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五章
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オープニング・セレモニーまで、もう一時間を切っている。
ニューヨーク五番街を見下ろすホテルの一室で、アレンは、昏々と眠る吉野をどうやって起こしたらいいものか、と思案にくれていた。さっきから何度も呼んでいるのに、微動だにしないのだ。これはもう最後の手段で水でも浴びせかけるか、と決めかねているところだ。だが取りあえず、寝返りを打ってこちらを向いた吉野の頬を思いっきり抓ってみた。
「やめろよ、飛鳥」
目を瞑ったまま、吉野は眉をしかめて呟いた。無性に腹が立って、アレンはぺシペシとその頬を叩いてやった。
「ヨシノ、遅刻するよ! 一限目、ラテン語のアントニオーニ先生!」
まったく、ここまで寝起きが悪いなんて!
ガバっと半身を起こした吉野は、ぼーとした顔で辺りを見廻している。ベッドの脇に腰かける制服姿のアレンを眺め、目を眇める。
「学校……?」
「何言っているの! セレモニー始まっちゃうよ。早くシャワー浴びて、着替えて!」
「制服で行くんだっけ?」
「ドレスコード有りだよ」
「ちょっと、手ぇ、貸して」
いきなり吉野はアレンの手首を掴んで、自分の瞼の上に当てた。
「お前も体温低いのな。糖分、摂りすぎだよ。――ありがとう、目が覚めた」
掌を外すと、もういつもの吉野だ。にっと笑って大きく伸びをしている。チェストに置かれた時計にちらと目をやり、「お前の兄貴、人使い荒すぎ! 俺、二時間も寝られてないじゃん」と、ブツブツ悪態をつきながら浴室に向かう。
「腹減った」、とすこぶる機嫌の悪い吉野を宥めすかしながら、二人はヘンリーに遅れてアーカシャ―HD、ニューヨーク一号店の裏口にタクシーで乗りつけた。裏口といってもあの鳥籠のような建物からは離れている。店舗のある広場の隅に、地階に直接出入りできる社員用エレベーターが設置されてあるのだ。すでに多くの見物人に囲まれている一号店を尻目に、隠れるように地階に降りる。
「ギリギリだね」
「ちゃんと間に合っただろ」
「はい、食べていいよ」
まるでお預けを食っていた犬みたいじゃないか、と吉野はイラっとしながらも、ヘンリーから皿にのせられたクラブハウスサンドを受け取りかぶりつく。
「俺の睡眠時間は?」
しかめっ面のまま食べながら、もごもごと訊ねた。
「セレモニーが終わったら、日没まで休んでいいよ。バグが出なければね」
「あー、どうかな? 保証はできないな」
吉野はすっと探るような目つきで虚空を見つめる。だが、すぐにあっけらかんとした表情に戻って、残りのサンドイッチを口に押しこみ、掌を上に向けてひらひらとさせた。
「ま、念のために下で寝とくな」
「それはどうも」
ヘンリーは苦笑しながら吉野の手に、大手チェーンのロゴ入り紙コップのコーヒーを渡す。
「ここのコーヒー、不味いよ」
不満顔でコーヒーを飲み干すその様子に、ヘンリーは笑いを堪え切れない。
「きみのために、すぐに豆から一式揃えておくよ」
「時間です。スタンバイお願いします!」
怒涛の一日が始まった。
「あの子、制服を着ると雰囲気が変わるのね」
米国支部店長サリー・フィールドは、意外そうに隣に立つ副店長に声をかけた。
「CEOの弟さんと並んでも、全然見劣りしていませんね。まぁ、あの制服じたいがインパクトありますもんねぇ」
副店長も声を潜め、感嘆しながら同意を示す。
セレモニーの間一貫して、役員席に座る二人の少年は、正面で挨拶するアーカシャーHD、CEOのヘンリー・ソールスベリーと変わらない注目を集めていた。天使の美貌といわれ、もうすでに圧倒的な人気を確立しているアレン・フェイラーはともかく、『杜月』の子息、ということくらいしか知られていない杜月吉野は、サリーには、身内のコネでごり押しに割りんできた異分子にすぎないのだが――。
昨日は犬っころみたいだったのに……。
ホワイト・タイの燕尾服なんて、大人でもなかなか着こなせるものではない。おまけに卒業式で着るようなアカデミック・ローブつき。あんな年齢の子どもが着ていたら、仮装かなにかかと思うところだ。
あとは、シルクハットとステッキを持たせたら、英国紳士の出来上がりね。
