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しおりを挟む「シルフ、どうやってここに来たんだ?」
「分かんない。レグナー、死なないで。お願い。僕を一人にしないで。今して。キスの続き、今すぐして!」
たぶんここは戦場で、何で僕がここにいるのかは分からない。でもそんなことより、レグナーがちゃんと生きてて幻じゃないって確かめたかった。
レグナーの首に巻きついて、何か話そうとするレグナーの口を、僕は口で塞いだ。
二度目のキスは僕からで、触れるだけじゃないキス。
「んん……」
レグナーの吐息がかかる。ちゃんと温度も、唇や舌の感触もある。
上衣の裾から大きな手が入ってきて、僕の背中を撫でてる。
「あったかくて気持ちいい」
「いいんだな?」
「早く僕をレグナーのものにして」
レグナーの喉がゴクリと音を立てた。
それから僕は、レグナーに身を任せた。唇から首に、鎖骨を通って胸にキスが下りてきて、彼が触れる部分が全部熱くなる。
「ああっ」
「シルフ、可愛い」
熱に浮かされたみたいにずっと「側にいて」「一人にしないで」「死なないで」「愛して」って言っていた気がする。
ポケットからオイルの小瓶を取り出した時は、僕という存在がいながら、レグナーは浮気でもしてたんじゃないかって思ったんだけど、戦場に行く騎士には全員に配られるらしい。昂った騎士同士でそういう行為に及ぶことがあるのだとか……
レグナー、それって本当? 僕のこと騙してるんじゃないよね?
本当は浮気してたけど、誤魔化してるんじゃないよね?
「シルフ、俺は潔白だ。シルフだけ。シルフだけ愛してる」
「うん。僕もレグナーのこと愛してるよ」
レグナーは「ちゃんと解さないと痛いから」なんて言って、僕の声が枯れるまで指で中を掻き回した。
「やだ、やだ、もう挿れてよ」
「もう少しだ」
僕はまだ繋がってないのに、足がガクガクで立てなくなって、レグナーに後ろから抱き抱えるように支えられてた。
僕は初めてなのに……
「シルフ、挿れるぞ」
僕のお尻にヌルヌルと硬いものが当てがわれて、グププっと指じゃないものが入ってきた。
「あ……」
僕を内側から支配していくみたいに、体が思うように動かなくて、でもそれはレグナーだから全然嫌じゃない。
腰が打ち付けられる度に、僕の息がカハッと吐き出されて、苦しくてたまらなくなる。
僕だって農作業で鍛えてるけど、レグナーほど体力があるわけじゃない。
もう限界だって力が抜けて、レグナーの腕を掴む手を放しそうになるんだけど、この手は絶対に放しちゃいけない。もう二度と。
繋がれて幸せなのに、レグナーを失うことが怖くて泣いた。
「レグナー、お願いだから側にいて……出ていかないで。まだ中にいて」
レグナーからしてみれば、僕は気が狂ったように見えたかもしれない。
それでも構わない。これが現実なら、お願い。レグナーを返して。
何度も何度もして、乳首なんて弄られすぎて取れるかと思った。キスしすぎて唇が腫れてるんじゃないかって思ったし、もう僕の精液は枯れて、トロトロと何か分からない液体が出てるだけになった。それでも止めないで、出ていかないでって泣いた。
「シルフ、どうしたんだ? もう俺も限界なんだけど」
終わってもぐしぐし泣き続ける僕のことを、レグナーは「仕方ないな」なんて言いながら、ずっと抱きしめていてくれた。
急に眠気が襲ってきて、目を閉じそうになるんだけど、目を閉じたら全部夢と消えてしまうんじゃないかと思うと眠れなかった。
「俺が側にいるから寝てもいいぞ」
「やだ。寝たらレグナーがいなくなっちゃう」
「そんなことないから。疲れてるんだろ?」
眠気に抗えなくて、僕はいつの間にか眠っていた。
「レグナー!」
目が覚めて一番最初にレグナーの名前を叫んだ。
「どうした? 俺はここにいる」
僕はレグナーの腕の中にいた。夢じゃないかと思って、レグナーの顔や体をペタペタと触って、本物だと確認した。
寝て起きたら戦場にいて、レグナーがいて、そしてまた寝て起きたら、まだレグナーはここにいる。
一体どういうこと?
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