上 下
56 / 56

番外編:女神

しおりを挟む
 
 
「ジョシュア、3年は長かった」
「そうですね。とても刺激的な3年でした」
「楽しいこともあったか?」
「ありましたよ。聞きますか?」

 私はヒューゴ様のお部屋で、膝の上に抱きしめられながら、この3年で楽しかったことを話した。
 まずは馬に乗ったこと。フレイヤは荒れていたし馬車では遅いから、馬に乗れるように練習した。だから私はもう一人で馬に乗れるんだ。

 一度は行ってみたいと思っていた街にも行った。色んな街に行ったんだ。知らない人と話して、色んなことを教えてもらった。
 そこで知ったのは、みんな願いは同じだってこと。愛する人と飢えることなく平穏に暮らしたいだけだった。

 お店ってのも入ってみた。棚に売り物が並んでたんだ。書類上でお金の価値は知っていたけど、お金を初めて見た。金属の丸いのを渡して買い物をするんだ。

 あと、池じゃない湖ってのも見た。いつか見てみたいと思っていたんだ。魚も泳いでいた。魚も家に住んでいるなら、湖の底に魚の街があるのかと思ったら、家に住んでいるわけではないらしい。

 楽しいことばかりじゃなかったけど、色んなところに行って、色んなことを知った3年だった。

「ジョシュアの初めてを見れなかったのが悔しい」
 ヒューゴ様が拗ねたみたいに言うから、なんだか子どもみたいで可愛いなって思った。

「私はフレイヤの色々なものを見て、色々なことを知りましたが、まだ帝国のことは知りません。ヒューゴ様が教えて下さい」
「分かった。一緒に馬でいろんなところに行こう。街にも湖にも、海にも行くぞ。綺麗な花が咲く丘や、葡萄畑にも、りんご農家にも、川にも、黄金に輝く麦畑もいいな、行きたいところを挙げればキリがない」
「はい」
 ヒューゴ様も忙しい身だ。なかなか好きなところに行けないのかもしれない。そんなに行きたいところがたくさんあるなんて知らなかった。
 私は3年の間にフレイヤを色々巡ったけど、その間ヒューゴ様は出掛けることなくお城で仕事を頑張っていたのかもしれない。それなら私が叶えてあげたい。

「ヒューゴ様はそんなにたくさん行きたいところがあるんですね。なかなか時間が取れず行けなかったんですか? 仕事は私に任せて、たまにはのんびりと旅でも楽しんで下さい」
「違う。そうじゃないだろ。
 俺一人で行っても意味がない。全部ジョシュアと一緒に行きたい場所だ」
 私は間違えてしまったようだ。そうか、見てみたい景色ではなく、二人で見たい景色か。フレイヤの塔からの景色をヒューゴ様と共に見たいと思った。きっとそれと同じなんだ。
 そんな風に思ってもらえるなんて嬉しい。

「ヒューゴ様、大好きです」
「俺も大好きだ」
 ヒューゴ様の首筋に顔を埋めると、懐かしい匂いがする。いつも私を落ち着け、幸せへ導いてくれる匂い。スンスンと匂いを嗅いで、私の肺の中をヒューゴ様の匂いで埋め尽くす。

「明日、街に行くぞ」
「もしかして、私も行っていいんですか?」
「いいに決まってるだろ? ここはジョシュアの国でもあるんだ」

 街へは馬ではなく馬車で行くことになった。城の中と違って、悪い人もいるから、護衛が何人もいて私たちを囲んでいる。
 私は結界があるから平気だけど、街に行くのも大変なんだな。

 露店などを眺めながら歩いていると、遠くで人の叫び声と、馬の嘶き、ガシャーンと何かがぶつかったような音が聞こえた。
「事故か? 事件か?」
 ヒューゴ様が護衛の一人に確認に行くよう指示を出した。私も風を使ってすぐに何が起きたのか、声を拾ってみる。
 馬車が暴走して店に突っ込んだらしい。怪我人もいるとか。

「ヒューゴ様、馬車の事故です。怪我人もいます。早く助けに行かないと!」
 たくさん血が流れたら死んでしまうし、助けるのが遅れたら助かるものも助からなくなってしまう。それが一番怖い。私は迷わず事故の現場に向かって駆け出した。

