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本編
しおりを挟む僕アロイスは騎士学校に入学した12歳の時からずっとボニファーのことが好きだった。卒業まであと半年と迫った6年生の夏、僕の運命は変わってしまった。
ボニファーの薄い緑の髪はふわふわと柔らかそうで、綺麗な琥珀色の瞳はぱっちりとしてとても可愛い。白い陶磁器みたいな肌はすごく綺麗なんだ。ずっと好きだった。
でも好きだとは言えなかった。なんていうか彼は崇高な存在で、俗世とは関わってはいけないというか……
僕のような者が触れてはいけないというか……
触れられない代わりに、こっそりペンを盗んだこともある。盗んだけど、ちゃんと同じ物を購入して代わりにペンケースに入れておいたからバレてはいない。
ボニファーは僕があげたペンを今も使っているし、僕はボニファーが使っていたペンを肌身離さず大切に持っている。
ボニファーが座ったベンチがまだホカホカ温かい時にこっそり頬ずりしたのは内緒だ。
騎士学校では座学もあるんだが、基礎体力をつける訓練や、剣や槍、魔法の訓練もある。魔法は魔力が枯渇してフラフラになるし、体を動かす訓練は汗だくでヘロヘロになる。どちらもハードな訓練だ。
騎士学校では、ほとんどの生徒が寮に住んでいるんだが、残念ながらボニファーは実家から通っている。僕は地方から出てきたから寮だ。
ボニファーも寮だったらいいのに……
だからチャンスは訓練後の風呂の時しかない。几帳面なボニファーはパンツをローテーションしている。週の初めから、赤いラインが入った黒のパンツ、青いラインが入った黒のパンツ、白いラインが入った黒のパンツ、緑のラインが入った黒のパンツ、紫のラインが入った黒のパンツと、パンツを順に穿いていることが僕の調べで分かっている。
チャンスは一度だ。一度でも盗られたと分かれば、警戒して対策を取られるかもしれない。同じパンツを街で探したんだが、どうやら特注らしく、同じものが見つからなかった。だからペンの時のように入れ替えるのは無理だ。
僕はこの日にかけている。
僕の目の色でボニファーの髪の色の、緑のラインが入ったパンツが欲しい。決して彼に触れたりしませんから、どうか哀れな僕をお許しください。
よし、みんな風呂に入ったな。
僕は疲労困憊のフリをして、ゆっくりと服を脱ぎながら、全員が脱衣所から風呂に消えていくのを待った。
静かになった脱衣所。そっとボニファーの着替えに手を伸ばし、綺麗に畳まれてはいるものの、さっきまでの訓練でしっとりと汗が染みたパンツを手に取った。目を瞑って鼻に近づけると、思いっきりその匂いを肺に吸い込んで、一時の幸せに酔いしれる。いい匂いではない。正直言ってちょっとヤバい匂いだ。しかしこれがボニファーの匂いであるということが重要で、しっかり匂いを脳に焼き付けた。
いけない、こんなところでモタモタしている場合ではない。持ってきていた革袋にすぐに入れると、自分が脱いだ服の下に隠した。
この時に、もっとちゃんと確認するべきだったんだ……
風呂はもう適当だ。髪はほぼ水をぶっかけただけだが、夜に寮で風呂に入ればいい。魔力が回復してから浄化をかけてもいい。今日は兵糧計算の先生が不在だから、授業はあと一コマで終わる。魔法概論だけだ。
素早く着替えて、「教科書を寮に忘れたかもしれない」などとわざとらしく独り言を言いつつ、怪しまれないように寮へ走った。
しかし、あと少しで寮に辿り着くというところで、なぜか同じクラスのクリストフに捕まった。真っ赤な髪をツンツンと立てていて、黒い目は切れ長でちょっと鋭い感じだ。僕より体格もいいし、掴まれた腕が地味に痛い。なんていうか見た目も怖いんだけど、纏う空気が威圧的で怖い男だ。
「おい待てよ」
