2 / 20
EMG2:白い悪魔
しおりを挟む
怪獣や怪人には等級が存在する。注意級、警戒級、危険級、災害級、特別大災害級の五段階レベルでそれぞれの対応が変わってくる。その中でここ十年で四件しか確認できないのが一番等級が高い特別大災害級だ。
№1 海の怪獣
日本近海で確認され、体長が60mまたはそれ以上の大きさの大怪獣だと確認できた。黒い体色にサメ肌の様にザラザラとした皮膚を持っている。見た目はクジラだが、直立二足歩行ができ、非常に凶暴な性格をしている。原因不明の津波が立て続けに発生したことを受けて調査に出たところ発生源にいたところが発見されている。船で近づいた際、クリック音やホイッスル音で怒っていたことが最近の研究で明らかになった。当時は船で近づき調査をしていたところ船は尻尾で飛ばされ乗員10名が即死した。その調査以来、№1は姿を見せていない。
№2 山の怪獣
富士山付近の樹海の地面から突然現れた怪獣。体長45mの巨体で富士山周辺を歩き回り道路や施設に莫大な被害をもたらした。そして、体からは有毒物質が常に溢れ出ており一帯は草も生えないほど汚染された土地になった。こちらは特定の人間だけが聞こえる声を発して周辺に誘いこみ、その人間を食物として食べていた。特定の人間というのは、体内でコルチゾンを分泌しやすい血液型A型の人間だと言われている。初調査が昭和〇×年でそこから毎年初夏に活動していることが分かったので今年も初夏に対策が寝られている。
№3 大量殺人怪人
平成〇年。東京を中心に活動していたとされる怪人、一日数百人単位を殺傷しており、命からがら逃げた被害者(後に死亡が確認された)の証言による見た目と殺害方法は以下の通り。
見た目:黒いコートを纏った身長が2mいくかいかないかの細身で腕は常に脱力している。
目が合うと三日月形に口角を上げる。
殺害方法:すれ違った人間に肩をぶつけて謝らせて会釈のタイミングで首を切り落とす。
調査を開始した翌年に目撃情報が減り現在は観測がされていない。
№4 白い悪魔
怪人や怪獣あるところに白い悪魔あり。平成〇×年の後期から見るようになった怪人。190㎝ちょっとの身長で白い体色と鹿のような角が特徴的。怪獣が出現した際には小さな体で怪獣の巨体と渡り合い、そして怪獣を撃破していた。怪人には変わりないが、今のところ人間への被害は出ていないが、その圧倒的な力が特別大災害級に匹敵するためこのレベリングになった。
────────────
白い怪人は倒れた怪獣の腹部に乗ると固めた拳を思い切り振り下ろす。怪獣はいきなりの衝撃に周囲を揺らす咆哮を上げるが白い怪人は構わずに拳を叩き入れていく。やがて怪獣の腹部に拳が食い込んでいくとついに怪獣の腹部は敗れて紫色の液体が勢いよく噴き出た。白い怪人は怪獣の血を拭うと拳を抜き、腹部でトランポリンの様に跳ねて跳躍した。高く上がった空から白い怪人は落下速度を利用して怪獣の空いた腹部へ飛び蹴りを叩き入れてとどめをさした。開いた腹部からは先ほどよりも多くの紫色の血が噴射し辺りを汚していく。怪獣はその痛みに耐えられずに絶命した。
「倒したのか……?」
氷室が動揺していると死んだ怪獣の腹を突き破って白い怪人が出てきた。隊員たちは兵器を構えて臨戦態勢に入るが、白い怪人はこちらを見ると何も言わず静かに踵を返して森の方へと生んでいってしまった。
「白い悪魔……」
氷室は逃げた方向へ視線を張り付けて白い悪魔が何者なのかを考えた。
────────────
某市伯朧神社の森の中にて白い悪魔と呼ばれる怪人は見事に着地した。怪人は眩い光に包まれ体を小さく変化させていった。
「ふぅ……まぁ、あんなもんか……」
六代伊吹はため息を吐きながら頭にタオルを巻きなおして神社の階段を上がっていった。境内に入ると庭の手入れの途中で投げ出された巫女が顔を膨らませて待っているのが見えた。
「仕事を頬りだして遊んでいるとはずいぶんと偉くなったもんですね?六代さん。」
「いや~すまない…ここの森って自然豊かなんで少しテンションが上がってしまって……すみません。」
巫女はため息を吐きながら近づいてくる。そして顔の前まで来るとふくれっ面を見せつけるように口を開いた。
「私は、今怒っているんですよ?六代さん。それがわかりながらなんでそんなへらへらとした態度なんですか?六代さん。仕事がないから雇っているのに職務怠慢されては困るんですよ六代さん。」
ふくれっ面のまま淡々と言葉を並べる巫女に伊吹は困った顔で謝る。
「本当にすみません。今日はサービスするので許してください。」
「それならいいでしょう。この件は伯朧神社の巫女として見逃すことにします。」
伊吹は踵を返して戻っていく巫女を見つめた。
『随分と楽しそうじゃの~』
微笑んでいる伊吹の耳に声が入ってくる。高いような低いような女性のような男性のような声。その声に伊吹は煩わしそうに声に向かって言う。
「うるさいですよ。白龍様。」
『おいおい、うるさいとはセミが四方八方で絶え間なく耳障りに騒いでいることを言うのだぞ?ワシはただお主に楽しそうだねって語り掛けているだけじゃよ?』
「それがうるさいって言ってんですよ。耳障りなのには変わりないんで」
『けっ!ワシが助けてやったことも忘れおって……実に不愉快じゃ。寝る。』
声の主、白龍はそういって静かになった。
「さて、と作業を再開するか。」
伊吹は深呼吸すると今回のサービス分の手入れも始めた。
