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11.彼氏(ミツル視点)
しおりを挟むタキさんは本当に優しい。でも僕が貧弱だから手加減して我慢してる気がするんだ。それが申し訳ない。そして仕事が決まらないことに僕は焦っていた。
今はそれなりに気に入ってくれているけど、タキさんみたいな素敵な人モテないわけがない。パートナーになるって言ってくれたけど、プレイもしてくれるし抱いてくれるけど、いつも不安だった。
ただの居候でいるってことが苦しかった。僕も仕事をちゃんとして対等でいたいし、無職でゴロゴロしてたらすぐに捨てられると思った。
なかなか仕事が見つからなくて焦っていた。そしたらタキさんの行きつけの店に連れて行ってくれたんだ。
「ミツルは俺のパートナーで彼氏だ」
そうなの?
僕が一方的に好きなだけかと思ってた。僕にタキさんを惹きつける魅力なんてあるの?
知り合いに「彼氏」と紹介してくれたことが嬉しすぎた。本当は今すぐ抱きついてたくさんキスをしたいけど、今は我慢だ。
そして僕はこの店で働くことになった。
あんなに苦労して面接とか色々行って、何度も失敗して断られたりしてたのに、決まる時はこんなに簡単に決まるんだ。
「ミツルくん心配しなくて大丈夫だよ。未経験だって聞いてるし、過去には嫌な思いもしたんだろ? 初めはキッチンで手伝ってもらって、人前に出るのは慣れてからでいいから」
「はい」
タキさんの知り合いだしって思って僕は頑張った。失敗して注意されることもあったけど、楽しいこともたくさんあった。
「ミツルくん上がっていいよ。タキが迎えに来てる」
「はい。お疲れ様でした」
タキさんは結構な頻度でバイトが終わる時間になると迎えに来てくれる。
残業や職場の飲み会の日はちゃんと連絡が入ってる。タキさんってマメなんだな。
タキさんの部屋は防音がしっかりしていないから、家ではハードプレイができない。でも度々タキさんは僕に意地悪を仕掛けてくる。
その中でも、急に押し倒されて噛みつかれるのが僕は好きだ。
「ミツル、デートしよう」
「はい。とうとう殴りながら犯してくれるんですね! 楽しみです!」
「バイトに支障が出ないようにする」
そっか……
僕はまたタキさんを我慢させてしまうんだと思うと申し訳なかった。
「ミツル、Come」
「はい」
両手を広げたタキさんの腕の中にすっぽりと収まると、優しい声で「Good boyいい子」と抱きしめてくれる。
もうそれだけで全身が震えるくらい気持ちいい。タキさんは僕の運命の人だ。
「Strip」
従いたいのに叱ってほしい気持ちもあって、迷いながらゆっくり脱いでいたら平手が飛んできた。
バターン!
受け身は取れなかった。でも上手く物に当たらず床に転べたのはよかった。
腕を少し擦りむけたけど、タキさんに自分の物だと付けられた証みたいで傷さえ愛しい。
この痛みと苦しさの向こうには極上のCareが待っていると思うと、それだけで僕の股間がムクムクと反応する。
お仕置きしてくれるその手が好きです。噛みついてくれるその口が好きです。全部好きです。
「Crawl」
「Good boyいい子だ。ご褒美をやろう」
そう言うと、僕のお尻がバチーンと何度も叩かれた。
バチーン
「あぅ……」
「ミツルの好きなところ触ってほしいか?」
「はい」
「素直でいい子だGood boy」
クプリとタキさんの太い指が入ってきて、そのまま僕の弱いところばかり執拗に責め立ててきた。
「あ……ああ……すきぃ、くるし……ぁああ……」
苦しくて苦しくて、なのに気持ちよくて全身がタキさんを求めてる。
「きて……タキさん……きて……」
「一気にいくから覚悟しろよ」
そのタキさんの言葉だけで、僕は吐精してしまった。
「ぁああああ」
最奥まで一気に穿たれて、僕は盛大に背中を反らせていた。
腰がパンパンとリズミカルに打ち付けられるのと同時に僕のお尻もバチンバチンと叩かれて、背中にもたくさん噛みつかれた。気持ちよくて苦しくて、痛い。たくさんの感覚が一気に襲ってきて気が狂いそうになる。
僕は必死に枕を抱きしめることしかできなかった。
クッタリと萎れた花みたいに横たわる僕を、タキさんはそっと抱きしめてくれた。
「タキさん、好きです。タキさん、少しは満たされましたか?」
「満たされたぞ。ミツルはどうだ?」
「これ以上無いくらい満たされました」
「そうか、ならよかった」
そんな最高なデートをして、また普段の生活に戻る。いつも迎えにきてもらうのは申し訳ないと、お迎えは週に二度くらいにしてもらった。
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