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大人のキス
しおりを挟むこのお城に連れて来られて1年半くらい経った時だった。
寝て起きたら、僕の下穿きが濡れていた。
僕は血の気が引いた。まさかおねしょした?この歳で?しかも何かぬるぬるして、おしっこじゃない匂いがした。
どうしよう・・・こんな粗相をして、皇帝に嫌われるかもしれない。そう思うと涙が出た。
皇帝の腕の中でシクシク泣いていると、皇帝が驚いて起きた。
「どうした?怖い夢でも見たか?」
「いえ・・・」
「じゃあどうした?故郷が恋しくなったか?」
「違います。僕は皇帝の側にいることが幸せ。故郷になど戻りたくないです。」
皇帝に見つかる前に洗わなきゃ。モゾモゾと皇帝の腕から抜け出そうとすると、皇帝に掴まれた。
「何故逃げようとしている?・・・ん?これは。」
「ごめんなさい。僕、粗相を・・・嫌わないで・・・。」
「よしよし。やっと精通したか。めでたいことだ。」
「え?」
「余はこれを待っていた。嫌うなどとんでもない。あぁ、これでシオンと愛し合うことができる。」
皇帝は怒るどころか喜んで、僕をギュッと抱きしめて頭を撫でてキスをしてくれた。
シクシク泣く僕に、皇帝は清浄魔法をかけてくれて、粗相をしたのではなく体が大人になったのだと教えてくれた。
「たくさん大人の愛を教えてやる。」
「はい。」
大人の愛?僕は抱きしめてキスしてくれるだけで幸せなんだけど、皇帝が何だか嬉しそうだからきっと嬉しいことが待ってるんだと思ってドキドキと胸が高鳴った。
その日のお昼、仕事が一段落すると、皇帝は僕を抱きしめてキスをした。
でも今日はいつものキスと違った。
長くて、唇を啄むようなキスを繰り返して、そして唇の間から舌が入ってきて、色んなところを舐められた。
温かくて、皇帝の息遣いを感じて、夢の中みたいに頭がふわふわした。
「んん、、ぁ、んん、、はぅ、、」
皇帝の口が離れると、夢から現実に戻ってきてしまったみたい。
「シオンは可愛いな。大人のキスはどうだった?」
「これが大人のキス・・・。温かくて、夢の中にいるみたいにふわふわしました。」
「そうか。目が潤んでいる。透き通った氷のような美しいアイスブルーの瞳が溶けていくようでとても美しいな。」
「お見苦しいところを。」
僕が慌てて袖で目を擦ろうとすると、皇帝の手に阻まれた。
「見苦しいなどとんでもない。とても美しい。もっと見せてほしい。」
「はい。」
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