキくんはさっきより優しくキスしてくれた。
あ・・・優しくキスされると、本当に気持ちいいかも。吐息の熱さと、絡められた舌の感触に力が抜けていく。
舌をジュウって吸われて、唇を優しく食まれて、思考が止まる。
あ・・・唇が離れていく・・・。残念だな。
え?僕いま残念って思った?なんで?熱があるのかもしれない。きっとそう。
「お前、なんて顔してんだよ。そんな蕩けた顔しやがって。」
「・・・あ、ごめん。」
「謝るな。もう一回してやるよ。」
「うん。、、んん、、ぁ、、ふぁ、、ぁ、、んん、、、」
「可愛い。」
僕はタイキくんに抱きしめられた。
だから僕はタイキくんの背中に手を回して、タイキくんの胸に頬を寄せてギュッと抱きしめ返した。
心臓の音が聞こえる。思ったより鼓動が早い。タイキくんみたいないつもキラキラな人たちに囲まれてる人が、僕になんてドキドキするわけないのになんで?不思議。
「ナギ、土曜一緒に出かけるぞ。」
「え?あ、うん。分かった。」
思わずなんで?とか言いそうになったけど、きっと言ったらタイキくんの機嫌を損ねるんだろうと思って、すぐに了承した。
まさか、仲間がいっぱいいるところで辱められるとかそんなことないよね?
凄く不安・・・。
「お前、コンタクトにしねぇの?」
「うん。したことない。」
「そうか。まぁメガネの方が安全か。ちゃんと顔隠して前髪も切るなよ。」
「あ、うん。分かった。」
「いい子だ。」
なぜか僕は頭を撫でられて、メガネをかけられて、別々に教室に戻ることになった。
ふぅ。学校では特に気配を消していよう。そう思っていたのにタイキくんはそれを許してくれないらしい。
断るのも怖いし、行くのも怖い。
でも行かないとまた無理矢理犯されるかもしれないし・・・。
僕は重い足取りで体育倉庫に向かった。
「遅いぞ。」
「ご、ごめん・・・。」
「お前、朝ヒロトと何話してたんだ?」
「え?ヒロト?」
「話してたろ?」
あぁ、あの人か。朝、調子に乗るなと声をかけてきたイケメン。
「あ、うん。タイキくんと一緒にいただろって。何で?って。」
「で、お前はなんて答えたんだよ。」
「何でか分からない。タイキくんの気まぐれだと思うって・・・。」
「はぁ?まぁいいか。ナギが標的になっても良くないしな。」
「??標的?」
「お前、本気でそう思ってるわけじゃないよな?」
「えっと、割と本気で思ってる。どうして僕に構ってくるのか分からない。
タイキくんの周りの人に虐められたくないから、できればあまり構わないでくれると嬉しいんだけど・・・。」
「んだよそれ!」
また僕は、タイキくんの地雷を踏んでしまったらしい。
「ご、ごめん。僕みたいな冴えないやつが生意気なこと言ってごめん。」
殴られるかと思って、僕はギュッと目を閉じた。
歯を食いしばって、拳を握って次に来る衝撃に備えた。
でも、衝撃はいつまで経っても来なかった。
僕がそっと目を開けると、タイキくんが悲しそうな顔で僕を見つめていた。
「お前の彼氏は俺だって言ったよな?」
「あ、うん。」
「またお前のことめちゃくちゃに犯してやりたい。」
「っ・・・。うわっ・・。」
やっぱり僕を犯す機会を伺ってたんだ・・・。
そのギラギラした目が怖くて、僕は思わず後ずさると、床に置いてあった物に躓いて尻餅をついた。
「ふーん、襲っていいよってこと?」
「ち、違う・・・・んん、、はぅ、、ぁふ、、ん、、、」
タイキくんは僕のメガネを取って、僕に覆い被さるみたいにしてキスをしてきた。
いつもの触れるだけのとは違って、唇の間からねじ込まれた舌が、僕の舌に絡んで歯茎の裏とか上顎とか色んなところを刺激してきて、変な声が出た。
「えっろ。何その声。お前そんなんで俺のこと誘ってないって言えんの?」
「・・・う・・・ごめん・・。そんなつもりじゃないんです。」
「へー、でも声は完全に俺を求めてた。気持ちいいって言ってたぞ。」
「そんなこと・・・」
「何?お前、俺のキスに不満があんの?気持ちよくなかったって言いたいの?」
「そ、そんなこと、ないです。き、気持ちよかった。タイキくんのキスは気持ちよかった・・・です。」
不満なんてない。いや、キスされる意味が分からないから不満というか疑問はあるけど。気持ちよくないなんて、そんなこと言ったら何されるか分からないから、僕は必死に気持ちよかったと言った。
そうしたら、タイキくんはちょっと機嫌がよくなったみたいだった。
ふぅ、よかった。間違ってなかったんだ。
「もう一回してやろうか?」
「え?いえいえいえいえ、そんな、遠慮させていただきます。」
「何?お前、俺がキスしてやろうって言ってんのに断んの?」
「いえ、そんなことは・・・キ、キス、してほしいです。」
何で僕にそんなことを言わせるんだろう。いつも僕に断りもなく無理矢理キスするじゃん。分からない。まるで僕がタイキくんのことが大好きみたいなこと言わせるなんて本当になんで?服従させたいとかそういうことなのかな?
だとしたら、媚びておいた方がタイキくんの機嫌を損ねないのかもしれない。
僕は、タイキくんを見上げるように上を向いて、タイキくんの着崩したシャツの裾を握って目を閉じた。
「う・・・、ナギ、そんなに煽るなよ。我慢できなくなるだろ?」
「え?・・・・んふぁ、、ぁ、、はぅ、、はぁ、、んん、、、」
正解だったみたい。タイキくんはさっきより優しくキスしてくれた。
あ・・・優しくキスされると、本当に気持ちいいかも。吐息の熱さと、絡められた舌の感触に力が抜けていく。
舌をジュウって吸われて、唇を優しく食まれて、思考が止まる。
あ・・・唇が離れていく・・・。残念だな。
え?僕いま残念って思った?なんで?熱があるのかもしれない。きっとそう。
「お前、なんて顔してんだよ。そんな蕩けた顔しやがって。」
「・・・あ、ごめん。」
「謝るな。もう一回してやるよ。」
「うん。、、んん、、ぁ、、ふぁ、、ぁ、、んん、、、」
「可愛い。」
僕はタイキくんに抱きしめられた。
だから僕はタイキくんの背中に手を回して、タイキくんの胸に頬を寄せてギュッと抱きしめ返した。
心臓の音が聞こえる。思ったより鼓動が早い。タイキくんみたいないつもキラキラな人たちに囲まれてる人が、僕になんてドキドキするわけないのになんで?不思議。
「ナギ、土曜一緒に出かけるぞ。」
「え?あ、うん。分かった。」
思わずなんで?とか言いそうになったけど、きっと言ったらタイキくんの機嫌を損ねるんだろうと思って、すぐに了承した。
まさか、仲間がいっぱいいるところで辱められるとかそんなことないよね?
凄く不安・・・。
「お前、コンタクトにしねぇの?」
「うん。したことない。」
「そうか。まぁメガネの方が安全か。ちゃんと顔隠して前髪も切るなよ。」
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