7 / 8
6 ※
しおりを挟む「ロッソ、好きだよ。全部好き」
「ありがとう。ニコラ、俺もニコラが好きだ」
傷はあるけど、胸は分厚いし、腕も太いし、すごく格好いい。それに比べて僕はヒョロヒョロだ。薄い胸には肋骨が浮き出ているし、腕は細くて枝みたい。
「ニコラは強く握ったら折れてしまいそうだ」
「あっ……」
僕の胸にロッソの硬くて大きな指が触れて、変な声が出てしまった。
「痛かったか?」
「痛くない」
「じゃあ何だ?」
なんだってそんなこと聞かないでよ。僕に恥ずかしいこと言わせたいの? ロッソは指の動きを止めて僕をじっと見つめてる。
「……気持ちいい」
「そうか。じゃあもっとたくさん触っていいか?」
何でそんなこと聞くの? 聞かなくていいよ。気持ちいいって言ったじゃん。ロッソは僕が言うまで何もしない気なんだ。優しいけど、ある意味意地悪だよ。
「触ってほしい」
「分かった。こんな感じでどうだ?」
そんなのいちいち聞かないでよ……僕は恥ずかしくて顔から火が出そうになりながら、「それ気持ちいい」とか「それ好き」とか言わされた。
「ここも舐めたい」
「うん、いいよ」
僕にいちいち伺いを立ててから次に進むロッソ。僕がいいって言わなかったら、何もしないつもりなんだ……
快感と羞恥で、頭がおかしくなりそうだった。
「可愛い。ニコラ、可愛い。ほら、俺が舐めていると、こんなに溢れて、少し震えている。本当に可愛いな」
そんなこと言わなくていいのに。先走りがトロトロと溢れているそこを、ロッソは嬉しそうに舐めていて、僕は本当に恥ずかしいんだよ。
「ニコラ、気持ちいいか? 好きな時にイっていいからな。我慢しなくていいからな」
「ん……あっ、気持ちいいよ、あっ……イっ…………」
ロッソは僕の種を一滴も漏らさないよう、全部吸い上げてゴクッと飲んだ。
「ニコラが俺の中に取り込まれた。愛しい」
……ロッソって変態なの? 恍惚とした表情でそんなこと言うから、僕は少し不安になった。僕は人付き合いも苦手だし、恋人だっていたことはない。ロッソが初めてなのに、大丈夫か不安になった。
「ひゃっ」
いいって許可したけど、足を開かれてマジマジと見られながら舐められるなんて、本当に恥ずかしくて気が狂いそうだよ。
「ニコラの入口はギュッと閉じている。こんなところに挿れて大丈夫か? しっかり広げて痛くないようにするからな」
「うん」
僕の中にロッソの太い指が入ってきて、グネグネと動き回っている。
もう片方の手は僕の立ち上がった部分をヌチャヌチャと扱いていて、気持ちいい。
「あっ、やっ……」
気持ちいいなって思いながらロッソに身を任せていたら、急に鋭い快感がきた。鋭すぎて、びっくりして痛いのかと思ったくらい。
全身が震えているのが分かる。
ロッソはまた止まって、「痛いか? やめるか?」と、聞いてくる。
大丈夫だって言ってるのに、「本当か?」と何度も聞いてくるから、僕はおねだりするみたいに言うしかなかった。
「気持ちいいの、気持ちよすぎたの、優しく触ってほしい。お願い」
恥ずかしすぎて人が死ぬってことがあるのなら、僕の命はきっともうすぐ尽きる。
そっと僕の反応を確かめるみたいに触れて、ああ……って声が漏れちゃう僕のことをじっと眺めてる。ねえ、僕は本当に恥ずかしいんだからね。
「ロッソ、あっ……イっちゃう……」
「イっていいぞ、ニコラ、気持ちいいか? 可愛い」
初めてだからそれが正しいのかは分からない。
僕の中に入っていた指の数が増えて、気持ちいいところをずっと触ってるから、僕の体はビクビク跳ねてた。イっちゃうって言ったらロッソがまた僕のものを咥えてジュルって吸ったりするから、我慢できなくてまた出た。
「ニコラ、美味しい。もっとイっていいからな」
そんなにイけないよ。まだするの? グチュッグチュッて音を立てながら、指でグイーって広げるみたいにしてる。もしかして、ロッソのそれはすごく大きかったりするの? 怖いんだけど……
「ロッソ……いつ挿れてくれる?」
そう言ったら、ロッソがゴクっと生唾を飲み込んだ。え? 何? ロッソの目が愛しい者を見る目から、獲物を見つけた雄の目に変わっていくのを見た。ギラッと光って、僕に狙いを定めた。僕は少し怖いその目に捕えられて、目を逸らすことができない。
指が抜かれて、僕のお尻に指じゃないものがぬらぬらとあてがわれて、狭い入り口を押し広げながらゆっくりと入ってきた。それがロッソのものだとすぐに分かった。指より熱くて硬くて、重い。
「んん……」
一気に緊張が走って、怖くなっていきんでた。
出ていってほしいって思ったわけじゃないのに、ジッと見つめられて、僕が手を伸ばしたら、手を握ってくれた。
「痛くないか?」
「大丈夫」
「苦しいなら、今日はもうやめておくか?」
何でそんなこと言うの? 獲物を狙う雄の目が、僕の手を握ったらどんどん優しくなって、僕の胸が切なく締め付けられた。
僕がいいよって言わないと、本当にこのまま進まずに抜いちゃうつもりなんだ。