「何? 僕早く寮に戻って魔法概論の教科書取ってこないといけないんだけど」
ここで時間を取られるわけにはいかない。勇気を出して反抗してみる。
「それ見せろ」
「な、なんで?」
僕が持っていた着替えをクリストフは見せろと言うんだ。ここにはボニファーのパンツが入っていて……そんなの絶対に見せられない。
どうしよう、絶体絶命だ。
「ここで見せられねえなら、寮の俺の部屋で見せてくれてもいいんだぞ? ほら、行くぞ」
「あ……」
僕だって授業は真面目に受けてるし、ちゃんと鍛えているのに、全然腕は振り解けなくて、そのまま引き摺られてクリストフの部屋に連れ込まれた。体格差が憎い……
もうこれは、素直に罪を認めるしかない。こんなことがクラス中に広まったら、変態と言われるんだろう。パンツを盗んだんだから変態なのは認める。匂いも嗅いだし。ボニファーからもきっと軽蔑されるだろう。
下手したら反省文とか、謹慎なんてこともあるかもしれない。人のものを盗んでるんだから。
僕はベッドに座るクリストフの前の床にぺたりと座って、ボニファーのパンツが入った革の袋をクリストフに渡した。
「すみませんでした」
なんでクリストフに謝ったのかは自分でも分からないけど、とにかくこの部屋を出たいと思ったら謝っていた。
革袋の中身を見ると、クリストフはため息をついた。
「はぁ、お前さ、なんでこんなことしたんだ? 嫌がらせか? 理由を言え」
「嫌がらせじゃない。その、好きだから、欲しくなってしまって……」
「そうだったのか、なら許してやる。ここに座れ」
クリストフは座っているベッドの隣をポンポンと叩いた。僕に拒否権はない。従わなければ学校生活が終わってしまう。クリストフがそんなに正義感の強い奴だったなんて知らなかったな。クリストフに許されたところで助かるわけじゃないけど……
俯いたままゆっくりと隣に座ると、クリストフは「そうか、好きなのか……」なんてボソッと呟いて、僕の頬に触れた。
殴られるのかと思って目をギュッと瞑ると、唇にフニッと柔らかいものが触れて、そのまま肩を押されて僕はベッドに押し倒された。
ん? 何? これどういう状況? 今のってキスだよね? 目を開けたら目の前にクリストフの顔があった。
「まっ……あっ……」
体は体重をかけられていて動けないし、クリストフのキスが深くて、言葉も紡げない。
何が起きているのか分からないまま、クリストフの舌が僕の口の中を動き回ってる。
ダメだ、息できない……
「はあっ……あっ……」
酸欠なのか気持ちいいのか分からなくなって、頭がぼーっとしてきた。
「気持ちいいか?」
「あっ、まっ……」
息が苦しすぎて言葉にならない。
僕の服はいつの間にか脱がされていて、クリストフの行為を止めることはできなかった。
思考が上手く働かなかったんだ……さっきまでの訓練で疲れてたのもあると思う。決して快楽に支配されたのではない。と、思う……
「あっ、だめ……」
胸や腹や鎖骨と撫でられると、ハァハァと息が乱れて、ビクビクと勝手に体が動いてしまう。
「可愛らしいな」
馬鹿にしてんのか? 僕のなぜか勃ち上がってしまった部分を優しく扱いて、快楽に落とされていく……
「だ……ああっ……」
ビュクッビュクッとあっという間に吐精すると、一息つくことも許されずに、すぐに僕はひっくり返された。四つん這いになると僕の尻が割り開かれて、クリストフの太い指が入ってきた。
「お前、拡張済みか?」
「あっ、やっ……」
初めて人に与えられる快楽……
いつも後ろを自分で弄っていたのは事実だけど、崇高なボニファーの信者から、俗世に引き摺り下ろされる苦しさ。それと同時に嫌だと思いながらも止めてほしくない、もっと気持ちよくなりたいと思う自分がいる。僕は変態なだけじゃなく淫乱だったのか。
「挿れるからな」
なんで……?
