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三章
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本年度のクリスマス・コンサート選抜試験は、荒れに荒れた。大方の予想と期待を裏切り、音楽スカラーが独演を取れなかった。その上、新入生が二人も選ばれた。新入生の独演は、エドガー・ウイズリー以来、三年ぶりだ。
もともと、高得点でキングズスカラーに選ばれたアレン・フェイラーはともかくとして、大番狂わせは、音楽の授業ではやる気のなさ丸出しで、楽譜が読めないことで有名な杜月吉野だった。教師陣の満場一致、さらには主任教師のキャンベル先生の、『きみに手ほどきしたのは、ソールスベリーか?』の一言で、吉野は一躍時の人となった。これまででも十分、彼の名は校内で知れ渡っていたのではあるが、そこにまた別の要素が加わった、ともいえる。
「違う、って答えたんだけどな。俺の師事しているのは、クレイマー先生だけだって」
吉野は苦笑いして首を傾げている。
「あいつには、『キャンベル先生は、技巧的で力尽くで押し通すような速弾きの演奏を好む』って教えて貰っただけだよ」
「ソールスベリー先輩に?」
羨ましそうに訊ねるクリスに、「ごめんな」と吉野は、すまなそうに謝った。
「どうして謝るの? 僕は精一杯やって駄目だったんだからいいんだよ。そりゃ、少しは……、本当は、少しじゃなくて、かなり、悔しいけどね」
言葉とは裏腹に、クリスはすっきりした顔で笑っている。
「でも、俺だけアドバイス貰って、お前に教えてやらなかった」
「教えてもらったからって、言われたようにできるものじゃないよ。それよりも――」
僕が知りたいのは、どうしてきみが、アレン・フェイラーのためにここまでするかってことだよ……。
はっきりと口にだして尋ねるのは、なんとなく躊躇われた。それは、アレンの問題に触れずにはいられなくなることで、吉野の機嫌を損ねるのでは、と危惧したからだ。
共に過ごす時間が増えるにつれて、アレンの異常なほどの兄への執着と、彼への嫌がらせの原因が、ただ単に彼自身の差別的な言動のせいだけではないことが、クリスにも判ってきたのだ。常に兄と比べられ、失望され、勝手に憎まれるほどになる……。傍からみていると、ずいぶんと理不尽だ。だから、吉野が彼の現状に憤慨するのももっともだと思う。クリス自身がそうなのだから。けれど、アレンは吉野をはっきりと嫌っているのだ。吉野が彼のことを案じていることを、アレンはまるで知らない――。吉野自身から口止めされているにしろ、クリスには、それがどうにも、もどかしくてならなかった。
――寮長に勧められて、選抜を受けることにしたんだ。兄に劣らない演奏をすれば、みんな、僕は確かに兄の弟だ、って認めてくれるようになる、って、そうおっしゃって下さったから。
はにかんだように教えてくれたアレンの話を吉野にすると、
――そうか、じゃ、ヘンリーがあいつの演奏を聴いてやれば、今みたいな嫌がらせも、もっとマシになるかな。
と、彼はしばらくの間考え込み、
――だったら俺も選抜を受けるよ。残れたら飛鳥が来てくれる。飛鳥が頼めば、きっとヘンリーもコンサートに来てくれるよ。それに、ヘンリーが来るってなったら、あいつも喜ぶだろ?
