384 / 751
六章
6
しおりを挟む
「どこよりも、この大聖堂に来てみたかったんだ」
朝一番に訪れたドゥオーモ広場の中心に佇んで、そびえ立つ荘厳な大聖堂を見あげた吉野は、小さく吐息を漏らし嬉しそうに目を細める。
「ヨシノ、建築に興味あるの?」
アレンは意外そうに小首を傾げる。これまでいろんな所を訪れたが、彼がこんなに嬉しそうに声を弾ませているのは初めてだったのだ。
「建築も、美術も、キリスト教も面白いよ」
吉野は大聖堂に向かって歩きだしながら、肩越しに振り返って答えた。驚きすぎて、ぼんやりつっ立ったままだったアレンは、あっと慌ててそのあとを追う。
イタリアを代表するゴシック建築物であるミラノ大聖堂は、雲ひとつない青空の下、その白い壁面を輝かせている。
一つ一つを丁寧に見ていけば、それだけで一日が終わってしまいそうな壁を飾る彫刻や、青銅の大扉のレリーフの数々をアレンが惚れ惚れと眺めている間に、吉野は早々とチケットを買っている。
大聖堂の内部に足を踏み入れると、肌に感じる温度が急に下がって石造りの教会特有のひんやりとした空気に切り替わる。林立する柱、遥か高みを覆うアーチ型の天井、薄暗い視界の中で最奥から差す、縦に高く伸びるステンドクラスの自然光は、まるで迷いこんだ森の中で見つけた唯一の出口の様だ。
吉野はここでも、聖書の物語が綴られているステンドグラスや、キリスト教の歴史を描いた油絵の掲げられた広く高い壁をじっくりと見て廻っているアレンが満足するまで、祭壇まで続く会衆席のひとつに腰かけて待っている。
「来たかったっていうわりに、ヨシノ、見ていないんじゃないの?」
思う存分堪能してにんまりと頬を緩ませていたアレンは、大聖堂の扉をくぐりぬけて再び日の差す表に出てくると、少し納得のいかない視線を吉野に向けた。
「俺が見たかったの中じゃないもん」
吉野はさらりと答え、ホテルのあるアーケードへ戻ろうとするアレンを呼び止める。
「そっちじゃない」
そして側面へ廻り、「屋上へ上がれるんだ」と大聖堂の尖塔を指さした。
階段とエレベーターと選べるけれど、どっちがいい? と訊かれ、アレンは階段、と答えた。
最後の方は息を弾ませながら登りきる。
現れた蒼穹の中で、天に向かって伸びる尖塔に立つ聖人たちの彫像は、まるで空宙に浮かんでいるかのようだ。そして、そんな彼らの視線の先には、ミラノの街が広がっているのだ。この高みから見守っているかのように――。
地上から見上げた時とはまた違う壮麗さに息を呑むアレンに、吉野は、こっち、と顎で示して歩き続ける。
まるで魚の背骨のように置かれた左右に傾斜する屋根の中心にある積石のひとつに、吉野はすとんと腰をおろした。
「ここ、ここに来たかったんだ」
嬉しそうに、片方の唇をくいっと上げる。
「ああ、きみ、高いところが好きだものね」
にっこりと笑ったアレンへの吉野の反応は渋面だ。
「なんだよ、それじゃあ俺、馬鹿みたいじゃん」
拗ねたように言い、「ここな、ガキのころに見た古いモノクロ映画のシーンに出てくるんだよ。最近やたらとそれを思いだしてさ、それで来たかったんだ」と眉をあげる。
「なんて映画?」
「知らない。祖父ちゃんの見ていた映画を、チラチラ見ていただけだから」
アレンは納得できずに首を傾げた。
「兄弟でな、一人の女を取りあうんだ。兄貴の方はろくでなしでさ、その女は弟の恋人なのに、弟はさ、兄貴のために兄貴のところへ行けって、ここで別れ話をするんだよ。それでさ、この屋根を女がだーと泣きながら走るんだ」
「うん――」
「それでな、最近、ドストエフスキーを読んだときにな、あの映画の弟のキャラとか兄弟の関係性ってさ、『白痴』と『カラマーゾフの兄弟』をごちゃまぜにしてベースにしているんだな、って判ってさ」
「ヨシノ、小説なんか読むんだ――」
「お前、俺のこと馬鹿にしてる?」
冷たい瞳で一瞥され、アレンは慌ててぶんぶんと首を振る。
「だってきみ、いつも忙しくしているから」
「本くらい読むよ。だいたいお前、古典的名作ぐらい読んでおかないと、エリオットじゃ恥かくだろ?」
「うん」
どちらかというとロシア文学よりも、ギリシャ古典の話題を吹っかけられることの方がずっと多い気がするけれど……。アレンはつい真剣に身の回りの文学談義を回顧する。
「ヨシノは、ロシア文学が好きなの?」
「ていうより、この二作品が。主人公がな、飛鳥に似ているんだ。映画の方もな」
吉野は目を細めて言った。ふわっとかもす空気が軽くなる。
「僕も読んでみるよ」
アレンは首を傾けたまま、じっと吉野を見つめて言った。
「ろくでなしの兄貴が、俺みたいだって言うなよ」
吉野の瞳が悪戯っぽく光っていた。
映画の題名くらい、きっと吉野は知っている。これだけ内容が解れば、ネットで検索すればヒットする。アレンに教えないのは、吉野がこの映画を見たくないからだ。少なくともアレンと一緒には。きっと、もとになった二冊の本以上に、その映画には意味がある。この場所に来たいと、彼を動かすほどの――。
アレンは、口を閉じ組んだ膝に頬杖をついて視線を漂わせている、静かな吉野を見つめた。
こんな時は話しかけてはいけない――。
涼やかな風に吹かれながら、アレンもまた、大聖堂を包んで広がる静寂な空を眺めた。
やはりここは天に近い。ゴシック建築は、高く、高く、天に向かって背伸びする。
天を見上げる人を、神は見下ろして下さっているのだろうか? 互いの顔は向き合っているのだろうか?