「ああっ……」
グププとクリストフが入ってくると、その質量の苦しさで一瞬息が止まる。ここまでずっと強引だったのに、クリストフはゆっくり前後に揺れながら、僕の体を労わるように入ってきた。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「うん……」
なんでか分からないけど涙が溢れて、僕はグズグズ泣いた。悲しいわけじゃない。クリストフに貫かれているのに嫌じゃなくなってきていることが、ボニファーを裏切るみたいで辛いんだ。
「一旦抜くからな。前からがいい。アロイスの顔を見ながらしたい」
僕は何も答えられなかった。嗚咽で言葉が出てこなかったし、鼻水が垂れてきて口でしか息をできなかったから。
「アロイス、ごめん。初めてだったんだよな? 俺も初めてで、なんか気持ちだけ先走って気遣えなかった。ゆっくりするから」
何でそんなこと言うんだろう? やりたいだけのくせに……
弱みを握ったから、僕が逆らえないと思ってるんだろ?
仰向けにされて、戸惑っていると、またクリストフが僕の中に入ってきた。ゆっくりと、最後はキスを繰り返しながら奥へと進んでくる。なんでそんな愛しい人を抱くみたいな抱き方をするんだよ。
最後は、待てないとでも言うみたいにグンって奥まできた。肺の息がカハッと全部吐き出されて、僕の視界は一瞬真っ白な世界に閉ざされる。
視界が戻ってくると、僕の体は小刻みに震えていて、クリストフにギュッと抱き締められていた。
僕だって同じように鍛えてるはずなのに、何だよその分厚い胸筋。二の腕も僕より断然太くて逞しい。なんか狡い。
でも、温かくて、吸い付くような肌が気持ちよかった。
奥をどちゅどちゅと突かれると、もう吐息しか出なくて、涙が溢れて苦しかった。気持ちいいけど、苦しかった。
「アロイス……」
苦しそうに呟くと、お腹の奥に温かいのが広がって、クリストフがブルって震えたから、中に出されたんだなって分かった。
ゆっくりと、少し柔らかくなったクリストフが出ていく。
僕はどこにも力が入らなくて、何もできなかったんだけど、クリストフが浄化を使って色んな体液を綺麗にしてくれた。
「アロイス、もう俺のパンツ盗むなよ」
「っ!!!」
僕の声にならない叫びが脳内だけに響き渡る。
クリストフのパンツ!? クリストフのパンツなの? 革袋の中身確認してたし、間違いないんだと思う。嘘でしょ……?
「汗かいたし恥ずかしいからさ。パンツなんかなくても、俺がいるからいいだろ?」
今更、ボニファーのパンツだと思って盗みましたなんて言えない……
「ずっと好きだったんだけどさ、アロイスは別の奴のことが好きだと思ってた。想いが通じ合ったのかと思ったら嬉しくて暴走した。上手くできなくてごめん。もっと上手くできるようになるから」
「あ、うん……」
どうしよう……
まさかクリストフが僕のこと好きだったなんて知らなかった。
だって僕は好きな子のペン盗んだり、どんなパンツ履いてるのかこっそり調べたり、パンツのローテーションなんかも知ってるし、パンツ盗んだ上に匂い嗅いだんだよ。結果的にはクリストフのパンツだったんだけど。
誰かから好意を寄せられるなんて、考えたこともなかった。僕はどうしたらいいの?
