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 ジルベルトはカリオの両手首を纏めて押さえつけると、カリオの後ろの窄みにそっと触れた。

「ひゃんっ……あ、だめ……そんなところ……」
「ダメじゃないだろ? 私が欲しいんだろ?
 素直になれ。ここは私を求めているようだよ。いつでも私を受け入れられるよう、準備もしていたんだろ?」

「ああ……だめです……あ……うあっ! え? まって、まって……それ何? あっ、あっ……や、そこ、すごい……あっ、あああ……」
「カリオ、私を受け入れる気になったか?」
  
 戸惑いに瞳を揺らし、嬌声を上げるカリオを見下ろしながらジルベルトは、カリオの前立腺を執拗に刺激し続けた。

「あっ、あっ……やめ……もう、ジル、ベルトさま……おねがい……挿れて、ください……」
「うん。いいよ。カリオのその言葉を聞きたかった。カリオ、好きだよ。何があっても守ってやるからずっと私の側にいろ」

 カリオが受け入れるという言葉を聞くと、ジルベルトは嬉しそうに拘束していたカリオの手首を解いて頬を撫でた。
 その眼差しは熱く、カリオの不安な心を溶かしていく。昨日の大雨が嘘のように雲一つない晴れ渡る空も、ジルベルトの解呪を祝っているようだ。
 異変が起きたことに気づいた妖精たちがカリオの様子を見に来たが、カリオとジルベルトが愛し合っている姿を見ると、口に人差し指を当ててシーっと音を立てないよう静かに去っていった。

「僕は、側にいていいの、ですか?」
「もちろん。私がカリオのためにこの国を変えてやろう。前王含め前王派閥が私にしたことも明るみに出す。
 カリオ、幸せになろうな」
「はい」
「じゃあカリオ、そろそろ一つになろう。もう我慢の限界なんだ」

 ジルベルトは抑えられなくなった己の昂りを、カリオの中にグププッと沈めていく。

「うっ……くっ……はあ……あ……ジルベルト、さま……うれしい……」

 カリオは涙を零しながら、その熱い眼差しをジルベルトに向けた。
 その潤んだ瞳を向けられたジルベルトもまた、カリオに愛しさを込めた優しげな眼差しを向け、ゆっくりと抽挿を繰り返しながらその手を握って指を絡めた。

「あっ……そんな、ふかい……あっ、あっ……すごい、ジル、ベルト、さま……あっ、あっ……」
「カリオ、久しぶりすぎて、持たない……カリオの中はとても気持ちいいよ。カリオ、好きだよ。今まで言えなかった分、何度でも言いたい。大好きだよ」

「あっ、あっ……あっ、あああ……ぼくも、すき、です……ジル、ベルト、さま……あっ……」
「イッてもいいか?」
「はい……」
「……んん……」
「……はう……」

 カリオの奥にドクドクと熱いものが注がれると、カリオはそれだけで心が満たされて達してしまい、ジルベルトから搾り取るように中を締めつけた。

 カリオはそのままジルベルトとの行為は終わって、ジルベルトのものも抜き出されると思っていたのだが、ジルベルトは奥で果てたまま抜こうとはしない。
 そして自分の想いをカリオに伝えるべく静かに口を開いた。

「カリオ、まだ繋がっていたい」
「はい」
「私が眠っている間、カリオが話しかけてくれる言葉は全部聞こえていたよ。ありがとう。
 呪いをかけられた当初は必死に自分でも抗ってみたんだ。でも時間が経つにつれて、周りが諦めて離れていくと、私の心も折れてしまった。
 世話係が頻繁に変わって、部屋も何度か変わった。皆の会話の内容から、最後は城の離れた塔にいたことは分かっていたが、もう望みなど持てなかった。私は心を閉ざしていた。
 無言で体を拭かれ、冷たい水をぶっかけられたこともあったし、役立たずだの死んでしまえばいいだの、心無い言葉をかけられたこともあった」
「そんな……」
「そこにカリオ、君が現れた。
 現王が私を厄介払いするために、君に押し付けたことも分かっていたし、当時は12歳だったか? 可哀想な少年が生贄にされたのだと思っていた」
「生贄だなんてそんな。僕はジルベルト様の側にいることを望んだのです」
「うん。分かっている。私は君に救われた。解呪もそうなんだが、君に心を救われた。ありがとう」
「いえ、そんな……僕は自分にできることをやっただけです。はうっ……あっ……」

 カリオの真っ直ぐな曇りなき眼差しに、ジルベルトの落ち着いていたものがムクムクと大きくなっていった。
 硬くなったもので奥を優しく突いてやると、カリオの口からは甘い吐息が漏れる。
 その色香を纏う吐息に、ジルベルトは我慢できないと律動を速めた。

「気持ちいいか?」
「あっ、あっ、気持ち、いい、です……あっ……あっ……それ、すごい……あっ……おく、すごい……あっ……」
「カリオのことが愛おしすぎる」

 ジルベルトはカリオの背中に手を回して起こすと、大切な宝物のようにその体を抱きしめた。

「カリオ、好きだよ。ずっと会いたかった。側にいるのに伝えられず触れられない、ずっと君を求めていた」
「あっ、あっ……ジル、ベルト、さま……あっ……ぼくも……あっ……もう……イッちゃう……うん……んん……」

「カリオ、もう離さない」
「……んん……」

 その日、初めて自分の指以外を受け入れたカリオは、意識を手放しジルベルトの腕の中に収まった。

  
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