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憂い
しおりを挟む陛下は最近、『成人までは』『成人したら』など、僕が成人するときの話を話題に上げる。
もしや、陛下は成人前の男が好みなのでは?それなら僕にはどうしようもない。
子も産めない僕は暇を出されるということもあるんだろうか?
愛されなくなったとしても、仕事で信頼を得れば側にいられるかもしれない。
僕は近衛騎士たちと続けていた体力作りに加えて、政治や経済についても、もっと深く勉強するようになった。
それは図書館を利用したり、宰相に教えを乞うこともあるし、恐れながら陛下に教えてもらうこともあった。
「シオン、最近は前にも増して勉強を頑張っているようだね。」
「はい。陛下のお役に立ちたいのです。叶うことなら、ずっと側に置いていただきたいのです。」
「あぁ、ずっと余の側に置こう。」
「はい。嬉しいです。」
こうして僕は執務に励み、夜は陛下に抱かれる日々を過ごしていた。
あんな種付けのような行為でも子はできるようで、その間に子は3人産まれて、妊娠している妃も2人いる。
間も無く僕の16歳の成人が近付くという頃に、陛下は後宮に男を2人迎え入れると言った。
とうとう陛下は僕の体に飽きてしまったのか・・・。
そう悲しく思いながら、後宮への引っ越しのために僕は荷物をまとめた。
仕事面ではしっかり地盤を固めたため、陛下は僕をちゃんと必要としてくれているし、放逐されることはないと思う。
必要とされるけれど、愛されなくなる。その事実は僕の心に暗い影を落とした。
「陛下、僕は成人を迎えたら後宮に移ります。」
「そうか。シオンがそれを望むなら止めはしない。」
「はい。」
もしかしたら行かないでくれと、ここにいろと、言ってくれるかもしれないと淡い期待を抱いていたが、そんなことはなかった。
それはとてもあっさりとしたもので、理由さえ聞かれなかった。
それほどまでに陛下の中で僕の存在が薄れていたとは知らなかった。
それでも毎晩抱いてくれるのは、せめてもの情けなのだろう。
毎日、陛下が抱いてくれるのは今夜が最後かもしれないと思いながら、僕は抱かれた。終わってしまうなら、せめて陛下に愛されたことを体に刻みつけたい。
「へ、いか、、もっと、もっと激しく、へい、か、、すき、、すきぃ、、だいすきぃ、、抜かないで、、もっと、あ、あぁ、、ぁぁぁあああ、」
「あぁ、シオン最高だよ。激しく突き上げてあげるよ。もっと啼かせたい。」
僕は陛下を求めた。妃に種付けする時でさえ、善がりながら僕は陛下を求めた。
すると、それを横目で見ていた妃たちは、抱かれている僕にキスをしたり胸や陰茎を愛撫したりするようになった。
だから僕も、妃たちの乳房を揉んだり乳首に吸い付いたり陛下を受け入れる場所を舐めたりしながら陛下に抱かれた。
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