ふと胸に沸いたあまりにも不遜な問いを恥じて、アレンは瞼を伏せてしまった。
「ちょっと、ひどくない、二人とも? 僕を置いていくなんてさ!」
その声に、ぼんやりとしていた二人の意識が急に現実に引き戻される。振り返ると、膨れっ面のデヴィッドが仁王立ちで睨んでいる。
「おはよう、やっと起きたのか?」
吉野の揶揄うような声に、デヴィッドは思いっきりしかめっ面を返してきた。
朝一番に訪れたドゥオーモ広場の中心に佇んで、そびえ立つ荘厳な大聖堂を見あげた吉野は、小さく吐息を漏らし嬉しそうに目を細める。
「ヨシノ、建築に興味あるの?」
アレンは意外そうに小首を傾げる。これまでいろんな所を訪れたが、彼がこんなに嬉しそうに声を弾ませているのは初めてだったのだ。
「建築も、美術も、キリスト教も面白いよ」
吉野は大聖堂に向かって歩きだしながら、肩越しに振り返って答えた。驚きすぎて、ぼんやりつっ立ったままだったアレンは、あっと慌ててそのあとを追う。
イタリアを代表するゴシック建築物であるミラノ大聖堂は、雲ひとつない青空の下、その白い壁面を輝かせている。
一つ一つを丁寧に見ていけば、それだけで一日が終わってしまいそうな壁を飾る彫刻や、青銅の大扉のレリーフの数々をアレンが惚れ惚れと眺めている間に、吉野は早々とチケットを買っている。
大聖堂の内部に足を踏み入れると、肌に感じる温度が急に下がって石造りの教会特有のひんやりとした空気に切り替わる。林立する柱、遥か高みを覆うアーチ型の天井、薄暗い視界の中で最奥から差す、縦に高く伸びるステンドクラスの自然光は、まるで迷いこんだ森の中で見つけた唯一の出口の様だ。
吉野はここでも、聖書の物語が綴られているステンドグラスや、キリスト教の歴史を描いた油絵の掲げられた広く高い壁をじっくりと見て廻っているアレンが満足するまで、祭壇まで続く会衆席のひとつに腰かけて待っている。
「来たかったっていうわりに、ヨシノ、見ていないんじゃないの?」
思う存分堪能してにんまりと頬を緩ませていたアレンは、大聖堂の扉をくぐりぬけて再び日の差す表に出てくると、少し納得のいかない視線を吉野に向けた。
「俺が見たかったの中じゃないもん」
吉野はさらりと答え、ホテルのあるアーケードへ戻ろうとするアレンを呼び止める。
「そっちじゃない」
そして側面へ廻り、「屋上へ上がれるんだ」と大聖堂の尖塔を指さした。
階段とエレベーターと選べるけれど、どっちがいい? と訊かれ、アレンは階段、と答えた。
最後の方は息を弾ませながら登りきる。
現れた蒼穹の中で、天に向かって伸びる尖塔に立つ聖人たちの彫像は、まるで空宙に浮かんでいるかのようだ。そして、そんな彼らの視線の先には、ミラノの街が広がっているのだ。この高みから見守っているかのように――。
地上から見上げた時とはまた違う壮麗さに息を呑むアレンに、吉野は、こっち、と顎で示して歩き続ける。
まるで魚の背骨のように置かれた左右に傾斜する屋根の中心にある積石のひとつに、吉野はすとんと腰をおろした。
「ここ、ここに来たかったんだ」
嬉しそうに、片方の唇をくいっと上げる。
「ああ、きみ、高いところが好きだものね」
にっこりと笑ったアレンへの吉野の反応は渋面だ。
「なんだよ、それじゃあ俺、馬鹿みたいじゃん」
拗ねたように言い、「ここな、ガキのころに見た古いモノクロ映画のシーンに出てくるんだよ。最近やたらとそれを思いだしてさ、それで来たかったんだ」と眉をあげる。
「なんて映画?」
「知らない。祖父ちゃんの見ていた映画を、チラチラ見ていただけだから」
アレンは納得できずに首を傾げた。
「兄弟でな、一人の女を取りあうんだ。兄貴の方はろくでなしでさ、その女は弟の恋人なのに、弟はさ、兄貴のために兄貴のところへ行けって、ここで別れ話をするんだよ。それでさ、この屋根を女がだーと泣きながら走るんだ」