CEOの熱の籠ったスピーチも上の空で、サリーはぼんやりと夢想に耽っていた。彼女はああいう雰囲気に弱いのだ。伝統と格式、歴史を感じさせる重厚な空気。そして、宗教画のようなストイックさを感じさせる美少年――。英国への憧れが高じてこの会社の採用面接を受けたほどだ。もっといえば、一枚目のTSのポスターの少年に会いたくて――。だからよけいに、杜月吉野のいるポスターは好きではなかった。吉野は、サリーの愛しの天使を地上に引きずり降ろした諸悪の根源なのだ。
割れんばかりの拍手の音に我に返り、慌ててサリーは手を打ち鳴らす。自分の番はもうじきだ。気をひき締め直し、睨みつけるように檀上を見あげる。
「ヨシノはどこですか?」
セレモニーが終わり、ちょっと目を離した隙にいなくなった吉野を探して、アレンは先ほどからキョロキョロと辺りを見廻している。やっとのことで人垣をぬい、大勢に囲まれている兄の元にたどりついたようだ。
「彼はコントロール・ルームにいる。でも、お前は入れないよ」
失望と不安とでしゅんと笑みを消したアレンに、ヘンリーは同情的な視線を向けた。
「あそこは機密保持のために技術者しか入れないんだ」
「ヨシノもその技術者なのですか?」
「もちろん」
今度は心配そうに瞳を曇らせている。そんな心もとなげな弟に、ヘンリーは、ふっ、と仕方がなさそうな笑顔を見せ、優しく言い添えた。
「お前の友達がいらしている。案内してあげるといい。本当は、今の時間は業界関係者とプレスだけなんだけどね。ヨシノがいないんじゃ退屈だろ? 地下一階の応接室に行きなさい」
誰だろう――、と訝し気に首を傾げ、だがすぐに頷いてお礼を告げたアレンを、社員のひとりがにこやかに「こちらです」と地階へと案内してくれた。
「サウード!」
応接室の革張りのソファーの真ん中で悠然と微笑んでいるサウードと、その背後に立つイスハ―クを見つけ、アレンは思わず歓声を上げた。
「ありがとう、来てくれて!」
「こちらこそ。きみのお兄さんが招待して下さったんだよ」
だが、ゆるり視線を漂わせると、サウードは「ひとり?」と不思議そうに訊ねる。
「ヨシノは、たぶん寝ているよ。昨日、一晩中TSのプログラムをいじっていたらしいから」
アレンは、憮然とした様子で頬を膨らませている。
「サウード、店舗を見にいく? 本当はまだ行っちゃ駄目なんだけど、兄が特別にいいよ、って許可を下さったんだ」
差しだされたすらりとした白い手を握りしめ、サウードは勢いつけて立ちあがる。
「嬉しいなぁ。すごく楽しみにしていたんだよ」
「空調! 一階、室温が上がりすぎだ! 設定温度をもっと下げろ!」
コントロール・ルームにいる吉野に、寝ている暇なぞなかった。大がかりな空中映像は、やはり一筋縄ではいかなかったのだ。大量の人の出入りによる急激な温度変化や、人の起こす気流の変化でできる歪み、ブレ、恐らく起こるであろうと予測できたすべてが、一気に噴きだしていた。
吉野は傍らのバドリに大声で指示を出しながら、必死でそれらの歪みを直し、バグをカバーし、その他諸々の条件を考慮して、プログラムを最適化しながら、その先を絶え間なく計算していた。
「どうしてそんな事が可能なんですか?」
「腹減った! 何か買ってきて! マディソンスクエアのダブルチーズバーガーがいい! ポテトもな!」
バドリの呟きをかき消すように、吉野は大声で叫んでいる。
「コーヒーは、マッドで!」
成すすべもなく立ち尽くしていたエンジニアが二人、揃って駆け出していく。
「暑い、悪いけれど、このタイ外して」
吉野はキーボードを叩き続け、目を画面に据えたまま顎を上げる。傍らのひとりが急いで手を伸ばしタイを外しにかかる。ローブも、テールコートも、すでに脱ぎ捨てられて床の上にくしゃくしゃのまま忘れ去られている。
「今、何時だ?」
「三時十三分です」
「日没は四時四十八分、五時十二分には完全に闇に包まれる。それまでに、フロアの修正を終わらせるぞ!」
吉野の言葉に、傍らのバドリも、二人の後ろでただ見守るしかないコズモス社員たちも、緊張した面持ちで機材に表示されているデジタル時計を一斉に見つめた。
ニューヨーク五番街を見下ろすホテルの一室で、アレンは、昏々と眠る吉野をどうやって起こしたらいいものか、と思案にくれていた。さっきから何度も呼んでいるのに、微動だにしないのだ。これはもう最後の手段で水でも浴びせかけるか、と決めかねているところだ。だが取りあえず、寝返りを打ってこちらを向いた吉野の頬を思いっきり抓ってみた。
「やめろよ、飛鳥」
目を瞑ったまま、吉野は眉をしかめて呟いた。無性に腹が立って、アレンはぺシペシとその頬を叩いてやった。
「ヨシノ、遅刻するよ! 一限目、ラテン語のアントニオーニ先生!」
まったく、ここまで寝起きが悪いなんて!
