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これも計画のうち
しおりを挟む「オンブラ~、起きろ。起きないとまた抱くぞ。」
「んん、、セラータ、おはようございま、す・・・。腰が砕けているんですが・・・。」
私が意識を失っても続けたんだろう。
腰に力が入らず、痛くて体を起こすこともできなかった。
「身体強化使わなかったのか?」
「そんなの使う暇ありませんでしたよ。」
「俺、治癒は得意じゃないんだけど。仕方ないから使ってやるよ。」
「ありがとうございます。」
得意じゃない?私なんか治癒は使えないのに。
それにこれ、ただのヒールじゃないよな。ハイヒールか?
なるほど得意でないのにこれほど高度な治癒が使えるから吸血鬼は倒すのが大変なんだな。
このレベルで得意でないとなると、吸血鬼の中にはもっと高度な治癒を使える者がいるということか。
なるほど。やはり私が立てた計画は正しかった。まともにやり合って勝てる相手ではないということだ。
「ねぇオンブラ、俺のこと好きなのか?」
「ん?好きですよ。」
「そうかそうか。」
恐る恐るという感じで聞いてきたが、好きだと言ってみると、とても嬉しそうに笑った。ん?これはもしや。
色々とセラータを落とす計画はしていたが、もう落ちたのか?
「セラータ、大好きです。」
「そ、そうか。・・・俺も。」
畳み掛けてみると、なんとちょろいことか。消え入りそうな小さな声で『俺も』と。どう考えても可愛いのはあんただ。
そこからはもう、遠慮せずグイグイといった。
手をギュッと握って上目遣いに好きと言ったり、キスを強請ったりもした。
しかし、夜は多少キツかった。
毎晩求めてくるセラータの元気さに、身体強化をかけても対処しきれず、いつも終わると啼きすぎて枯れた喉と腰にヒールをかけてもらっている。
「オンブラ、ずっと気になっていたんだが、その首輪は気持ち悪い魔力を感じる。」
「でしょうね。私も気持ち悪いですよ。」
「なぜそんなものを着けている?」
「外せないんですよ。主人でないとね。」
「主人?どういうことだ?俺以外に愛する者がいるのか?」
「前に街で見たでしょ?奴隷。あれと同じ効果がある隷属の魔法がかけられているんです。」
「は?なぜだ。」
「私は国に囚われているんですよ。強大な魔力を持っていたから。」
「壊してやろうか?」
「無理に壊せば私は死にます。」
「そうか・・・。」
「大丈夫。そんなにキツイ命令はされてないので。それにセラータを愛することはできますから。」
この話をしたのも、セラータの同情を引いて私に縛り付けるためだ。
隷属の魔法はかけられているが、奴隷ほどではない。ただ魔力の一部を封印され、国に害を与えないようになっているだけだ。
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