と、まるで悪戯でも思いついたように笑って言ったのだ。
その時は冗談だと思ったのに、吉野は自分の言葉をそのまま現実にして選抜に残った。
きっと、いや、必ず、彼もコンサートに来てくれるに違いない。吉野の言葉通りに……。
ぼんやりとクリスはそんな記憶を思い出しながら、軽く頭を振る。
「――それよりも、キャンベル先生に先輩の名前を出されたとなると、先輩が来てくれても、みんな、アレンじゃなくて、きみを見に来たんだって思うのじゃないかな?」
「それは心配ない。フェイラーの演奏を聴いたら、みんな俺のことなんか忘れるよ。俺、本番は試験の時みたいに吹かないからな。俺よりもフェイラーの方が、ずっとあいつに近い演奏をする。判る奴には判るからさ」
「どういうこと?」
「あいつが教えてくれたのは、ただの試験対策だよ。本番は好きにしろって言われた。俺だって楽しめばいいんだ、って」
クリスは意味が判らず首を傾げている。けれど吉野はそれ以上の説明をするでもなく、呑気に笑っていた。
その時の言葉通りに、当日のアレンのピアノ演奏は大喝采で終えた。
それに続く、吉野の演奏に、会場は出だしのいち音から静まりかえり、演奏を終え吉野が退場してからも、水を打ったように張りつめていた。
やっと最後部の入り口付近から、パン、パン、パンッと拍手が起こり、会場全体に伝播していくように大きく広がっていった。大歓声がそれに加わり、吉野の名を呼ぶ。
その手に黒く光るグラナディラを握りしめたまま、舞台に吉野が現れ、もう一度深く礼をした。
「駄目だよ!」
花束を渡そうと、舞台に続く通路を進もうとするヘンリーを、飛鳥は押し殺した、だが鋭い声で押し止める。
「きみの思惑で吉野を利用しないで」
飛鳥の厳しい表情に、ヘンリーは戸惑い、困ったように笑いかけて応じた。
「それなら、控え室に行こうか。僕はただ、彼の素晴らしい演奏を称えたいだけだ。他意はないよ」
「泥棒!」
壁越しに響いてきた悲鳴のような叫び声に、飛鳥はノックするのも忘れて、慌ててドアを開ける。
眼前で真っ赤になって怒っているアレンが、自分よりもずっと背の高い吉野の燕尾服の胸倉を掴んでいた。
「アレン・フェイラー!」
ヘンリーの良く通る低い声に、アレンはビクリと身を震わせて、静止する。自分を睨みつける冷たいセレストブルーの瞳と同じ色の瞳を見開いて、声の主を凝視する。その面は一気に血の気が引いて蒼褪めている。
「こいつが父さんのフルートを盗んだんだ」
「盗む?」
間をおいて、震える声音で応えたアレンに、ヘンリーは、唇の端を皮肉気に歪めて、その語句を繰り返す。
「高価なものだもの、ハンドメイド18Kゴールドモデル、ソールスベリー家の紋章入り。父さんが一番大切にしていたやつだ」
「へぇ、よく知っているね、僕の父に会ったこともないくせに」
ヘンリーは薄く笑いながら、テーブルの上に置かれたフルートを取り上げる。
「よく聞こえなかったな――。誰が、泥棒だって? 僕の父はね、もう、これを奏でることはできないんだ。だから、眼鏡にかなう相手がいるなら、僕の好きにしていいとおっしゃってくださった。そういう経緯でね、このフルートは、僕が、彼に、贈ったんだよ。それを、僕が、父から、盗んだ、って言いたいのかい? それとも、僕の、大切な、友人が、盗んだとでも?」
色をなくし、ガタガタと震えるアレンにヘンリーはゆっくりと歩み寄ると、手に持ったフルートを振り上げた。その手を、驚愕のまま固まった弟の顔めがけて、力一杯振り下ろす。
バシッ!
「楽器を粗末に扱うなよ。狂暴なやつだな」
皮膚を打つ音とともに、身体を縮こまらせているアレンのわずか手前で、平手にフルートを受け止めた吉野が、痛そうに顔を歪めている。
「きみはこのフルートはいらないのだろう? なら、構わないじゃないか。この礼儀知らずの小憎たらしい顔を、ぐちゃぐちゃにしてやりたかったのに」
