【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

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「へ?」

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激しく抱かれすぎて、次の日僕は寝返りを打つことすらできなかった。
ただベッドに横になって、仕事もできなかった。

その次の日になると、メイドが押し寄せてきて、僕を風呂で綺麗に磨き、オイルを塗ってもみほぐし、豪華な衣装に白に豪華な銀糸の刺繍が入った分厚いマントまで付けられて控室に押し込まれた。

なんだ?何が起きている?
昨日の朝起きた時から今朝までの間、陛下はいなかったし、宰相も説明には来てくれなかった。
式典などがあるなら予定は把握しているはずだが、今日そんな予定はなかったはずだ。

まだ痛む腰を摩りながら座っていると、やっと呼び出しがかかって大きなホールに連れて行かれた。

使用人に聞いてみたが、陛下から重大発表があるとしか聞いていないと言われた。
でもなぜか、よかったですね。と謎の言葉を残して去っていった。



重大発表?そんな話は聞いていない。
どういうことだ?緊急事態なのか?敵国が攻めてきたとか、昨日僕が部屋で寝ている間にとんでもない自然災害があったとか、天変地異か?
いずれにしても事前に説明が欲しいものだ。

緊急招集ということで、会場も全体がザワザワと騒がしいし、陛下当人はどこにいるのかも分からない。
同じく宰相も見当たらないし、本当に緊急事態なのかもしれない。

ここは僕が落ち着かなければ。


側妃たちも何も聞いていないようで、落ち着かない様子だったが、僕の姿を見てなぜかホッとした表情になった。ジャンとルークも僕の姿を見ると余裕の笑みを浮かべているし。
なんだ?まぁ僕がいることで何か役に立てるのならそれでいい。
自分の心は苦しいが、他の誰かを苦しめたいわけじゃない。



『皇帝陛下が入場されます。』

そう宰相の声が会場に響き、陛下がやっと現れて僕の前に来た。
僕は気まずくて目を逸らしたけど、陛下が僕の耳元で囁いた。

『余は欲しいと思ったものには手段を選ばない。シオンのためと今までは自由にしてやっていたが、それも終わりだ。余の愛を受け止めよ。』
「え?」


陛下は僕の腰を抱くと、ステージの中央へ進んでいった。
それに他の側妃たちも続いた。

宰相が急遽集まった皆への労いなどを述べ、陛下から宣言がある旨の説明があった。

『第23代グローリエ帝国皇帝フレディー・レイ・グローリエとしてここに宣言する。
隣に立つシオンを余の正妃とする!
異論がある者は帝国に叛逆の意思ありと受け取ろう。』

「へ?」

間抜けな顔をしてアホみたいに『へ?』とか言ってしまった僕は悪くないと思う。
僕は男ですよ?
正妃になったとして何のメリットがある?
出身も王族とは名ばかりの何の後ろ盾もない弱小国家の捨てられたような人間ですし。
 
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