「ジョシュア!」
 後ろで私の名前を呼ぶヒューゴ様の声が聞こえた。ヒューゴ様ごめんなさい。人の命には変えられないのです。
 現場が近づくと、お店に突っ込んだ馬車を引き摺り出そうとして引っ張っている人たちが見えた。
「皆さん、魔法を使うので少し避けて下さい!」
 私が叫ぶと、辺りにいた人たちが何を言っているのかと怪訝な顔を向けた。魔法が一般的なものではないと、この3年で知ったけど、恐ろしいものだということも知っているけど、一刻を争うのです。みなさん、私を信じて下さい。

「みんな避けろ! 皇帝である俺の命令だ!」
 後ろからヒューゴ様の声が響くと、みんなが避けてくれたから、私は風魔法を使って馬車を引っ張り出して、崩れそうな店を魔法で固定すると、すぐに中に入った。
「皆さん、怪我人を運び出すのを手伝って下さい」
 周りにいた人に言うと、護衛として連れてきた騎士も街の人も一緒になって怪我人を店の外に出してくれた。
 怪我をした人に順番に治癒魔法をかけていく。
「ふぅ、終わりました」
 私が額の汗を拭いながら言うと、周りから歓声と拍手が沸き起こった。なんとか間に合って、死者は出なかったことにホッとした。

「ジョシュア、俺は心配だ。人の命が大事なのは分かるが、1人で行くな」
「ごめんなさい」

 ピピ、メガミ
「あれ? ペル、なんでここにいるの?」
 ペルの声が聞こえて、右肩にペルが止まった。本当にペル?
 だってここは帝都で、フレイヤの塔からは遠く離れている。それなのに私に会いにきてくれたの?

「女神?」
「俺の怪我が一瞬で治った! きっとこの方は女神様だ!」
「女神様が降臨されたぞ!」
 周りが女神だと騒ぎになってしまった。ヒューゴ様にまた迷惑をかけてしまったから、もう街には連れてきてくれないかもしれない。
 事故に巻き込まれたみんなを助けたことに後悔はないけど、もう二度と街に来られないのは悲しい。

「女神と呼んでもいいが、ジョシュアは旧フレイヤの王子であり、皇后だ。俺のものだから手を出すなよ」
 ピピ、ジョシュアアイシテル

「こいつはまた俺の邪魔をする……」
 ピピ、ジョシュアアイシテル

 ペルは私たちの上を旋回するように飛びながら、ずっと私のことを愛してると言っていた。
 やっぱりペルに間違いないみたいだ。

「今日は城に戻るが、数日中に正式に発表する! 祭りの準備を進めよ!」
 街の見学は終わってしまったけど、とうとう皇后が決まったと喜んでいる街の人の姿が見えた。
 私は歓迎してもらえるのか?

「ヒューゴ様、私にできることをしたいです」
「うん? ジョシュアがしたいならすればいい。だが今日は帰るぞ」
「はい」


 2日後、城の外には人が集まり、ヒューゴ様から私が皇后になったことの発表があった。

『みんな集まってくれて感謝する!
 隣に立つ彼が俺の最愛ジョシュアだ。彼がフレイヤを統一し、帝国の国土は広がった。この先もジョシュアと2人で帝国を守り発展させていくことをここに誓う!』

 風で声を広げる魔法を使ってあげたから、ヒューゴ様の声はきっとみんなに届いたと思う。

 フレイヤでの3年、私は兵器としても、復興としても魔法を使ってきた。
 民と一緒に、私服を肥やした貴族の屋敷を破壊したこともあったし、瓦礫の撤去や、農地の開拓、川やダムの整備に使ったこともあった。これからは破壊に使う気はない。

 私一人にできることは僅かだけど、少しでもみんなの助けになれば嬉しい。みんなのために、国のために私にできることをしよう。

 不思議だ。帝国に人質として来た時にもフレイヤを守るために、ヒューゴ様と帝国のために力を尽くそうと思った。
 フレイヤが無くなりヒューゴ様と結婚して、私の立場も変わったのに同じ思いでいる。きっとこれからもずっと同じ思いを持ち続けるだろう。




 ピピ、メガミ
 ペルはあの後ずっと私の側にいる。ペルがメガミって言って飛び回るから、街に出るとすぐにバレてしまう。お忍びで買い物というのもできないんだ。

 お忍びじゃなく堂々と買い物をすればいいんだけど、街に出るだけで色んな人が寄ってくるから、お店に入ったりすると迷惑がかかってしまう。

 私は男なのに、女神様ではないのになぜか女神と呼ばれる。フレイヤを駆け回った3年もなぜか女神と呼ばれ、帝国に戻っても女神と呼ばれる。
 ペルの仕業なの?