ガバっと半身を起こした吉野は、ぼーとした顔で辺りを見廻している。ベッドの脇に腰かける制服姿のアレンを眺め、目を眇める。
「学校……?」
「何言っているの! セレモニー始まっちゃうよ。早くシャワー浴びて、着替えて!」
「制服で行くんだっけ?」
「ドレスコード有りだよ」
「ちょっと、手ぇ、貸して」
いきなり吉野はアレンの手首を掴んで、自分の瞼の上に当てた。
「お前も体温低いのな。糖分、摂りすぎだよ。――ありがとう、目が覚めた」
掌を外すと、もういつもの吉野だ。にっと笑って大きく伸びをしている。チェストに置かれた時計にちらと目をやり、「お前の兄貴、人使い荒すぎ! 俺、二時間も寝られてないじゃん」と、ブツブツ悪態をつきながら浴室に向かう。
「腹減った」、とすこぶる機嫌の悪い吉野を宥めすかしながら、二人はヘンリーに遅れてアーカシャ―HD、ニューヨーク一号店の裏口にタクシーで乗りつけた。裏口といってもあの鳥籠のような建物からは離れている。店舗のある広場の隅に、地階に直接出入りできる社員用エレベーターが設置されてあるのだ。すでに多くの見物人に囲まれている一号店を尻目に、隠れるように地階に降りる。
「ギリギリだね」
「ちゃんと間に合っただろ」
「はい、食べていいよ」
まるでお預けを食っていた犬みたいじゃないか、と吉野はイラっとしながらも、ヘンリーから皿にのせられたクラブハウスサンドを受け取りかぶりつく。
「俺の睡眠時間は?」
しかめっ面のまま食べながら、もごもごと訊ねた。
「セレモニーが終わったら、日没まで休んでいいよ。バグが出なければね」
「あー、どうかな? 保証はできないな」
吉野はすっと探るような目つきで虚空を見つめる。だが、すぐにあっけらかんとした表情に戻って、残りのサンドイッチを口に押しこみ、掌を上に向けてひらひらとさせた。
「ま、念のために下で寝とくな」
「それはどうも」
ヘンリーは苦笑しながら吉野の手に、大手チェーンのロゴ入り紙コップのコーヒーを渡す。
「ここのコーヒー、不味いよ」
不満顔でコーヒーを飲み干すその様子に、ヘンリーは笑いを堪え切れない。
「きみのために、すぐに豆から一式揃えておくよ」
「時間です。スタンバイお願いします!」
怒涛の一日が始まった。
「あの子、制服を着ると雰囲気が変わるのね」
米国支部店長サリー・フィールドは、意外そうに隣に立つ副店長に声をかけた。
「CEOの弟さんと並んでも、全然見劣りしていませんね。まぁ、あの制服じたいがインパクトありますもんねぇ」
副店長も声を潜め、感嘆しながら同意を示す。
セレモニーの間一貫して、役員席に座る二人の少年は、正面で挨拶するアーカシャーHD、CEOのヘンリー・ソールスベリーと変わらない注目を集めていた。天使の美貌といわれ、もうすでに圧倒的な人気を確立しているアレン・フェイラーはともかく、『杜月』の子息、ということくらいしか知られていない杜月吉野は、サリーには、身内のコネでごり押しに割りんできた異分子にすぎないのだが――。
昨日は犬っころみたいだったのに……。
ホワイト・タイの燕尾服なんて、大人でもなかなか着こなせるものではない。おまけに卒業式で着るようなアカデミック・ローブつき。あんな年齢の子どもが着ていたら、仮装かなにかかと思うところだ。
あとは、シルクハットとステッキを持たせたら、英国紳士の出来上がりね。
CEOの熱の籠ったスピーチも上の空で、サリーはぼんやりと夢想に耽っていた。彼女はああいう雰囲気に弱いのだ。伝統と格式、歴史を感じさせる重厚な空気。そして、宗教画のようなストイックさを感じさせる美少年――。英国への憧れが高じてこの会社の採用面接を受けたほどだ。もっといえば、一枚目のTSのポスターの少年に会いたくて――。だからよけいに、杜月吉野のいるポスターは好きではなかった。吉野は、サリーの愛しの天使を地上に引きずり降ろした諸悪の根源なのだ。
割れんばかりの拍手の音に我に返り、慌ててサリーは手を打ち鳴らす。自分の番はもうじきだ。気をひき締め直し、睨みつけるように檀上を見あげる。
「ヨシノはどこですか?」
セレモニーが終わり、ちょっと目を離した隙にいなくなった吉野を探して、アレンは先ほどからキョロキョロと辺りを見廻している。やっとのことで人垣をぬい、大勢に囲まれている兄の元にたどりついたようだ。
「彼はコントロール・ルームにいる。でも、お前は入れないよ」
失望と不安とでしゅんと笑みを消したアレンに、ヘンリーは同情的な視線を向けた。
「あそこは機密保持のために技術者しか入れないんだ」
「ヨシノもその技術者なのですか?」
「もちろん」
今度は心配そうに瞳を曇らせている。そんな心もとなげな弟に、ヘンリーは、ふっ、と仕方がなさそうな笑顔を見せ、優しく言い添えた。
「お前の友達がいらしている。案内してあげるといい。本当は、今の時間は業界関係者とプレスだけなんだけどね。ヨシノがいないんじゃ退屈だろ? 地下一階の応接室に行きなさい」
誰だろう――、と訝し気に首を傾げ、だがすぐに頷いてお礼を告げたアレンを、社員のひとりがにこやかに「こちらです」と地階へと案内してくれた。
「サウード!」
応接室の革張りのソファーの真ん中で悠然と微笑んでいるサウードと、その背後に立つイスハ―クを見つけ、アレンは思わず歓声を上げた。
「ありがとう、来てくれて!」
「こちらこそ。きみのお兄さんが招待して下さったんだよ」
だが、ゆるり視線を漂わせると、サウードは「ひとり?」と不思議そうに訊ねる。
「ヨシノは、たぶん寝ているよ。昨日、一晩中TSのプログラムをいじっていたらしいから」
アレンは、憮然とした様子で頬を膨らませている。
「サウード、店舗を見にいく? 本当はまだ行っちゃ駄目なんだけど、兄が特別にいいよ、って許可を下さったんだ」
差しだされたすらりとした白い手を握りしめ、サウードは勢いつけて立ちあがる。
「嬉しいなぁ。すごく楽しみにしていたんだよ」
「空調! 一階、室温が上がりすぎだ! 設定温度をもっと下げろ!」
コントロール・ルームにいる吉野に、寝ている暇なぞなかった。大がかりな空中映像は、やはり一筋縄ではいかなかったのだ。大量の人の出入りによる急激な温度変化や、人の起こす気流の変化でできる歪み、ブレ、恐らく起こるであろうと予測できたすべてが、一気に噴きだしていた。
吉野は傍らのバドリに大声で指示を出しながら、必死でそれらの歪みを直し、バグをカバーし、その他諸々の条件を考慮して、プログラムを最適化しながら、その先を絶え間なく計算していた。
「どうしてそんな事が可能なんですか?」
「腹減った! 何か買ってきて! マディソンスクエアのダブルチーズバーガーがいい! ポテトもな!」
バドリの呟きをかき消すように、吉野は大声で叫んでいる。
「コーヒーは、マッドで!」
成すすべもなく立ち尽くしていたエンジニアが二人、揃って駆け出していく。
「暑い、悪いけれど、このタイ外して」
吉野はキーボードを叩き続け、目を画面に据えたまま顎を上げる。傍らのひとりが急いで手を伸ばしタイを外しにかかる。ローブも、テールコートも、すでに脱ぎ捨てられて床の上にくしゃくしゃのまま忘れ去られている。
「今、何時だ?」
「三時十三分です」
「日没は四時四十八分、五時十二分には完全に闇に包まれる。それまでに、フロアの修正を終わらせるぞ!」
吉野の言葉に、傍らのバドリも、二人の後ろでただ見守るしかないコズモス社員たちも、緊張した面持ちで機材に表示されているデジタル時計を一斉に見つめた。
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