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8.枯葉集め

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 仕事をするヒューゴ様を眺めて、そして窓の外を眺めていると、ビューッと風が吹いて枯葉が舞った。
 そういえば最近はずっとヒューゴ様の側にいるからポールの手伝いをしていない。
 さっきの風でかなり枯葉が散ったように見えた。掃除が大変そうだ。

「ヒューゴ様、少しだけ外に出ていいですか?」
「理由は?」
「枯葉を集めるのを手伝いたいのです」
「は? 意味が分からん。ダメだ」
「そうですか」

 許可は降りなかった。意味が分からんと言われたけど、枯葉を集めるのを手伝う、それに深い意味なんて無い。
 そのままの意味だ。枯葉を集めたい。
 やはり側を離れるのがいけないんだろうか?
 ここからやればいいのか? 窓を開けてポールがいたらできる。袋に入れるのは手伝えないが、集めるだけならできる。

「ヒューゴ様、窓を少し開けるのはいいですか?」
「部屋が暑かったか? いいぞ」

 やはり側を離れなければいいらしい。許可が降りてよかった。
 私は立ち上がって窓を開けると下を覗き込んだ。
 ポールはいるだろうか? あ、いた。

「ポール! 枯葉を集めるからちょっと避けてもらえるか?」

 私が大きな声で叫んだから、ヒューゴ様は何事かと立ち上がって窓の側まで来た。
 私はポールが避けたのを確認すると、風魔法でさっき舞った枯葉を一箇所に集めた。

「今日は袋に入れるのは手伝えないからごめん」
 そう叫ぶと、「ありがとう! 大丈夫です!」とポールから返事が返ってきた。
 よかった。
 今日は少しだけ人の役に立てた。

 私はホッとしながら椅子に座ると、ヒューゴ様が私をジッと見ていた。
 ダメだったんだろうか? またヒューゴ様を怒らせてしまったんだろうか?
 少し不安になって、ヒューゴ様の次の言葉を待った。

 
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