【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。

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37.僕の熱と彼の熱

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 夕方に着いた街で宿を取ると、部屋に入る前にみんなで夕飯を食べに行った。
 そうしないと夕食を食べ損ねると思ったから。

「無事ドラータに戻ってくることができたのはみんなのおかげ。ありがとう。明日には王都に着けるから、あと少しよろしくお願いします」


 ベックとジェフと夕飯を食べるのもこれが最後なのかと思うと、少し寂しくなった。またいつか会えたりするんだろうか?

 それより、ずっとそわそわしているメレディス様が気になる。もう我慢できないんだね。分かるよ。僕も離れている時はやることも色々あったし大丈夫だったけど、メレディス様を前にすると体が熱くなって求める気持ちが止められないんだ。

 宿に戻ると、ドアが閉まるより前に抱きしめられた。


「レスターごめん、先に謝っておく」
「ふふふ、大丈夫です。僕のことたくさん愛して下さい。あ、でもその前にベッドに魔法陣だけ貼らせて下さい」
「分かった」

 僕はきっと激しく求めてくるだろうメレディス様を予想して作っておいた回復の強化版魔法陣と、念のため治癒の魔法陣も貼った。


「メレディス様、お待たせしました」

 振り向くと、メレディス様はもう服を脱いでいて、すぐに抱きしめられてキスが下りてきた。


「はぁ……ぁ……ぁ……ん……」

 いつもより激しいキス。僕のこと食べる気じゃないよね? 舌をジュッと何度も吸われて、もうそれだけで僕は気持ちよくてメレディス様にしがみついた。


「レスター、愛してるよ、愛してる。大好きだよ」
「メレディス様、僕も愛してます。大好きです」


「ぁ……はん……ぁあ……うれしい……メレディス様……だいすき……」

 キスは激しかったのに、僕の肌を撫でる手は優しい。僕の体にたくさんキスをして、胸にもたくさんキスをして僕がピクピクしてしまうのを楽しむみたいにたくさん吸われて触られた。

 そして僕の中心で立ち上がったものにチュッてキスすると、メレディス様の温かい口の中に吸い込まれるように収まった。


「あぁ……出ちゃう……まって……そんなに激しくしたらもう、出ちゃうぅ……ぁ……ぁ……んんん……」

 久しぶりだからか、胸とかたくさん触られたからか、メレディス様が上手すぎるのか、僕の中心で立ち上がったものを舐めながら扱かれるとすぐに達してしまった。


「メレディス様、口に出してごめんなさい。すぐに浄化かけますから」
「もう飲んだから無い」
「え? 飲んだのですか? 大丈夫ですか?」
「レスターのなら何でも美味しい」

 美味しいの? 治癒貼ってあるから大丈夫かな? お腹痛くなったりしないかな? メレディス様のことが心配になった。

 僕に膝を抱えさせると、僕のお尻に指を入れて僕の弱いところばかり執拗に刺激してくる。

「ん……ん……ぁ……ひぁ……あ、ぁあ……あ、あ……ぅんん、メレディス様、きて、もう大丈夫だから……僕の中にきて……」


 やっぱりメレディス様は余裕がないみたいで、僕がそう言うと、僕をうつ伏せにした。
 あの激しいのが来ると思うとドキドキして、少し緊張して、枕を引き寄せて抱きしめた。
 何かにしがみついてないとちょっとキツイから。

 一気に奥までくるのかと思ったら、メレディス様は焦らすようにゆっくりゆっくりと入ってきた。
 なんで? 浅いところを本当にゆっくり少しだけ前後に揺れながら、全然奥まできてくれなかった。


「はぅ……ん、ぁ……やだぁ、おくまできて、早くきて……お願い……ぁ……」

「レスター、優しくしたい。大切だから、ガツガツ貪るようになんてしたくないんだ」

 そんなに大切に思ってくれてるんだ。余裕がないのに、必死に我慢してるの?
 そんなことしなくていいのに。
 だって、僕は期待してたんだ。余裕がないって激しく後ろからされた時、意識が飛びそうになるくらい気持ちよかったから、またしてほしいって思ったんだ。

「お願い……優しいメレディス様も好きだけど、激しく僕を求めてほしい。前みたいに後ろから激しくして。淫らな僕は嫌ですか?」

 後ろでメレディス様がゴクッと唾を飲み込む音がした。次の瞬間、僕の奥まで一気に穿たれた。

「ひぁ……」

「そんなこと言ったら、優しくできないよ? 淫らなレスターは最高だけど、いいのか?」
「いいよ。きて」


「あぁぁ……あっ、あっ、あっ……はげし……もっとして……あっ、あっ……めれりすさま、きもちいぃ……あっ、もっときてぇ……」

「レスター、うっ、そんなに締めるな、気持ちいいが、気持ちいいんだが、もたない……」

 ギュッと枕を抱きしめる僕の腰をしっかり掴んで、メレディス様は僕の奥を激しく突いた。
 気持ちよくて頭の中が溶けそう。

 メレディス様の激情に飲み込まれて、僕とメレディス様が一つになっていくみたい。

 何度イッたか分からない。
 激しく揺さぶられた僕の腰はガクガクになって、それでも幸せで気持ちよくて、もっと求めてほしくて、仰向けにされると僕はメレディス様に抱きついた。

「レスター、大好きだよ」
「ぼくも、すきぃ……もっとして……キスもしたい……」

「おねだりが上手くなったな」
「だめ?」
「ダメなわけない。最高だよ」
「うん」

 たくさんキスをして、たくさん求め合って、メレディス様も何度かイッてるのに全然終わらなかった。
 フワッと意識を飛ばしても、またすぐに戻ってくる。もしかして回復の魔法陣のせい?
 何か変かもしれないと思ったけど、メレディス様が僕のことを求めてくれるのが嬉しくて、僕は気付かないふりをして抱かれた。
 
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