ヘンリーは見下ろすような、冷えた視線を吉野に向け、「どけよ」と顎をしゃくる。
「ヘンリー!」
睨み合う二人の間に飛鳥が割って入った。
「ヘンリー、どうして判らないの? きみはこの子に対して怒っているんじゃない。きみが怒っている相手は、子どもの頃の自分だろ? この子の容貌が昔のきみを思い起こさせるからって、それはこの子のせいじゃないよ!」
「意味が判らない――」
きつい視線をそのまま飛鳥に向け、ヘンリーは小さく呟いた。
「これ以上この子を傷つけないで。それはきみ自身を傷つけているのと同じだよ。……幼かったきみを誰も守ってくれなかったのなら、僕が守るよ。きみがこれ以上幼いきみを傷つけないように、僕が守るから――」
飛鳥は、アレンの前に両手を広げて立ちはだかり、血が滲むほど唇を噛み締めている。
「どうして、きみが泣くんだ?」
「きみが、ひどく、傷ついているからだよ」
ヘンリーは飛鳥から顔を背け、踵を返した。
飛鳥はその背にそっと手を添え、ちらりと肩越しに振り返り、「吉野、ごめん。帰るね」そう一言告げ、部屋を後にした。
もともと、高得点でキングズスカラーに選ばれたアレン・フェイラーはともかくとして、大番狂わせは、音楽の授業ではやる気のなさ丸出しで、楽譜が読めないことで有名な杜月吉野だった。教師陣の満場一致、さらには主任教師のキャンベル先生の、『きみに手ほどきしたのは、ソールスベリーか?』の一言で、吉野は一躍時の人となった。これまででも十分、彼の名は校内で知れ渡っていたのではあるが、そこにまた別の要素が加わった、ともいえる。
「違う、って答えたんだけどな。俺の師事しているのは、クレイマー先生だけだって」
吉野は苦笑いして首を傾げている。
「あいつには、『キャンベル先生は、技巧的で力尽くで押し通すような速弾きの演奏を好む』って教えて貰っただけだよ」
「ソールスベリー先輩に?」
羨ましそうに訊ねるクリスに、「ごめんな」と吉野は、すまなそうに謝った。
「どうして謝るの? 僕は精一杯やって駄目だったんだからいいんだよ。そりゃ、少しは……、本当は、少しじゃなくて、かなり、悔しいけどね」
言葉とは裏腹に、クリスはすっきりした顔で笑っている。
「でも、俺だけアドバイス貰って、お前に教えてやらなかった」
「教えてもらったからって、言われたようにできるものじゃないよ。それよりも――」
僕が知りたいのは、どうしてきみが、アレン・フェイラーのためにここまでするかってことだよ……。
はっきりと口にだして尋ねるのは、なんとなく躊躇われた。それは、アレンの問題に触れずにはいられなくなることで、吉野の機嫌を損ねるのでは、と危惧したからだ。
共に過ごす時間が増えるにつれて、アレンの異常なほどの兄への執着と、彼への嫌がらせの原因が、ただ単に彼自身の差別的な言動のせいだけではないことが、クリスにも判ってきたのだ。常に兄と比べられ、失望され、勝手に憎まれるほどになる……。傍からみていると、ずいぶんと理不尽だ。だから、吉野が彼の現状に憤慨するのももっともだと思う。クリス自身がそうなのだから。けれど、アレンは吉野をはっきりと嫌っているのだ。吉野が彼のことを案じていることを、アレンはまるで知らない――。吉野自身から口止めされているにしろ、クリスには、それがどうにも、もどかしくてならなかった。
――寮長に勧められて、選抜を受けることにしたんだ。兄に劣らない演奏をすれば、みんな、僕は確かに兄の弟だ、って認めてくれるようになる、って、そうおっしゃって下さったから。
はにかんだように教えてくれたアレンの話を吉野にすると、
――そうか、じゃ、ヘンリーがあいつの演奏を聴いてやれば、今みたいな嫌がらせも、もっとマシになるかな。
と、彼はしばらくの間考え込み、
――だったら俺も選抜を受けるよ。残れたら飛鳥が来てくれる。飛鳥が頼めば、きっとヘンリーもコンサートに来てくれるよ。それに、ヘンリーが来るってなったら、あいつも喜ぶだろ?