「うん――」
「それでな、最近、ドストエフスキーを読んだときにな、あの映画の弟のキャラとか兄弟の関係性ってさ、『白痴』と『カラマーゾフの兄弟』をごちゃまぜにしてベースにしているんだな、って判ってさ」
「ヨシノ、小説なんか読むんだ――」
「お前、俺のこと馬鹿にしてる?」
冷たい瞳で一瞥され、アレンは慌ててぶんぶんと首を振る。
「だってきみ、いつも忙しくしているから」
「本くらい読むよ。だいたいお前、古典的名作ぐらい読んでおかないと、エリオットじゃ恥かくだろ?」
「うん」
どちらかというとロシア文学よりも、ギリシャ古典の話題を吹っかけられることの方がずっと多い気がするけれど……。アレンはつい真剣に身の回りの文学談義を回顧する。
「ヨシノは、ロシア文学が好きなの?」
「ていうより、この二作品が。主人公がな、飛鳥に似ているんだ。映画の方もな」
吉野は目を細めて言った。ふわっとかもす空気が軽くなる。
「僕も読んでみるよ」
アレンは首を傾けたまま、じっと吉野を見つめて言った。
「ろくでなしの兄貴が、俺みたいだって言うなよ」
吉野の瞳が悪戯っぽく光っていた。
映画の題名くらい、きっと吉野は知っている。これだけ内容が解れば、ネットで検索すればヒットする。アレンに教えないのは、吉野がこの映画を見たくないからだ。少なくともアレンと一緒には。きっと、もとになった二冊の本以上に、その映画には意味がある。この場所に来たいと、彼を動かすほどの――。
アレンは、口を閉じ組んだ膝に頬杖をついて視線を漂わせている、静かな吉野を見つめた。
こんな時は話しかけてはいけない――。
涼やかな風に吹かれながら、アレンもまた、大聖堂を包んで広がる静寂な空を眺めた。
やはりここは天に近い。ゴシック建築は、高く、高く、天に向かって背伸びする。
天を見上げる人を、神は見下ろして下さっているのだろうか? 互いの顔は向き合っているのだろうか?
ふと胸に沸いたあまりにも不遜な問いを恥じて、アレンは瞼を伏せてしまった。
「ちょっと、ひどくない、二人とも? 僕を置いていくなんてさ!」
その声に、ぼんやりとしていた二人の意識が急に現実に引き戻される。振り返ると、膨れっ面のデヴィッドが仁王立ちで睨んでいる。
「おはよう、やっと起きたのか?」
吉野の揶揄うような声に、デヴィッドは思いっきりしかめっ面を返してきた。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
霧のはし 虹のたもとで
萩尾雅縁
BL
大学受験に失敗した比良坂晃(ひらさかあきら)は、心機一転イギリスの大学へと留学する。
古ぼけた学生寮に嫌気のさした晃は、掲示板のメモからシェアハウスのルームメイトに応募するが……。
ひょんなことから始まった、晃・アルビー・マリーの共同生活。
美貌のアルビーに憧れる晃は、生活に無頓着な彼らに振り回されながらも奮闘する。
一つ屋根の下、徐々に明らかになる彼らの事情。
そして晃の真の目的は?
英国の四季を通じて織り成される、日常系心の旅路。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
夏の嵐
萩尾雅縁
キャラ文芸
垣間見た大人の世界は、かくも美しく、残酷だった。
全寮制寄宿学校から夏季休暇でマナーハウスに戻った「僕」は、祖母の開いた夜会で美しい年上の女性に出会う。英国の美しい田園風景の中、「僕」とその兄、異国の彼女との間に繰り広げられる少年のひと夏の恋の物話。 「胡桃の中の蜃気楼」番外編。
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる