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24.朝から ※

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 もう寝ようとヒューゴ様に抱きしめられて、その感触に裸であることを思い出した。

「寝巻きは着ないのですか?」
「裸で肌を合わせて寝るのがいいんだ」

 そうなんだ。風邪をひいたりしないか少し心配だけど、抱き合っていれば温かいから、大丈夫なのかもしれない。
 唾液などでベタベタになった自分とヒューゴ様に清浄魔法をかけると、ヒューゴ様の背中に手を回した。

 肌が密着しているとドキドキする。
 少し汗ばんで冷えたヒューゴ様の胸に顔を埋めると、いつもより強くヒューゴ様の匂いが感じられた。

「おやすみなさい」
「おやすみ」

 ヒューゴ様は私の額にキスをしてから眠りについた。
 私はドキドキしたまましばらく眠れなかったが、頭の上からヒューゴ様の寝息が聞こえてくると、私もそっと意識を手放した。

 朝起きて、私は早く立ち去らなければとベッドから降りようとしたら、ヒューゴ様に手を取られ布団の中に引き戻された。

「行くなよ」
「え? でも、ヒューゴ様の貴重な朝のひと時を邪魔したくありませんし」
「いいんだ。ジョシュアといたい」
「はい」

 寒いから私の体温を手放したくないんだろうか?
 せめて服は着たいんだけど、きっとそれも許してはくれないんだろう。
 後ろから抱きしめられているから背中が温かい。ヒューゴ様の匂いがして落ち着く気もするし、肌が直に触れているから少し緊張もする。

「あっ……」

 後ろから手を伸ばして私の胸をフニフニと触るから、朝なのに変な声が出てしまって恥ずかしくなった。背中に直に触れるヒューゴ様の胸もお腹もその熱も、私の欲情を煽ってくる。ダメなのに……

「ここ、気持ちいいか?」
「あっ……ダメです……」

 きっとヒューゴ様は私に口でしてほしいんだ。だからそんなことをしてくるんだ。

「しますから……虐めないで……」
「嫌なのか? 気持ちよくないのか?」
「嫌じゃないです。気持ちいいけど、おかしくなりそうで怖いです。ちゃんと口でするので許して下さい。ああ……」
「仕方ないな」

 ヒューゴ様が腕を緩めた隙に、一瞬で私はヒューゴ様の下半身に移動した。今までの人生の中で最も早く移動した瞬間だったかもしれない。
 朝から元気なヒューゴ様のそれを咥えると、舌を這わせて手を上下に動かしていく。
 ピクピク反応する部分もたくさん撫でて、舌でヌルヌルするのを繰り返した。

「ジョシュア、口も上下に動かして」

 なるほど。咥えるだけではダメなのか。口もちゃんと上下に動かしながら、舌も動かすのはちょっと大変だ。練習して上手くならなければ。
 そんなことを繰り返していると、血管が浮き上がって膨れ上がるとビュルーっと種が飛び出してきた。
 ドクドクと吐き出されたそれを、最後までジュッと吸い上げて、唾液でベタベタだったから清浄魔法もかけた。
 飲むと嬉しいなら飲むしかない。私は生温かいヒューゴ様の種をまた飲み込んだ。

「ジョシュア、無理に飲まなくてもいいんだぞ」

 そんなことを言われても、嬉しいなら飲むしかない。
 私の中心に伸びてきたヒューゴ様の手は掴んで必死に止めた。
「私はいいですから」

「じゃあまた夜にな」
「え?」
「見たいんだよ。ジョシュアの可愛い姿」

 これが淫らなことなんだ。確かに淫らだ。
 裸だし。男同士だから子は作れないが、性欲を満たすと言う意味で、気持ちいいことをしたいのは理解できる。
 見たいっていうのはよく分からないけど、ヒューゴ様は私のことをジッと見ている時があるから、きっと私の容姿が気に入っているんだろう。やっぱりこの水色の髪かな?
 私は髪を一房摘んで、指にくるくると巻きつけた。でもこの髪を欲しいとは思わないんだな。

 ヒューゴ様が私の髪で作ったカツラをつけたら……似合わない気がする。
 それを分かっているから、欲しいとは言わないのかもしれない。眺めるのが好きだということだろうか?

 
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