「ヒューゴ様、私はなぜ女神と呼ばれるんでしょう? 私は男なのに不思議です」
「俺にとってジョシュアは女神だけどな」
「兵器ってことですか?」
「そんなわけないだろ。女神のように美しく尊いということだ」
「そうですか」
「ジョシュア、キスしよう」
「はい」



 *****

 お気に入り登録、ハート、エール、感想をいただきありがとうございます。
 番外編お楽しみいただけましたでしょうか?
 最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

 また違う作品でお会いしましょう(*^ω^*)

 
しおりを挟む
感想 5

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(5件)

しのママ
2024.09.07 しのママ

良かった〜🩷。珍しく長編で、必死に追っかけ読みでした。体調整えて言葉を綴ってね。勿論、新作の方も追っかけてます〜

cyan
2024.09.07 cyan

感想をいただきありがとうございます🥰

よかったと言ってもらえて嬉しいです💕
体調整えてこれからも頑張ります✨
他の作品も読んでいただいているみたいで本当にありがとうございます🥹

解除
ミホミホ
2024.08.24 ミホミホ
ネタバレ含む
cyan
2024.08.24 cyan

いつも感想をいただきありがとうございます🥰

ヒューゴ様はこれからも、ジョシュアに悪意なくちょっとだけ落とされる日々が待っているでしょう笑
思い通りにならないからこそ惹かれるのかもしれませんね😆💕

解除
ミホミホ
2024.07.23 ミホミホ
ネタバレ含む
cyan
2024.07.23 cyan

感想ありがとうございます🥰
こんなに好きになってもらえて本当に嬉しいです🥹
ジョシュアがヒューゴ様の期待を裏切る返しをするシーン、私も気に入ってます笑
ヒューゴ様が期待した瞬間は素っ気ないのに、抱きしめられるとスンスン匂いを嗅いで安心してしまう可愛いジョシュア💕

自分の中では過去一の作品だったんですが、伸び悩んだまま終わってしまいました😔
完全に私の力不足です…
でも、好きだと言ってくれる人がいるだけで救われます。ありがとうございますm(__)m

解除

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。

石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。 雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。 一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。 ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。 その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。 愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

役目を終えた悪役令息は、第二の人生で呪われた冷徹公爵に見初められました

綺沙きさき(きさきさき)
BL
旧題:悪役令息の役目も終わったので第二の人生、歩ませていただきます 〜一年だけの契約結婚のはずがなぜか公爵様に溺愛されています〜 【元・悪役令息の溺愛セカンドライフ物語】 *真面目で紳士的だが少し天然気味のスパダリ系公爵✕元・悪役令息 「ダリル・コッド、君との婚約はこの場をもって破棄する!」 婚約者のアルフレッドの言葉に、ダリルは俯き、震える拳を握りしめた。 (……や、やっと、これで悪役令息の役目から開放される!) 悪役令息、ダリル・コッドは知っている。 この世界が、妹の書いたBL小説の世界だと……――。 ダリルには前世の記憶があり、自分がBL小説『薔薇色の君』に登場する悪役令息だということも理解している。 最初は悪役令息の言動に抵抗があり、穏便に婚約破棄の流れに持っていけないか奮闘していたダリルだが、物語と違った行動をする度に過去に飛ばされやり直しを強いられてしまう。 そのやり直しで弟を巻き込んでしまい彼を死なせてしまったダリルは、心を鬼にして悪役令息の役目をやり通すことを決めた。 そしてついに、婚約者のアルフレッドから婚約破棄を言い渡された……――。 (もうこれからは小説の展開なんか気にしないで自由に生きれるんだ……!) 学園追放&勘当され、晴れて自由の身となったダリルは、高額な給金につられ、呪われていると噂されるハウエル公爵家の使用人として働き始める。 そこで、顔の痣のせいで心を閉ざすハウエル家令息のカイルに気に入られ、さらには父親――ハウエル公爵家現当主であるカーティスと再婚してほしいとせがまれ、一年だけの契約結婚をすることになったのだが……―― 元・悪役令息が第二の人生で公爵様に溺愛されるお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。