と、まるで悪戯でも思いついたように笑って言ったのだ。
その時は冗談だと思ったのに、吉野は自分の言葉をそのまま現実にして選抜に残った。
きっと、いや、必ず、彼もコンサートに来てくれるに違いない。吉野の言葉通りに……。
ぼんやりとクリスはそんな記憶を思い出しながら、軽く頭を振る。
「――それよりも、キャンベル先生に先輩の名前を出されたとなると、先輩が来てくれても、みんな、アレンじゃなくて、きみを見に来たんだって思うのじゃないかな?」
「それは心配ない。フェイラーの演奏を聴いたら、みんな俺のことなんか忘れるよ。俺、本番は試験の時みたいに吹かないからな。俺よりもフェイラーの方が、ずっとあいつに近い演奏をする。判る奴には判るからさ」
「どういうこと?」
「あいつが教えてくれたのは、ただの試験対策だよ。本番は好きにしろって言われた。俺だって楽しめばいいんだ、って」
クリスは意味が判らず首を傾げている。けれど吉野はそれ以上の説明をするでもなく、呑気に笑っていた。
その時の言葉通りに、当日のアレンのピアノ演奏は大喝采で終えた。
それに続く、吉野の演奏に、会場は出だしのいち音から静まりかえり、演奏を終え吉野が退場してからも、水を打ったように張りつめていた。
やっと最後部の入り口付近から、パン、パン、パンッと拍手が起こり、会場全体に伝播していくように大きく広がっていった。大歓声がそれに加わり、吉野の名を呼ぶ。
その手に黒く光るグラナディラを握りしめたまま、舞台に吉野が現れ、もう一度深く礼をした。
「駄目だよ!」
花束を渡そうと、舞台に続く通路を進もうとするヘンリーを、飛鳥は押し殺した、だが鋭い声で押し止める。
「きみの思惑で吉野を利用しないで」
飛鳥の厳しい表情に、ヘンリーは戸惑い、困ったように笑いかけて応じた。
「それなら、控え室に行こうか。僕はただ、彼の素晴らしい演奏を称えたいだけだ。他意はないよ」
「泥棒!」
壁越しに響いてきた悲鳴のような叫び声に、飛鳥はノックするのも忘れて、慌ててドアを開ける。
眼前で真っ赤になって怒っているアレンが、自分よりもずっと背の高い吉野の燕尾服の胸倉を掴んでいた。
「アレン・フェイラー!」
ヘンリーの良く通る低い声に、アレンはビクリと身を震わせて、静止する。自分を睨みつける冷たいセレストブルーの瞳と同じ色の瞳を見開いて、声の主を凝視する。その面は一気に血の気が引いて蒼褪めている。
「こいつが父さんのフルートを盗んだんだ」
「盗む?」
間をおいて、震える声音で応えたアレンに、ヘンリーは、唇の端を皮肉気に歪めて、その語句を繰り返す。
「高価なものだもの、ハンドメイド18Kゴールドモデル、ソールスベリー家の紋章入り。父さんが一番大切にしていたやつだ」
「へぇ、よく知っているね、僕の父に会ったこともないくせに」
ヘンリーは薄く笑いながら、テーブルの上に置かれたフルートを取り上げる。
「よく聞こえなかったな――。誰が、泥棒だって? 僕の父はね、もう、これを奏でることはできないんだ。だから、眼鏡にかなう相手がいるなら、僕の好きにしていいとおっしゃってくださった。そういう経緯でね、このフルートは、僕が、彼に、贈ったんだよ。それを、僕が、父から、盗んだ、って言いたいのかい? それとも、僕の、大切な、友人が、盗んだとでも?」
色をなくし、ガタガタと震えるアレンにヘンリーはゆっくりと歩み寄ると、手に持ったフルートを振り上げた。その手を、驚愕のまま固まった弟の顔めがけて、力一杯振り下ろす。
バシッ!
「楽器を粗末に扱うなよ。狂暴なやつだな」
皮膚を打つ音とともに、身体を縮こまらせているアレンのわずか手前で、平手にフルートを受け止めた吉野が、痛そうに顔を歪めている。
「きみはこのフルートはいらないのだろう? なら、構わないじゃないか。この礼儀知らずの小憎たらしい顔を、ぐちゃぐちゃにしてやりたかったのに」
ヘンリーは見下ろすような、冷えた視線を吉野に向け、「どけよ」と顎をしゃくる。
「ヘンリー!」
睨み合う二人の間に飛鳥が割って入った。
「ヘンリー、どうして判らないの? きみはこの子に対して怒っているんじゃない。きみが怒っている相手は、子どもの頃の自分だろ? この子の容貌が昔のきみを思い起こさせるからって、それはこの子のせいじゃないよ!」
「意味が判らない――」
きつい視線をそのまま飛鳥に向け、ヘンリーは小さく呟いた。
「これ以上この子を傷つけないで。それはきみ自身を傷つけているのと同じだよ。……幼かったきみを誰も守ってくれなかったのなら、僕が守るよ。きみがこれ以上幼いきみを傷つけないように、僕が守るから――」
飛鳥は、アレンの前に両手を広げて立ちはだかり、血が滲むほど唇を噛み締めている。
「どうして、きみが泣くんだ?」
「きみが、ひどく、傷ついているからだよ」
ヘンリーは飛鳥から顔を背け、踵を返した。
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