その日はクリストフがずっと僕を抱きしめて放してくれなかったから、魔法概論の授業はサボってしまった。クリストフの腕の中は気持ちよくて、僕の髪を撫でる手が優しくて、このままでいいかなって思っちゃったんだ。
次の日からクリストフは頻繁に僕の側にくるようになった。
きっとクリストフの中で僕たちは付き合ってることになってるんだろう。それが嫌じゃないと思ってる自分自身にも戸惑ってる。
「あれ? アロイスとクリストフが一緒にいるなんて珍しいな」
噂好きでお喋りなロータルがやってきた。こいつに知られるとなんかウザそうなんだよな……
僕はそっとクリストフと距離をとってみたんだけど、そんな時に限って僕たちの関係を知らないロータルは余計なことを言った。
「アロイスってさ、ボニファーのこと好きなんだろ? クリストフにも手を出したのか? 俺知ってんだよね~」
「……」
僕は何も答えられなかった。
「そんなわけないだろ」
クリストフは、僕がクリストフのことをパンツ盗むほど好きだと思ってるから、代わりに否定してくれたけど、ロータルはニヤニヤと悪そうな顔をしてる。
「アロイスさ、ボニファーのパンツ盗んだだろ。すげーキモい」
ロータルは僕に恨みがあったらしい。こんな人が大勢いるところで暴露されるなんて……
ロータルもボニファーが好きなのかもしれない。それか僕のことが大嫌いなのか。
僕がパンツを盗んだってロータルが大きな声で言うから周りがザワザワしてきた。
結局僕の学校生活は終わってしまうのか……
そうだよな。人のパンツ盗んだんだから、そうなるよな……
「ロータルくん、言いがかりはよくないよ。アロイスくんは僕のパンツ盗ったりしてないし」
そう声をあげてくれたのはボニファーだった。
ボニファーはやっぱり優しいな。素敵な人だ。そう思っているのに、なぜかいつもみたいにときめかない。なんで?
「そうだぞアロイスはボニファーのパンツなど盗ってない」
クリストフも僕のことを庇ってくれた。僕はボニファーのパンツは盗ってない。盗ったのはクリストフのパンツだ。
クリストフはそっとみんなの死角になるような位置で僕の手を握ってくれて、安心しろと言ってくれているみたいだった。
パンツを盗むような僕を庇ってくれるのは、クリストフしかいないと思う。
「だって見たし!」
ロータルはそれでも僕を犯人にしたいらしい。
「僕は一度も誰にもパンツ盗られたことないよ。僕のパンツには母上が刺繍を入れてくれているから、入れ替えることもできないし、ロータルくんは何もしていないアロイスくんにそんな酷いことを言うなんて、どうかしてる」
なんかごめん。ボニファーは僕を全面的に信じてくれているみたいだけど、本当に盗ろうとしました……
ロータルはボニファーにどうかしてるなんて言われて、唇を引き結んで俯いてしまった。
「あの、疑いが晴れたなら別にいいんだ」
僕は、この場を収めようと、そう言ったんだけど、ロータルに睨まれた。
「いつもボニファーのこと見てんじゃん! もうその視線だけでキモい!」
叫ぶようにロータルに言われると、本当に面倒なことになったと思った。クリストフがいるところで言わなくてもいいのに。
「アロイス行くぞ。気分が悪い。ロータル、もう二度とアロイスに近づくな」
クリストフは恐ろしい声でそう言うと、僕の手を握ったままその場を立ち去った。さっきより力が入っていてちょっと痛い。
「なあ、本当のこと言ってほしい。アロイスは俺じゃなくてボニファーのことが好きなのか?」
人が少ない中庭まで連れて行かれると、クリストフは突然立ち止まって、僕に背を向けたまま、当然の質問をした。
どうしよう……
そんなことないよって言いたいのに、嘘をつくのも嫌だと思ってる。何よりクリストフを傷つけるのが怖い。だって……
ん? だってってなんだ? 僕はその先に続く言葉を頭から振り払った。
「ごめん……」
そう呟くのが精一杯だった。
「そうか。勘違いして悪かったな」
クリストフは僕の方を一瞬も見ずに、雑に手を放して、背を向けたまま去っていった。