「やめないで……僕だってロッソのことが欲しいんだよ」
「ニコラ、煽るな。そんなこと言うと止まれなくなる」
僕よりずっと体力があるロッソの全部を受け止めるなんて、無理かもしれない。でも、僕だってロッソを求める気持ちはある。ずっと欲しかった。ロッソに会いたくて触れたくてたまらなかった。
「ロッソ、好きって言って」
「ニコラ、好きだ。大好きだ。何度でも言ってやる。誰よりニコラが好きで愛しい」
「嬉しい。僕もロッソが好き」
僕が好きって言ったら、ロッソが我慢できなくなったみたいで、グンって奥まできた。
声にならない息だけが、肺から押し出させるみたいにカハッって吐き出されて、僕は盛大に背中を逸らせていた。
「ニコラ……好きだ。好きなんだ。他の何を失ってもニコラが欲しい。ニコラ、好きだ」
僕は何が起きたのか分からなくて、遠くでロッソの声が響いていて、苦しいくらいに抱きしめられているのを感じた。
ゆっくり動いてくれているのに、油断したら意識が飛びそうになる。僕はロッソがずっと好き好きって言ってくれているのに、甘い吐息ばかり漏れて、何も答えられなかった。
ロッソ、好きだよ。僕も好き。ロッソが好きだよ。
ドクドクとロッソのものが波打っていて、お腹の中に熱いのが広がっていくと、ロッソは僕の中から出ていった。
イったのかな? よかった。ロッソもちゃんと気持ちよくなってくれたんだ……
そう思ったらホッとして僕は目を閉じた。
428
お気に入りに追加
251
あなたにおすすめの小説

信じて送り出した養い子が、魔王の首を手柄に俺へ迫ってくるんだが……
鳥羽ミワ
BL
ミルはとある貴族の家で使用人として働いていた。そこの末息子・レオンは、不吉な赤目や強い黒魔力を持つことで忌み嫌われている。それを見かねたミルは、レオンを離れへ隔離するという名目で、彼の面倒を見ていた。
そんなある日、魔王復活の知らせが届く。レオンは勇者候補として戦地へ向かうこととなった。心配でたまらないミルだが、レオンはあっさり魔王を討ち取った。
これでレオンの将来は安泰だ! と喜んだのも束の間、レオンはミルに求婚する。
「俺はずっと、ミルのことが好きだった」
そんなこと聞いてないが!? だけどうるうるの瞳(※ミル視点)で迫るレオンを、ミルは拒み切れなくて……。
お人よしでほだされやすい鈍感使用人と、彼をずっと恋い慕い続けた令息。長年の執着の粘り勝ちを見届けろ!
※エブリスタ様、カクヨム様、pixiv様にも掲載しています
僕たち、結婚することになりました
リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった!
後輩はモテモテな25歳。
俺は37歳。
笑えるBL。ラブコメディ💛
fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
悩ましき騎士団長のひとりごと
きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。
ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。
『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。
ムーンライト様にも掲載しております。
よろしくお願いします。
捨て猫はエリート騎士に溺愛される
135
BL
絶賛反抗期中のヤンキーが異世界でエリート騎士に甘やかされて、飼い猫になる話。
目つきの悪い野良猫が飼い猫になって目きゅるんきゅるんの愛される存在になる感じで読んでください。
お話をうまく書けるようになったら続きを書いてみたいなって。
京也は総受け。
婚約破棄された婚活オメガの憂鬱な日々
月歌(ツキウタ)
BL
運命の番と巡り合う確率はとても低い。なのに、俺の婚約者のアルファが運命の番と巡り合ってしまった。運命の番が出逢った場合、二人が結ばれる措置として婚約破棄や離婚することが認められている。これは国の法律で、婚約破棄または離婚された人物には一生一人で生きていけるだけの年金が支給される。ただし、運命の番となった二人に関わることは一生禁じられ、破れば投獄されることも。
俺は年金をもらい実家暮らししている。だが、一人で暮らすのは辛いので婚活を始めることにした。
魔性の男は純愛がしたい
ふじの
BL
子爵家の私生児であるマクシミリアンは、その美貌と言動から魔性の男と呼ばれていた。しかし本人自体は至って真面目なつもりであり、純愛主義の男である。そんなある日、第三王子殿下のアレクセイから突然呼び出され、とある令嬢からの執拗なアプローチを避けるため、自分と偽装の恋人になって欲しいと言われ─────。
アルファポリス先行公開(のちに改訂版をムーンライトノベルズにも掲載予定)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる