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月下にて……
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「お兄ちゃん。私ね、大きくなったらお空を飛んでみたい!」
バカげた事をいう妹だった。それでも、そのバカげた言葉が愛おしくて、愛らしくて、どんな時でも元気になれた。
だから、俺はお前を……きっと……いや、絶対に救ってみせる……!!
────────────
………て
起き……
起きて………
耳に入る微かな声で目を覚ます。
勢いよく身体を起こし、全身を触る。そして、腕や足の感覚、思考がまともなのを確認するため、右、左と拳を交互に繰り出し、奇数と偶数を順番に10数える。
「おや、目は覚めたかい?」
「♢JΣ……助かった。」
「いや~まさか神使に連続で接触するとわね~契約しといて良かったでしょ?」
黒い靄は俺の影に潜み、黄色い眼と口をニヤニヤと歪める。俺はそのにやけ顔を煩わしく思いながらも、救ってくれた事にもう一度感謝を伝える。靄はそのまま俺の影に溶けていき、その気配は消えていった。俺はもう一度、怪我の具合を確認し廃墟の床に手を別世界線のしもべ達を召集する。
「召集」
そして、影が四つ虚空から現れる。
その瞬間、影が三つの影が俺の喉元へとそれぞれ光の剣、鋭い爪、影の剣を突き立てる。
こいつらがここまで怒るのには心当たりがある。仲間の二人を手にかけそれを集めている魂とカウントしたからだ。だが、こいつらにこんな仲間意識があったとは驚きだ。
「これは驚いた。お前ら、七人の咎人にも良心があったのか。」
光の剣を握る翼を携えた顔の整った男は眉間にしわを寄せその剣をさらに喉元へと近づける
「どういうつもりだ。」
そして、影の剣を握るやせたトカゲの男も喉元へ切っ先を近づける
「殺す必要はあったのか?」
そして、爪を突き立てる狼男はうなり声を上げ、何か言葉を話す。
「←*♢!ω→J、→÷#Δ+÷χ#㎝!」
狼男の言葉は耳に入っても何を言っているか分からない。でも、翼の男にはその言葉が聞き取れているようで、男はその光の剣を狼男の喉元へ向ける。
「声を荒げるなケモノ風情が。」
「α”⤴”、↓#γ!!」
「それは貴様の気分だろ。」
「βγ!!」
何を喋っているのかは分らんが、狼男が俺に怒りを向けているのは理解した。
男達は気が済んだのか、各々武器をしまい俺の前で座る。
俺は改めて、経過報告と情報交換を始める。
「神使と接触した。2回もだ。」
翼の男が溜息をつき、鼻で笑う。
「それで?とっさに二人を殺した。と……」
ルシファーはオレに光の剣を再び喉元へと突きつける。
「やはり貴様は我ら七つの大罪を扱うには弱すぎる。」
七つの大罪。
キリスト教における「七つの死に至る罪」の事を差す。色欲、嫉妬、暴食、怠惰、憤怒、傲慢、強欲の七つの罪である。俺はとある目的の為にこの七つの大罪の魔族を召喚した。召喚したのだが、俺は目の前の四人よりも確実に弱い。魔力、能力、それよりも圧倒的に種族の差で負けている。俺はルシファーの手を振り払うと、瓦礫に座り直す。
「召集の要件を話す。そこに並べ。」
俺に襲いかかってきた三人は俺の前に立って早く話せと目線を送ってくる。
「これからは、二人組で行動してもらう。そして、魂の数を一日、今までも倍の数遅れ。以上、解散。」
三人は目を見開き、俺の方を見る。一人は相変わらず寝そべったまま話を聞いているのかいないのかも分からない。とにかく、あと一ヶ月……それまでに魂を集めきらなければ。
妹の為ならば、俺は大罪人にも、なる。
バカげた事をいう妹だった。それでも、そのバカげた言葉が愛おしくて、愛らしくて、どんな時でも元気になれた。
だから、俺はお前を……きっと……いや、絶対に救ってみせる……!!
────────────
………て
起き……
起きて………
耳に入る微かな声で目を覚ます。
勢いよく身体を起こし、全身を触る。そして、腕や足の感覚、思考がまともなのを確認するため、右、左と拳を交互に繰り出し、奇数と偶数を順番に10数える。
「おや、目は覚めたかい?」
「♢JΣ……助かった。」
「いや~まさか神使に連続で接触するとわね~契約しといて良かったでしょ?」
黒い靄は俺の影に潜み、黄色い眼と口をニヤニヤと歪める。俺はそのにやけ顔を煩わしく思いながらも、救ってくれた事にもう一度感謝を伝える。靄はそのまま俺の影に溶けていき、その気配は消えていった。俺はもう一度、怪我の具合を確認し廃墟の床に手を別世界線のしもべ達を召集する。
「召集」
そして、影が四つ虚空から現れる。
その瞬間、影が三つの影が俺の喉元へとそれぞれ光の剣、鋭い爪、影の剣を突き立てる。
こいつらがここまで怒るのには心当たりがある。仲間の二人を手にかけそれを集めている魂とカウントしたからだ。だが、こいつらにこんな仲間意識があったとは驚きだ。
「これは驚いた。お前ら、七人の咎人にも良心があったのか。」
光の剣を握る翼を携えた顔の整った男は眉間にしわを寄せその剣をさらに喉元へと近づける
「どういうつもりだ。」
そして、影の剣を握るやせたトカゲの男も喉元へ切っ先を近づける
「殺す必要はあったのか?」
そして、爪を突き立てる狼男はうなり声を上げ、何か言葉を話す。
「←*♢!ω→J、→÷#Δ+÷χ#㎝!」
狼男の言葉は耳に入っても何を言っているか分からない。でも、翼の男にはその言葉が聞き取れているようで、男はその光の剣を狼男の喉元へ向ける。
「声を荒げるなケモノ風情が。」
「α”⤴”、↓#γ!!」
「それは貴様の気分だろ。」
「βγ!!」
何を喋っているのかは分らんが、狼男が俺に怒りを向けているのは理解した。
男達は気が済んだのか、各々武器をしまい俺の前で座る。
俺は改めて、経過報告と情報交換を始める。
「神使と接触した。2回もだ。」
翼の男が溜息をつき、鼻で笑う。
「それで?とっさに二人を殺した。と……」
ルシファーはオレに光の剣を再び喉元へと突きつける。
「やはり貴様は我ら七つの大罪を扱うには弱すぎる。」
七つの大罪。
キリスト教における「七つの死に至る罪」の事を差す。色欲、嫉妬、暴食、怠惰、憤怒、傲慢、強欲の七つの罪である。俺はとある目的の為にこの七つの大罪の魔族を召喚した。召喚したのだが、俺は目の前の四人よりも確実に弱い。魔力、能力、それよりも圧倒的に種族の差で負けている。俺はルシファーの手を振り払うと、瓦礫に座り直す。
「召集の要件を話す。そこに並べ。」
俺に襲いかかってきた三人は俺の前に立って早く話せと目線を送ってくる。
「これからは、二人組で行動してもらう。そして、魂の数を一日、今までも倍の数遅れ。以上、解散。」
三人は目を見開き、俺の方を見る。一人は相変わらず寝そべったまま話を聞いているのかいないのかも分からない。とにかく、あと一ヶ月……それまでに魂を集めきらなければ。
妹の為ならば、俺は大罪人にも、なる。
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