僕は引き止めようと思ったんだけど、引き止めてどうするのか、何を言えばいいのか分からなくて、手を伸ばせなかった。
遠ざかるクリストフの背中。僕が傷つけたんだ。このままじゃクリストフを失う。今すぐ追いかけるしかないって思った。
だって僕の心は決まってる。一度は頭から振り払った言葉を、今度は迷わず口に出して叫んだ。
「クリストフ! 好きだ! 僕はクリストフが好きだ!」
走りながら、たぶん僕は泣いてる。だって視界が滲んでるんだ……
そのせいで転けたけど、起き上がってクリストフを追いかけた。人が見てるとかもうそんなのどうでもよかった。
「クリストフ! 僕が好きなのはクリストフだ!」
僕が大声で叫ぶから、クリストフが慌てて戻ってくるのが見えた。
「おい、何なんだよ。ボニファーのことが好きなんだろ? 振ったくせにどういうつもりだよ」
「自分でも分かんない。クリストフを失いたくないって思ったら叫んでた。前はボニファーが好きだったけど、崇拝してただけで恋じゃなかったみたいだ。ボニファーには抱きしめてほしいとか思ったことなかった。抱きしめてほしいのも、キスしてほしいのも、クリストフなんだ。側にいたい……」
「お前さ、なんかイメージと違いすぎ。パンツ盗むし、他の奴が好きだって振ったくせに、みんながいる前で大声で告白するし」
だよね……僕も自分に呆れてる。
なんか訳分かんなくなって崇拝とか言っちゃったけど、触れずにいてくれてありがとう。
「嫌になった?」
「もっと知りたい。お前のこと」
「うん。変態でもいい?」
「しょうがねえな。受け止めてやるよ」
「僕、淫乱って疑いもあるんだけど……」
「それは最高だ」
そっか。最高なんだ……パンツ盗むような僕のことを最高なんて言ってくれるのはクリストフだけだよ。
嬉しくて僕はクリストフに抱きついた。
「クリストフ、格好良すぎ。狡い」
「やめろよ、みんな見てんのに。逃げるぞ!」
「うん!」
もしかして褒めたから照れたの? クリストフは耳まで真っ赤にして、増えていくギャラリーの隙間を縫って、僕の手を引いて駆けていった。
「クリストフ、今穿いてるパンツちょうだい」
「は? 普通に嫌だろ。抱いてやるからそれで我慢しろ」
「うん。匂い嗅ぐのはいい?」
「しょうがないな」
クリストフが変態な僕を受け止めると言ったのは本当らしい。
*
「残念だったねロータルくん、アロイスくんのこと好きだったんでしょ? 僕になんて構ってるからクリストフくんに掻っ攫われるんだよ」
「くっ……でも、俺があんな酷いこと言ったのに、別にいいって。やっぱりアロイスは優しい」
アロイスがボニファーのことを好きなのは知っていた。アロイスを孤立させて、ロータルが優しく攫うつもりが、クリストフという思わぬ邪魔者が入ったせいで狂った。
そしてアロイスはあっさりとクリストフに攫われてしまった。それは残念でならないが、アロイスに見向きもされなかったロータルは、自分という存在が認識されただけで嬉しかった。
「僕知ってるんだからね。ロータルくんがアロイスくんのパンツ何度も盗んで同じようなパンツに入れ替えてるの」
「なぜそれを……」
「バラされたくないなら、僕の言うこと聞けるよね? 寮の部屋を探したらアロイスくんの私物、たくさん出てくるんだろうな~」
いつもホワホワと優しい雰囲気のボニファーが見せる裏の顔、ロータルは動揺しつつも頷くしかなかった。
「分かった」
「ん。いい子だね~、ロータルくん♪」
歌うように言って頭を撫でられたけど、その目はゾッとするほど冷たかった。ロータルはとんでもない奴に目をつけられてしまったらしい。
*
「はぁ~臭い。クリストフの匂いだ」
「だったら匂いを嗅ぐのをやめろ。いつの間に俺のパンツ盗ったんだよ!」
僕は今度は盗むパンツを間違えなかった。
(完)
最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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