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三章:純真 アダム視点
25.初めての二人 ※
しおりを挟むロディはベッドに向かう前に、自分の部屋に行って謎の小瓶と小箱を持ってきた。
「アダム、脱がしていい?」
「あ、うん」
ロディは慣れた手つきで僕の服を脱がしてくれた。なんで慣れてるんだと思ったけど、小さい頃から一人で着替えをしてきたんだから、当然かもしれない。
ロディは僕の服は全部脱がせたのに、自分は上のシャツを脱がなかった。やっぱり傷跡を気にしているんだろうか?
それならロディのために調べてみよう。古い傷跡でも治せる魔術があるかもしれない。うちの図書室になければ、王都に行った時に王立図書館へ行って調べてみよう。
「ロディの全部が見たい。見せて」
そう言うと、ロディは少し迷っていたけどシャツを脱いだ。さっきは背中しか見てないけど、傷は背中だけじゃなかった。僕はその傷一つ一つに触れて、全部愛しいのだと伝えるように、傷跡にもキスを落とした。
ロディがピクリと反応した。でも僕はこの先どうしたらいいのか分からない。
傷はあるけど、僕みたいにヒョロヒョロじゃなく、ちゃんと筋肉がついて、引き締まった体は綺麗だと思った。
「僕……は、初めてなんだ。やり方も分からない」
「俺も初めてだ。やり方は眉毛のおじいちゃん先生に教えてもらった」
眉毛のおじいちゃん先生? 『石男』に実践形式で無理やりされていないだけまだマシか。それにしても眉毛のじいさんって何だ? 眉毛は大抵の人にあるだろ。眉毛に特徴があるのか、それとも眉毛が無いのか? ちょっと気になる。
ハーマイン家が雇っている者になど会う機会はないが、その人だけは見てみたいと思った。
「この洗浄剤を入れるんだ。お尻に」
ロディは小箱の蓋を開けて、錠剤みたいなのを見せてくれた。尻に?
「そ、そうなんだ。なぜ入れるんだ?」
「汚いからじゃないか? 男同士は尻で繋がるから、汚いのは嫌だろ?」
僕は目を見開いてその錠剤を見た。なぜその錠剤をそんなに凝視したかというと、内容が衝撃的で、ロディの顔も体も見れなかったからだ。そこしか見る場所がなかったというのが正しい。
「そんなに興味があるなら入れてみるか?」
興味がないわけではないが、決して興味津々だから凝視しているわけではない。
「僕も入れるから、ロディも入れて。一緒にする」
「分かった」
きっと二人ですれば怖くない。そう思って提案してみたら、あっさりと了承してくれた。ロディは男前だ。
ロディは僕に入れてくれるって言ったけど、そんなの恥ずかしくて無理だから自分でやると言って、深呼吸を何度か繰り返して、錠剤をグイッと押し込んだ。
ひぇ~、中がショワーっとして、ゾワゾワした。しばらくするとその感覚は落ち着いたみたいだ。
これって、魔術の浄化でいいんじゃないか?
「それで、次はどうする?」
「体の色んな気持ちいいところを触る」
「うん。分かった」
「でも、まずはアダムを抱きしめたい」
そう言うと、ロディは抱きしめてくれた。いつもと違って肌がピッタリと密着して、直にロディの体温を感じた。温かくて気持ちいい。
ロディは僕の背中をそっと撫でてくれて、それも心地よくて、気持ちいい。
「ん……」
「嫌だったか?」
「違う。気持ちよかった」
「そうか。それならよかった」
ロディはたくさんキスをしてくれて、いつもと違うキスをした。舌がぬるりと入ってきて、ロディの温かい吐息がかかる。
あぁ、どうしよう。キスってこんなに甘いのか?
僕の唇をチュウと吸って、舌が口内の色々なところをなぞるように舐めている。僕も真似をして舌を這わせるんだけど、気持ちよくて吐息がハァ~と漏れた。
背中を撫でていた手がそっと前に回されて、僕の乳首に触れた。
「あっ……」
「痛かったか?」
「違う。痛くないけど、恥ずかしい」
「じゃあもう少し触る」
そう言ってフニフニと触られていると、ゾクゾクと痒いような胸の奥が疼くような感じがしてきて、ロディがチュウっと吸うと「ああっ」と変な声を出してしまった。なんかすごく恥ずかしかった。でも気持ちよかった。
「気持ちいい?」
恥ずかしくて目を逸らしながらコクコクと頷くと、「アダム、可愛い」「はぁ、すごく可愛い」「可愛い」と何度も言いながら、ロディは僕の乳首をいじり倒した。
「ろでぃ……おかしくなっちゃう」
「勃ってるな」
「へ?」
何を言ってるのかと思ったら、僕の陰茎に手を伸ばして、用意していた小瓶の中に入った謎の液体を垂らすと、手で包んで扱き始めた。
人にしてもらうなんて初めてで、ぬるぬるする液体と大きなロディの手がちょっと信じられないくらい気持ちよかった。
「ああっ、ロディ、出ちゃう、待って」
そう言ったら、ロディの手は止まった。待ってと言ったのは僕だけど、高みに昇り詰めていく途中で止められると、それはそれで辛い。出したいのに、もっと気持ちよくなりたいのに、もどかしい。
「挿れるだろ? 俺がアダムを受け止めるから、ちょっと待っていてほしい。ちゃんと広げないとどっちも痛いらしいから」
そう言うと、ロディは自分のお尻に指を入れてるみたいだった。
「ん? う、ん? う……」
しばらく待ってると、「見えないからどこまで広げればいいのか分からない」と言った。それって本当は僕がやってあげるやつじゃない? でも僕にできるか分からない。
「ちょっと挿れてみてくれ」
ロディは仰向けになって足を抱えてる。すごい体勢だ。ロディは恥ずかしくないの?
僕は困った。いいの? 僕分かんないよ。痛くしたらどうしよう。もう絶対にロディに傷ついてほしくないのに。
そこに当ててみたんだけど、怖くて挿れられないまま、僕の陰茎はふにゃりと力を失っていった。
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