【完結】うちの子は可愛い弱虫

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32.ノアとの夜2/2 ※

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 やっぱり緊張する。ノアは緊張する私に何度もキスをくれる。

「はぁ、、」

 ノアの柔らかい手が私の背中を撫でて、私から吐息が漏れた。

「エリオの背中はスベスベで本当に綺麗。ここもピンクで綺麗。」
「ぁあ、、」

 いつの間にかシャツのボタンが全て外されていて顕になった私の胸を、ノアがチュウッと吸って、ゆっくりと私をベッドに横たえた。

「ノア、手繋いでいい?」
「いいよ。」

 指を絡ませるように繋ぐこの繋ぎ方はとてもドキドキして、そして幸せだ。


「ぁ、だめだめだめ、、ノア、、ひゃっ、、」
「ふふふ、緊張、少し解れた?」

「ノア、わざとか?脇腹をそんな風に触ったら擽ったい。」
「わざとだよ。擽ったがってるエリオも可愛かった。」
「酷い。ノアに弄ばれた・・・。」

 ノアは楽しそうだが、まさか擽られるなんて思っていなかった私は、想定外のことが起こりすぎてもう本当にパニックなんだ。
 ノアに背を向けて、膝を抱えてギュッと丸くなる。擽られて上手く反応するなんて私にはそんな高度な技は無理だ。

「エリオ~、機嫌直して。ほんの出来心なんだよ。丸まってるエリオも可愛いけど。エリオの顔が見たいな~」

 別に機嫌が悪いわけじゃない。またノアの前で失態をおかすのが怖いだけだ。

「ノアに嫌われるのが怖い。」
「大丈夫。さっきも言ったでしょ?僕はエリオの事が好きで好きでたまらないんだって。どんなエリオも見たいし、どんなエリオも好きでいる自信がある。」
「ノア・・・ありがとう。あの、その、続きをお願いします。私のこと、抱いて下さい。」

「エリオは本当に愛らしい。僕の心を掴んで離してくれない。そのまま膝抱えてていいよ。」
「分かった。」

 ノアの指が私の中に入ってきて、グニグニと動いている。この時はまだいいんだ。この後きっとくる、私の急所とも呼べるそこを、ノアはいつも私が正気を失うほどに攻め倒すんだ・・・。

「ぁああ、、あ、ノア、そんなにしないで、、、待って、、あぁ、、」
「エリオ、可愛いよ。ほら、キスしよ。」
「あ、ノア、、んん、、」

 快感に呑まれそうになりながらノアと舌の追いかけっこをしていると、ノアの反対の手が私の中心で立ち上がったものに触れた。

「んん、、んーー、んー、ぁああ、、」
「どう?一緒に攻めると気持ちいいでしょ?」

「気持ちいいけど、、だめ、、あ、だめ、出ちゃう、両方、だめ、、や、、ぁああ、、、」

 我慢できずにビュルルッと溢れると、ノアは手を止めた。

「ノア・・・お願い。もう挿れて。」
「エリオにお願いされたら、断るなんてできないな~」

 ジュプッとゆっくりノアが入ってくる。

「んん、、、はぁ、、のあ、、好きぃ、嬉しい、、ぁ、、、」
「エリオ、本当にエリオは可愛いね。大好きだよ。」

 すぐに余裕なんかなくなってしまうんだけど、このゆっくりとノアが入ってくる時は、ノアと一つになれた気がしてノアが私の中にいることが、たまらなく幸せなんだ。
 ノアのことが愛しくて、全てが欲しくて、私なんかに好きだと何度も言ってくれるノアのことを永遠に私だけのものにしたいと思ってしまう。
 私はおかしいのかもしれない。ノアを決して縛り付けたくなんかないが、他の者にノアが取られたらどうしようといつも怖くなる。

「ノア、、ごめん、、、好きなんだ、、のあ、、あ、、あ、あぁ、、すきぃ、、」

 ノアの声も、私の声も、遠くに聞こえる。
 気持ちよくて、何も考えられない。喉が枯れて、それでもノアを求めて手を伸ばす。
 ノア、私の愛しいノア。


 隣りで眠るノアを眺める。
 この先、ノア以外に私を好きだと言って抱きしめてくれる者などいないと思う。
 それに他の者などでは嫌だ。ノアがいい。
 もしもノアを失ったら、私はどうやって生きていけばいいのか。でも、こんな重荷をノアに背負わせなくないとも思う。

 矛盾した気持ちが苦しい。好きが深くなるほどに、私は何もできないことが苦しくなる。
 私にできることは何だろうか?
 金は欲しくないと言われてしまった。魔法陣の知識は魔法薬を作るものはほとんど資料にして渡しているし、他に何をあげられるのか分からない。

「え?エリオ、どうしたの?何で膝を抱えて泣いてるの?」
「ごめん。私は役立たずなんだ。ノアにたくさんのことをしてもらって、いつも救ってもらっているのに、私には何もできることがない。」

 なぜ私は、何もできないのか。情けなくて、やっぱり私は役立たずなままなんだと思った。

  
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