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4.デート
しおりを挟むふむ、平手は正解だったようだ。
痛みとしてはミツルは物足りないのかもしれないが、拳で殴るより音がでて叩かれている実感をするのだとか。
あとはダメージを受けにくい尻か。
なるべく音を出して衝撃は軽くする方向でいきたいな。力を逃せるように角度も考えなければならない。
首を絞めたりすることもあるらしいが、俺にはハードルが高い。力の入れ加減が分からないし、何よりそんなことをするということが怖い。
蹴るというのも怖いな。甘噛みや抓ることくらいならできそうだ。
今日は体力が続く限り激しめに攻め立てて様子を見よう。
手探りで何とかミツルが満足できる加減を知っていかなければ。
俺はミツルを連れて海の近くのショッピングモールに来ると色々な店を見て回った。食事をとると予習のためにトイレに向かった。
ピッタリとくっ付いているからトイレくらいしか離れる隙がなかったんだ。個室に入ってスマホを眺めて色々と検索していた。
おっと、ミツルを待たせすぎたか?
「可愛いじゃん。お前Subだろ? 俺らとも遊んでくんね? さっき隣にいた凶悪なDomよりは優しくしてやるよ~」
ミツルを1人にしておくべきではなかったか。
変な奴らに絡まれているミツルを見つけて思わずGlareが漏れ出ていた。
「タキさん。好き好き好き~」
俺のGlareに気付いたミツルが振り向いて全力で駆けてきた。
そして俺の腹に激突する勢いで抱きついた。
「大丈夫だったか? 何もされてないか?」
「大丈夫。タキさん好き。はぁ、タキさんのGlare震えるほど気持ちいい」
「おい、それ俺のGlareに当てられてSub dropに陥りかけてんじゃねぇか。お前は危なっかしいな」
「大丈夫。大好きなタキさんのGlareなら大丈夫だよ」
にこやかな表情ではあるが、血の気が引いた青白い顔で、小刻みに震えながらそんなことを言われても、全然説得力はない。
もしかして俺は自分のSubが傷つけられそうになった時にDomが攻撃的になって強いGlareが出てしまうというdefenseという状態になっていたのか?
実際に殴りかかったり攻撃的にならなかったのは元々の性格なのか、それともミツルが声をかけられただけで手を出されたりはしていないからか、どっちだろう?
とにかくミツルのCareが先だ。ミツルに絡んでいた奴らは倒れても知らんが、ミツルがこんなに震えているのを放っておくわけにはいかない。
「ちょっとこっち来い」
俺はミツルの手を取って建物の影まで連れていった。
「ミツル、いい子だGood boy、変な奴に絡まれてもよく一人で耐えたな。いい子だ」
「ん。あぁ……タキさん、好き」
抱きしめて背中を撫でていると、だんだんとミツルの震えがおさまってきた。
「歩けるか?」
「ん。大丈夫」
「しんどかったら俺の腕に掴まっていろ」
「ん。ありがと」
まだ昼を食べて少ししたところだが、体調が万全でないミツルを連れ歩くわけにはいかないと、ミツルを連れてホテルに入った。
「無理すんなよ。しんどい時はちゃんと言えよ」
「ん」
どうも様子がおかしい気がする。
とにかく今は休ませよう。
ミツルを抱き上げてベッドに寝かせ、靴を脱がせて襟元をくつろげると、俺も隣に横になった。
「タキさん、好き」
俺は擦り寄ってくるミツルを抱きしめてひたすら背中を撫でていた。
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