【完結】おじさんの私に最強魔術師が結婚を迫ってくるんですが

cyan

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おじさんの幸せ

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「シモン、おはよう。」
「ラウロおはようございます? あれ? 私はいつ家に帰ってきたんでしたっけ? 魔力溜まりは?」
「えぇ~?? そこから~?」

 私は昨日あったことをラウロに説明してもらった。
 薄らと夢とも現実とも分からないような記憶が残ってはいる。
 全部現実か……ちょっと恥ずかしい。

「……そ、そうですか。なるほど……」
「これ、宮廷魔術師はもちろんだけど、陛下とかにもトップシークレットにして口外できないよう契約魔術使ってあるから安心して」
「え? 契約魔術?」
「そうだよ。命に別状がなくて魔力溜まりを1人で一瞬で浄化できるなんて知られたら大変なことになるからね。他国からも狙われかねない。シモンの体も」
「そう、ですか……」
「大丈夫。俺が守るから。まぁ、宰相辺りもかなりシモンを気に入ってるし、国もシモンのこと守ると思うけどね~」

「ラウロ、もしかしてこのことに気づいていて私を囲うために結婚したのではないですよね?」
「……シモン、そんなこと言うんだ? 俺がどれだけシモンのこと好きだと思ってるの? シモンには全然伝わってないの?
 抱かれ足りないなら、どんだけでも抱いてあげるよ? 魔術で体力回復できるし無限にいけるよ? そうする?」
「いえいえいえ、そんなことしたら私は死んでしまう。ごめんなさい。自分の力の大きさに少し不安になっただけです」

「まぁでも結婚を急いだのはそれもあるかな~。他の誰かに気付かれて掻っ攫われる前に俺のものにしたかった。でも体質とか関係なく好きだから」
「そうですか。嬉しいです。ラウロ、私も好きですよ」

 私たちはちょっとした危機も乗り越えて、いつも通りの生活に戻った。





「ねぇシモン、空好き?」
「空? えぇまぁ、青い空は綺麗ですよね。星空もいいですね」
「だよね。じゃあ今から空にデートに行こうね?」
「えぇ??」

 私はラウロに手を引かれるように外に出ると、ラウロはそのまま空へ飛び立った。

「ぎゃぁぁぁああああ、怖い、怖い、落ちるーーーー、死んじゃうー!!」
「大丈夫大丈夫。俺がついてるでしょ?」

 私は号泣し、空の景色なんて全然楽しめなかった。





「ねぇシモン、子供作ろ?」
「え? それはさすがに無理でしょう。私は男ですよ? ラウロも男ですよね?」
「そうだよ。男同士で子供作ったらダメなんて誰が言ったの? そんな法律ないよ」
「法律はなくても無理なものは無理でしょう?」
「ふふ~ん、大丈夫。最強魔術師の俺にかかれば子供なんてホイホイできちゃうから。こうしてこうして、シモンの中を子宮風に変えるでしょ? それでこうしてこうして、シモンの遺伝子から卵子作ればこれで完璧。
 今から子作りしようね~」
「えぇ??」

 こうして私は最強魔術師の夫に振り回されながらも、楽しく暮らしています。



(完)
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