イングリッシュ・ブルーベル

『胡桃の中の蜃気楼』 フレデリック・キングスリー スピンオフ アレンとフレッドの出会い編です

「僕の大好きな友人は、このブルーベルの花の色の瞳をしているんだよ」
 教会の裏手にある雑木林の、足下を埋め尽くす青紫の花の絨毯の間をぬうように歩いていた兄は、少し遅れてその背中を追っていた僕を振り返り、晴れやかな笑顔を向けた。

 兄が逝ってしまった二年後、僕はブルーベルの瞳の少年に出会う。
 彼は、兄が晴れやかな笑顔で語っていた友人の弟だった。
24h.ポイント 0pt
0
小説 193,281 位 / 193,281件 キャラ文芸 4,916 位 / 4,916件

あなたにおすすめの小説

三月の風と四月の雨が五月の花をつれてくる

萩尾雅縁
キャラ文芸
『胡桃の中の蜃気楼』番外編 ヘンリーとフランクの出会い編です。 英国全寮制パブリックスクールを舞台に、度重なる嫌がらせに、苦虫を噛み潰したような顔をして日々を過ごしてきた少年ヘンリーの日常を、偶然話しかけてきた馴れ馴れしい少年が変えていく、そんなお話です。  突然降り出した雨が、強く石畳を叩いた。 「そんなに濡れて。そこで雨宿りして行けよ。コーヒーを御馳走するよ」 「きみ、泣いているのかと思った」

エートス 風の住む丘

萩尾雅縁
BL
「霧のはし 虹のたもとで 3rd Season」  エートスは  彼の日常に  個性に  そしていつしか――、生き甲斐になる ロンドンと湖水地方、片道3時間半の遠距離恋愛中のコウとアルビー。大学も始まり、本来の自分の務めに追われるコウの日常は慌ただしくすぎていく。そんななか、ジャンセン家に新しく加わった同居人たちの巻き起こす旋風に、アルビーの心労も止まらない!?   *****  今回はコウの一人称視点に戻ります。続編として内容が続いています。初見の方は「霧のはし 虹のたもとで」→「夏の扉を開けるとき」からお読み下さい。番外編「山奥の神社に棲むサラマンダーに出逢ったので、もう少し生きてみようかと決めた僕と彼の話」はこの2編の後で読まれることを推奨します。  

夏の扉を開けるとき

萩尾雅縁
BL
「霧のはし 虹のたもとで 2nd season」  アルビーの留学を控えた二か月間の夏物語。  僕の心はきみには見えない――。  やっと通じ合えたと思ったのに――。 思いがけない闖入者に平穏を乱され、冷静ではいられないアルビー。 不可思議で傍若無人、何やら訳アリなコウの友人たちに振り回され、断ち切れない過去のしがらみが浮かび上がる。 夢と現を両手に掬い、境界線を綱渡りする。 アルビーの心に映る万華鏡のように脆く、危うい世界が広がる――。  *****  コウからアルビーへ一人称視点が切り替わっていますが、続編として内容は続いています。独立した作品としては読めませんので、「霧のはし 虹のたもとで」からお読み下さい。  注・精神疾患に関する記述があります。ご不快に感じられる面があるかもしれません。 (番外編「憂鬱な朝」をプロローグとして挿入しています)  

僕たちは星空の夢をみる

美汐
キャラ文芸
沙耶は夢を見た。――この夢のことを理解してくれるのは、きっと彼らしかいない。 予知夢、霊視能力など、特殊な力を持つ学生が集められた『秋庭学園』。そこに通う生徒たちの織りなす学園青春ミステリー。

おきつねさまと私の奇妙な生活

美汐
キャラ文芸
妖怪、物の怪、あやかし――。 普通の人には見えないはずのものが見える結月は、自分だけに訪れる奇々怪々な日々にうんざりしていた。 そんな彼女が出会ったのは、三千年の時を生きてきた空孤と呼ばれる白い狐の大妖怪。 これは、結月と空孤――おきつねさまが繰り広げる少し不思議でおかしな日常の物語。

霧のはし 虹のたもとで

萩尾雅縁
BL
大学受験に失敗した比良坂晃(ひらさかあきら)は、心機一転イギリスの大学へと留学する。 古ぼけた学生寮に嫌気のさした晃は、掲示板のメモからシェアハウスのルームメイトに応募するが……。 ひょんなことから始まった、晃・アルビー・マリーの共同生活。 美貌のアルビーに憧れる晃は、生活に無頓着な彼らに振り回されながらも奮闘する。 一つ屋根の下、徐々に明らかになる彼らの事情。 そして晃の真の目的は? 英国の四季を通じて織り成される、日常系心の旅路。

【完結】おれたちはサクラ色の青春

藤香いつき
キャラ文芸
国内一のエリート高校、桜統学園。その中でもトップクラスと呼ばれる『Bクラス』に、この春から転入した『ヒナ』。見た目も心も高2男子? 『おれは、この学園で青春する!』 新しい環境に飛び込んだヒナを待ち受けていたのは、天才教師と問題だらけのクラスメイトたち。 騒いだり、涙したり。それぞれの弱さや小さな秘密も抱えて。 桜統学園で繰り広げられる、青い高校生たちのお話。

四天王寺ロダンの冒険

ヒナタウヲ
キャラ文芸
『奇なる姓に妙なる名』その人は『四天王寺ロダン』。  彼はのっぽ背にちじれ毛のアフロヘアを掻きまわしながら、小さな劇団の一員として、日々懸命に舞台芸を磨いている。しかし、そんな彼には不思議とどこからか『謎』めいた話がふわりふわりと浮かんで、彼自身ですら知らない内に『謎』へと走り出してしまう。人間の娑婆は現代劇よりもファナティックに溢れた劇場で、そこで生きる人々は現在進行形の素晴らしい演者達である。  そんな人々の人生を彩る劇中で四天王寺ロダンはどんな役割を演じるのだろうか? ――露と落ち 露と消えにし 我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢、秀吉が辞世で詠んだ現代の難波で、四天王寺ロダンは走り出す。  本作は『嗤う田中』シリーズから、一人歩き始めた彼の活躍を集めた物語集です。 『四天王寺ロダンの挨拶』 @アルファポリス奨励賞受賞作品 https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/682000184 @第11回ネット大賞一次通過作品 https://kimirano.jp/special/news/4687/ 『四天王寺ロダンの青春』 等 @第31回電撃大賞一次通過作品