EMG2:白い悪魔
次回 EMG3:白龍との出会い
№1 海の怪獣
日本近海で確認され、体長が60mまたはそれ以上の大きさの大怪獣だと確認できた。黒い体色にサメ肌の様にザラザラとした皮膚を持っている。見た目はクジラだが、直立二足歩行ができ、非常に凶暴な性格をしている。原因不明の津波が立て続けに発生したことを受けて調査に出たところ発生源にいたところが発見されている。船で近づいた際、クリック音やホイッスル音で怒っていたことが最近の研究で明らかになった。当時は船で近づき調査をしていたところ船は尻尾で飛ばされ乗員10名が即死した。その調査以来、№1は姿を見せていない。
№2 山の怪獣
富士山付近の樹海の地面から突然現れた怪獣。体長45mの巨体で富士山周辺を歩き回り道路や施設に莫大な被害をもたらした。そして、体からは有毒物質が常に溢れ出ており一帯は草も生えないほど汚染された土地になった。こちらは特定の人間だけが聞こえる声を発して周辺に誘いこみ、その人間を食物として食べていた。特定の人間というのは、体内でコルチゾンを分泌しやすい血液型A型の人間だと言われている。初調査が昭和〇×年でそこから毎年初夏に活動していることが分かったので今年も初夏に対策が寝られている。
№3 大量殺人怪人
平成〇年。東京を中心に活動していたとされる怪人、一日数百人単位を殺傷しており、命からがら逃げた被害者(後に死亡が確認された)の証言による見た目と殺害方法は以下の通り。
見た目:黒いコートを纏った身長が2mいくかいかないかの細身で腕は常に脱力している。
目が合うと三日月形に口角を上げる。
殺害方法:すれ違った人間に肩をぶつけて謝らせて会釈のタイミングで首を切り落とす。
調査を開始した翌年に目撃情報が減り現在は観測がされていない。
№4 白い悪魔
怪人や怪獣あるところに白い悪魔あり。平成〇×年の後期から見るようになった怪人。190㎝ちょっとの身長で白い体色と鹿のような角が特徴的。怪獣が出現した際には小さな体で怪獣の巨体と渡り合い、そして怪獣を撃破していた。怪人には変わりないが、今のところ人間への被害は出ていないが、その圧倒的な力が特別大災害級に匹敵するためこのレベリングになった。
────────────
白い怪人は倒れた怪獣の腹部に乗ると固めた拳を思い切り振り下ろす。怪獣はいきなりの衝撃に周囲を揺らす咆哮を上げるが白い怪人は構わずに拳を叩き入れていく。やがて怪獣の腹部に拳が食い込んでいくとついに怪獣の腹部は敗れて紫色の液体が勢いよく噴き出た。白い怪人は怪獣の血を拭うと拳を抜き、腹部でトランポリンの様に跳ねて跳躍した。高く上がった空から白い怪人は落下速度を利用して怪獣の空いた腹部へ飛び蹴りを叩き入れてとどめをさした。開いた腹部からは先ほどよりも多くの紫色の血が噴射し辺りを汚していく。怪獣はその痛みに耐えられずに絶命した。
「倒したのか……?」
氷室が動揺していると死んだ怪獣の腹を突き破って白い怪人が出てきた。隊員たちは兵器を構えて臨戦態勢に入るが、白い怪人はこちらを見ると何も言わず静かに踵を返して森の方へと生んでいってしまった。
「白い悪魔……」
氷室は逃げた方向へ視線を張り付けて白い悪魔が何者なのかを考えた。
────────────
某市伯朧神社の森の中にて白い悪魔と呼ばれる怪人は見事に着地した。怪人は眩い光に包まれ体を小さく変化させていった。
「ふぅ……まぁ、あんなもんか……」
六代伊吹はため息を吐きながら頭にタオルを巻きなおして神社の階段を上がっていった。境内に入ると庭の手入れの途中で投げ出された巫女が顔を膨らませて待っているのが見えた。
「仕事を頬りだして遊んでいるとはずいぶんと偉くなったもんですね?六代さん。」
「いや~すまない…ここの森って自然豊かなんで少しテンションが上がってしまって……すみません。」
巫女はため息を吐きながら近づいてくる。そして顔の前まで来るとふくれっ面を見せつけるように口を開いた。
「私は、今怒っているんですよ?六代さん。それがわかりながらなんでそんなへらへらとした態度なんですか?六代さん。仕事がないから雇っているのに職務怠慢されては困るんですよ六代さん。」
ふくれっ面のまま淡々と言葉を並べる巫女に伊吹は困った顔で謝る。
「本当にすみません。今日はサービスするので許してください。」
「それならいいでしょう。この件は伯朧神社の巫女として見逃すことにします。」
伊吹は踵を返して戻っていく巫女を見つめた。
『随分と楽しそうじゃの~』
微笑んでいる伊吹の耳に声が入ってくる。高いような低いような女性のような男性のような声。その声に伊吹は煩わしそうに声に向かって言う。
「うるさいですよ。白龍様。」
『おいおい、うるさいとはセミが四方八方で絶え間なく耳障りに騒いでいることを言うのだぞ?ワシはただお主に楽しそうだねって語り掛けているだけじゃよ?』
「それがうるさいって言ってんですよ。耳障りなのには変わりないんで」
『けっ!ワシが助けてやったことも忘れおって……実に不愉快じゃ。寝る。』
声の主、白龍はそういって静かになった。
「さて、と作業を再開するか。」
伊吹は深呼吸すると今回のサービス分の手入れも始めた。
EMG2:白い悪魔
次回 EMG3:白龍との出会い
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる