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8.おねだり
しおりを挟む「うぅーん」
「起きたか?」
「あれ? 僕寝てしまったんですか?」
ミツルが辺りをキョロキョロと見渡して、最後に俺の顔を見上げた。その上目遣いヤバイな。
「そうだな」
「ごめんなさい」
「謝ることはない」
「寝てる時に犯したり……」
「してねえよ」
「そっか」
いや、なんでそこで残念そうな顔をするんだよ。寝込みを襲ったりするわけないだろ。
「そんなに犯して欲しけりゃ可愛くおねだりしてみろ」
「タキさん、手酷く犯して下さい!」
とても潔いが全然可愛くないだろ……
「可愛くない。却下だ」
「殴ってもいいよ? 犯して?」
上目遣いでうるうるした瞳で見上げる表情は可愛いんだが内容がおかしい。どこに可愛さがあるのかが分からない。
「ダメだ。却下だ」
「タキさん、僕を痛めつけてください」
何か不穏な言葉が隠れていた気がするが、それは気づかなかったことにしよう。
「今回はそれで許してやるよ」
「タキさん、好き好き大好き!」
俺は今の台詞が一番好きだ。
「いい子だ。Kissキスしろ」
そう言うとミツルは戸惑いながらそっと俺の頬に手を添えて、一瞬触れるだけのキスをした。恥ずかしいのか頬を染めて目を逸らしている姿が可愛い。
「どうした? 恥ずかしいのか?」
「あ、その、ドキドキします。タキさんのこと好きだから」
「そうか。ミツルは素直でいいこだ。Strip。できるか?」
「はい。できます」
ミツルがゆっくりと服を脱いでいくのをジッと眺める。俺が付けた歯形がまだ残っている。擦り剥いた腕の傷も痛々しい。それでもミツルは喜んでいるんだよな?
「Present」
ミツルはどこを晒すんだろうと観察していると、上を向いて首を俺に向けた。本物の急所だ……俺はそんなところを晒されてどうすればいいのか、首を絞めろということか? いや、もしかしてカラーが欲しいのか?
俺としてはカラーを贈りたい気持ちはある。しかしこの先もずっとミツルの期待に応えられる自信がないため、まだ決断できずにいる。
それはいいんだ。今はこの状況をどうしようか悩むところだ。
「はぅ……」
俺はミツルの首に噛みついた。こんなところ本当に急所で怖いから、ガブっとはいかずに首の皮だけを引っ張って噛む。
そして吸い付いてキスマークも付けた。
「Good boyミツルはいいこだ」
ギュッと抱きしめて力を込める。痛いくらいに。細い体で本当に折れてしまいそうな気がして少し不安になるが、もう少し。
「くっ……ぅ」
大丈夫だろうか?
不安になりながら、ゆっくりと腕の力を緩める。
「ぁ、はぁ、タキさん好き」
今度は逆にミツルが俺に力を込めて抱きついてきた。全然苦しくも痛くもないんだ。ただ可愛いだけ。
「Good boyいいこだ」
「はぅ……気持ちいい。タキさんのCareはいつも気持ちいいです」
可愛い。大切なミツルを守りたい。
できればデロデロに甘やかして、ずっと抱きしめていたい。俺がそんな気持ちを持っているなんてミツルが知ったら、どうなってしまうんだろう。にやけそうになる表情筋を必死に引き締めた。
「Crawl」
ミツルが四つん這いになると、ローションを指に纏わせミツルの中に指を潜り込ませる。
まだ回数をこなしていないから慣れてないよな?
しっかりと解して、しつこいくらいに広げていく。
「あぁ……んぅ……あっ……ぁああ……」
痛みではなく快楽で攻めるというのはどうだろうか? 愛してほしいと言ったんだから、それもありなんじゃないか? しつこいくらいに攻めたらミツルはやめてほしいと言うんだろうか? それとも耐えるんだろうか?
「ここ好きか? 好きだよな? そんなにビクビクと体を揺らして。気持ちいいんだな。Good boyいい子だ」
「あぁ……あっ……すき……タキさんすき……」
「Good boy素直でいい子だ」
グイグイと前立腺を潰すように攻めながら、ミツルのタラタラと先走りを垂れ流しているところも握って扱いてやると、本当に面白いくらいに跳ねて嬌声をあげ続けている。
「あっ……タキさん……あぁ……やぁ……」
「好きなだけイッていいんだぞ」
何度もイかせると、カタカタと震えが止まらなくなっているのを見て、ちょっと可哀想になってきた。
そこは心を鬼にして、仰向けにひっくり返すとミツルは涙と鼻水でぐちゃぐちゃな顔になっていた。
「挿れるぞ」
「ぁあああ……あ……」
トロトロに蕩けて俺をすんなりと迎えてくれるミツルを一気に奥まで貫くと、まだカタカタと震えていた。
手を伸ばしてティッシュで鼻水も涙も拭いてやる。可愛いミツルにキスをして抱きしめながら抽送を開始した。
「あっ、あっ……もう……もう、だめ……あっ……」
「Good boyいい子だ」
「あっ、むり……もう……くるし……」
ミツルを夢中で攻めて、ミツルの声が枯れた頃にやっと奥にドクドクと何度目かの射精を終えてズルリと抜け出す。
激しく攻めすぎたか。中に吐き出したものを出すために風呂に連れて行こうとすると、生まれたての子鹿のようにガクガクでミツルはまともに立つことができなかった。
ミツル一人を運ぶくらい余裕だ。横抱きにして運び、風呂でドロドロになった体と中も洗った。
抱えたまま体を拭いてやると、とりあえずソファにミツルを寝かし、ベッドのシーツを引っ剥がして洗濯機にタオルとともに放り込んだ。
大人しいな。またSub spaceにでも入っているのか?
柔らかい髪をドライヤーで乾かしてやると、俺の服を着せてベッドに運び、ミツルを抱き枕のように抱きしめて眠りについた。
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